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「酒乱」スキルで異世界生活!? 記憶をなくしたら勇者になってました  作者: あいだのも
第四章 妖精が集う水の都マリチア
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第三十三話 水底の図書館


――――――――――――――――――――――――――


気付くと噂になっていた古書館があると言われている水辺に立っていた


「噂は本当のようね」


博史の手には抱き合う、女性と少年の姿が書かれた本を持っていた

し…ショタ……?


「貸すネ!

ダメネ、マリリンに渡すとお宝かもしれないのに燃やされるネ」

というと、メィェンタオが本を奪い取る


「酷いわーメンちゃん

あの時はたまたま手が滑っただけなのに」


「それがダメネ!」


「何があったんだ?」


「なんだ博史、また覚えてねぇのか?

今回はだなー」


――――――――――――――――――――――――


リザリーの誕生日会の後



酔った博史がキリヤに

今朝の水底の古書館の話とギルドのお姉さんの話をした


「なぁキリヤ、水の底に古書館があるらしいんだけど

エッチな本でも隠しているのかな?

後ギルドの床が全面ガラス張りだったんだ」


「そりゃよー

行くしかねぇ―よー

博史ー全面鏡張りってなんなんだー?」


「バカヤロー!

全面ガラス張りってことは暗くなりゃ全面鏡張りになるってことだろ!」


「博史―お前はやっぱり天才だなー

古書館行ってよー

世紀の大発見してよー

夜中にギルド行って報告すればお姉さん出てきてくれるだろうなー」




市場の喧騒が静まる頃、博史、キリヤ、メィェンタオ、マリーは湖のほとりに立っていた。

「博史キリヤの悪事にマリリンも誘ってくれるってどういう風の吹き回し?」


「お前がいないと水の底までいけないだろう?

俺様はお前がこの話に乗ると思っていたが」


「マリリンは知らない事をみたいのよ」


「マリリンダメネ!

燃やすからお宝に触れちゃだめネ

メィェンタオ今回はお宝持って帰るね!」


「分かっているわよ

全くメィェンタオちゃんは人をドジっ子みたいに言って」

マリーのはドジっ子じゃなくてキャラだろ…

とは誰も口が裂けても言えなかった


水面は真っ暗だが奥深くから謎の光が漏れている気がする

博史たちは水の中に残る"灯る光"を確かめるべく探索の準備を始めた。

水の都の夜は静かだった。

湖底にはまだ失われた知識の記憶が眠っている——。


湖面は鏡のように静かだ。

水の都の夜は、美しくも神秘的な空気に包まれている。

青く輝く蓮の花が湖に浮かび

遠くでは笛や琴の音がかすかに響いていた。

この美しい水面の下に太古の知識が眠っている。

「……ここに沈んでるんだな、古書館が」

博史は水面を覗き込みながら呟いた。


「この水の下にまだ本があるなんて信じられないネ」


「湖の底で光ってるって、本当に誰かがいるのか?」


「"知識の精霊"がいるとか

この都にはそんな伝説もあるらしいわ」


「……でも、湖の底に本なんか残ってるのか?」


「わからない。でも、行くしかないわね」

博史たちは頷き合い

水底の古書館へ向かう準備を始めた。



水に入るとひんやりとした冷たさが肌を包み込んだ。

マリーの水中呼吸の魔法のおかげで、息苦しさはない。

丁寧に耳抜きをして潜っていくも10Mを越した辺りから

耳やら内臓やら厳しくなった


それをマリーが察したのか魔法で泡のようなものを作ってくれた

その中に入ってゆっくりと湖の底へと降りていく


50M近く潜ったところで水の中に巨大な建物が浮かび上がった。

大理石の柱に支えられた、美しい遺跡。

入り口にはかつての文字が刻まれ、古びた扉が半ば崩れかかっていた。


そして——

扉の隙間から、かすかに淡い光が漏れている。


「……本当に誰かいるのか?」


「慎重にいきましょう」

博史たちはゆっくりと古書館の中へ足を踏み入れた。


水に沈む書物たち

館内は静寂に包まれていた。

水流に揺れる本棚、石造りの机、長椅子。

多くの書物は崩れ落ちていたが

一部は魔力を帯びた防護の力によって残されているようだった。


館の奥には——誰かが灯したかのような燭台の光が揺れていた。


「誰かいるのか?」

慎重に進むと、奥の机に一冊の本が開かれたまま置かれていた。

その本には、古代の文字が並んでいる。


「読めるか?」


「……少しだけなら……」

マリーが慎重にページをめくる。


すると、その瞬間——

水の中に、ふわりと光の粒が舞い上がった。


まるで眠っていた何かが目を覚ましたかのようだった。

そして、かすかに聞こえてくる、誰かの声。

『……知識を求める者よ……』


博史たちは息を呑んだ。

その言葉の続きを聞こうとした、まさにその時——

湖底に響く、不吉な音。

ゴゴゴゴゴ……!!

水の中の何かが動き出す音がした。


「ッ!? な、なんだ!?」

湖底の遺跡が、ゆっくりと崩れ始めていた。


「ここが崩れる!? 何が起きたんだ!」


「さっきの本を読んだから……?」


「とにかく、急いで戻るぞ!」


博史たちは急いで出口へ向かった。

博史たちは湖の底から脱出し、水面へと浮かび上がった。



―――――――――――――――――――――――




「どうするよー博史

今ギルドに行ってお姉さんに会えたら

お前の言っていた床が鏡になっているんだろー

なにせ、これは緊急のことだからなー」


「博史くん、キリヤ駄目よ

こんなエロ本をギルドのお姉さんに渡すわけにいかないでしょ」

これをエロ本と言えるのかは別として

沈んだ古書館の成果がこれだけとは



「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。


その他の作品も読んで頂けると嬉しいです。

【最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい】

【囚われ姫は魔王に恋をする】

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