第十一話 冒険者は皆目立ちたがり屋みたいです
翌朝
昨日は大変だった…らしい
ブランと教皇で色々あってマリーが丸く収めてくれたらしい。
当のマリーは、いつの間にかパーティに戻ってきて、
眠そうにあくびをかいて…
可愛くあくびをかく練習してるし…
そんなことがあっても、相変わらず金欠だ
「なぁ博史、お前のスキルの割り振りってどうなってるんだ?」
酒場からギルドへの道、キリヤが聞いて来た
「スキル?なんだそれ?」
異世界と言えばスキルは定番だが
俺のスキルは『酒乱』
むしろ迷惑なスキルでしかない
「お前も色々とモンスター倒してレベル上がってるだろ?
ギルドで上がったステータスの確認と、スキル習得出来るぞ」
「スキルって生まれもっての才能じゃなくて
後から手に入れられるのか?」
「ああ、『スキル無し』ってのは
全くスキルが使えない訳じゃなくて
初期スキルが無いって意味だ
大体のやつはそうだがな」
「初期スキルって自己申告じゃないのか?
嘘つくやついないのか?」
「ブランみたいなやつは別として
ほとんどのやつが持ってたら申告する筈だぞ
初期スキルあるだけで
最初からパーティー組めるし
優遇されるからな」
ブランは大あくびをかこうとして
見られているのに気づき小さくあくびをする
「皆どんなスキル持ってるんだ?」
「よくぞ聞いてくれました
俺様のスキルはエクストラスキルの『才覚』!
初めから初期ステータスが高いんだぜ!」
「なんだそのかっこいいスキル
てか、スキルにも階級があるんだな」
勇者の才覚って色好きなのもそれなのか…
「あたいはエクストラスキルの『弱者へ誘う』
デバフ効果の必中と強化」
「ブランもエクストラか…
マリーは?」
「マリリンはねエクストラの『愛の神呪』『天裁き』
マスターの『水の加護』…
その他いくつかハイパーがあった気がするわ」
「はぁ?
お前らどうなってんだ
この世界でスキルってそんなポンポンあるのか」
「そんな訳無いでしょ!
エクストラスキルは超貴重よ
Sランクパーティーにすら
一人居るだけで優遇されるんだから!」
ブランが呆れたように言う。
「…まあ、キリヤとブランはまだ分かる
マリーはそんなにあるってチートじゃないのか!?」
「マリリンの初期スキルは『水の加護』だけよ
他は後付け」
「年寄りはスキル強化させやすいもんなぎゃあああ」
キリヤが余計な一言を付け加えると、即座に黒焦げになった。
これが『天裁き』…
てか、こんなに強いならとっとと魔王討伐すればよいのに…
「スキル習得したことがないなら、一緒にギルド行ってあげるわー」
ギルドに着くと受付の横に円い水晶とタイプライターのような物が置いてあった
水晶の下に冒険者カードを置くと水晶が淡く光る
【レベル38】
意外と高いと思って履歴を見て見たら
ほとんどはサイクロプスだった
そのほかのスライムとかはあってないような数値
レベル20毎に一つルーキースキルを獲得出来るらしい
俺にはスキルポイントが「1」ある
「博史って本当にレベル38でステータスが普通なんだな」
「博史はどんなスキル獲得するの?
前衛で戦う戦士系統、後衛の魔法使い系統
初めは何にでもなれるけど、初めが肝心よ」
マリーがスキル表を見ながら教えてくれた。
スキル表を見たらルーキースキルは1ポイント
スキルのレベルアップはノーマルにするのに+1ポイント、その次のハイパースキルで+2その次のマスターて+4と倍々でポイントが増えている
その次のエクストラになると5段階でポイントが+8
20レベルで1ポイントってこと
0から上げていくと単純計算でエクストラになるまで320レベル必要な事になる
レベル320って高すぎる
俺の価値観が違うのかって思ったら
Aランク冒険者の平均レベルが80前後
Sランクですら100前後ってことは俺の計算や価値観が狂っている訳ではなさそうだ
当然レベルが上がるにつれて必要な経験値も多くなる
ノースキルからエクストラまでいくことはまずあり得ない
マスターすら極め続けてその境地に達するか否かってところ
大抵のスキル無し冒険者は効率が良いノーマルまでしか上げないらしい
Sランク冒険者ですらノーマル3つとが普通らしい。
初期スキルでエクストラってチートにも程があるだろう
それをいくつも持ってるマリーは…
いや、難しい事は考えないでおこう
俺に必要なスキル
前衛のキリヤ
中間でデバッファーと中距離攻撃のブラン
後衛でバフも回復も
おそらくやろうと思えば攻撃も出来るマリー
俺は要らない気がする
いや、こうゆうときに意外と必要なスキル
よくある地味なやつがあるじゃないか
「本当にそれで良いのか博史?」
「もっと強いのあるし
わざわざそれを選ぶ人いないよ」
キリヤとブランが心配そうに言う。
「良いんだルーキースキル『影を歩く』
少しの間存在感が薄くなり相手から見つかりにくくなる
前衛で目立つキリヤの影から相手を倒す
このダガーとも相性が良いはずだ」
俺みたいに弱いやつが死なない為には
相手から見つからなくするのが一番良いはずだし
決して覗きをしたい訳じゃないからな
こうして俺は新しいスキルを手に入れたのだった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
博史
所属 シューティングスター
役割 冒険者
スキル 『酒乱』 『影を歩く』
魔法 無し
武器 タガ―
防具 初心防具
持物 なし
ステータス
レベル 38
体力 52
腕力 46
魔力 34
防御力 42
耐性 『アルコール×』
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