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第三十一話 大賢者バルドー

ウオーターフォールの村に到着したシルバー達は、さっそく村の人たちに大賢者バルドーの事を聞いて回ろうとしたのですが、逆に村人たちに取り囲まれ、質問攻めに遭っていました。その理由はエリーゼの失踪です。


「ちょっとシルバー!これはどう言う事なの?!」


「そうよ!突然ブランデールの兵士たちが飛行船で現れ、エリーゼちゃんを連れ去るなんて?!」


「あんた、母親が拉致されたのに、なにのん気に人捜しをやってんのさ!?」


「そうじゃ!そうじゃ!先に自分の母親を捜さんかい!!」


村ではいつの間にかエリーゼが王国に拉致された事になっており、大問題になっているところへ、今度はシルバーたちが飛行船に乗って現れたため、村じゅうの人々が集まって大騒ぎになってしまったのでした。


「うわ!ち、違うよ!母ちゃんは拉致されたんじゃなくて、王様に呼ばれてブランデールへ行っているだけなんだよ!」


シルバーは慌てて説明しますが、村の人たちはそう簡単には納得しません。

それもそのはず、村で慎ましく生活していた女性が実は王様と知り合いで、今はお城の中で暮しているだなんて、そう簡単には受け入れられない話です。

それにシルバーとしても、またこの村で以前のように両親と共に暮したいと思っているので、本当の事など言える訳がありません。


結局飛行船の乗組員の兵士や、この村の駐屯兵たちも巻き込んで、何とか村人を納得させることが出来ましたが、肝心の大賢者についての手掛かりは、何も得る事が出来ませんでした。


「まいったな・・・。太陽の神殿だけじゃなく、こっちも行き詰っちまったぜ・・・」


フォークがため息をついています。


「やっぱ、あれしかないか・・・」


「えっ?どういうこと?」


シルバーのつぶやきに、ソフィアが即座に反応しました。


「実は、前から少し気になる場所があるんだよ・・・」


シルバーはそう言うと、虹の滝の展望台へやって来ました。

そしてそこにある大きな岩を手で叩いて見せます。


「これなんだけど・・・」


そう言うと、持ってきたバケツの水を岩に掛けました。

すると水は岩に染み込むように無くなって行きます。


「なっ、この岩の下に空洞があると思わないか?」


雨が降った後、真っ先にこの岩の周りから乾いて行くのを、シルバーは以前からずっと不思議に思っていたようです。


「間違いねえな!よし、すごい爆弾で試してみようぜ!」


バロワの塔で4つ手に入れたすごい爆弾ですが、これまでにすでに3つを使い、これが最後の一つとなっていました。


慎重にセットし、気合を込めて点火します。


ドガーーーン!!!



「あった!」


大きな岩は見事に吹き飛び、爆風で巻き起こった砂煙の中から、地下へ降りる階段をソフィアが真っ先に見つけました。


地下へ降りる階段の先は、広大な鍾乳洞に繋がっていました。

膝まで水に浸かりながら慎重に鍾乳洞の中を進んで行くと、道が北と東の二手に分かれている場所へ出ました。


水は洞窟の北からたくさん流れ出て来るので、シルバー達は東の方角へ進みます。

そしてしばらくすると、薄く光が射している場所へたどり着きました。

そこから上を見上げると、生い茂った木の隙間から日が射しているのが見えます。


「よし、ここから上に登れそうだ!」


シルバー達は持っていたロープを使い、洞窟から外へ出ました。

洞窟の外は森の様な場所で、たくさんの木々が生い茂っていましたが、その木々の隙間から煙が立ち込めるのが見えました。


「家があるぞ!行ってみよう」


シルバー達は急いでその家へ向かいました。

小さな庵の煙突からは、ご飯をかしぐ良い香りの煙が立ち込めています。


「きっとここが大賢者バルドーさんのお家ね!」


気の早いフレディアは、いそいそと黄色い結晶石のカケラを袋から取り出しています。


庵の中では紫色のローブを纏った老人が、囲炉裏に鍋を掛けて食事を作っていましたが、シルバー達に気づくと、長い立派な髭をしごきながら声を掛けてきました。


「お、今日はなにかの?」


「あの・・・。 おじいちゃんの名前は、バルドーって言うんですか?」


シルバーが恐る恐る声を掛けます。


「いかにも、わしの名はバルドーじゃが・・・」


そう答える大賢者の目の前に、待ちきれないフレディアが黄色い結晶石のカケラを差し出しました。


「おぉ!お前たちの手に持っておるのは、黄金の結晶石のカケラではないか!!」


それを見た瞬間、バルドーは驚きの声を上げました。


「何と!すべてのカケラを揃えたじゃと?」


「よし!わしがそのカケラを、元の結晶石の姿に戻してやろうぞ!!

お前たちは、そこの暖炉の横らへんに下がっておるがよい」


バルドーの言葉に、フレディア達は大喜びで暖炉の横へ走ります。


「うむ、そこらへんじゃ」


そう言うと、大賢者バルドーは黒曜石で出来たテーブルの上に結晶石のカケラを乗せ、呪文を唱え始めました。


するとカケラは赤や紫といった、いろいろな色に変化を始め、そしてひときわ明るい光を放つと、美しい黄金色に輝く結晶石へと生まれ変わりました。


「よし!黄金の結晶石が生まれたぞ!! さあ、これを持って行くがよい!!」


フレディアは大喜びで黄金の結晶石を受け取りました。

お礼を言うシルバー達に、大賢者は大きな声で諭します。



「命のクリスタルとは、まさに命の源・・。

生命のエネルギーを発するものじゃ。

これを封じない限り、エルサラームの宮殿に巣食う魔物は、永久に存在し続けるであろう・・・」


「また、永遠の命と若さを求める人間の欲望がある限り、エルサラーム宮殿は幾度でも復活するであろう」


「シルバーよ! いまこそ伝説を蘇らせるのじゃ!!虹を駆ける銀嶺の覇者の伝説を!!」


そう言うとバルドーは明るい光を手から発し、全員の体力と魔力を全快にしてくれました。


再び鍾乳洞に戻ったシルバー達は、今度は分岐点から北の方角へ進みます。

水の流れに逆らって進んで行くと、やがて目の前に階段が現れました。

そこはちょうど虹の滝の裏側にあたる場所で、広い遺跡になっていたのです。

その場所には視覚を混乱させるトラップが施されていましたが、惑わされずに探索を進め、四つの結晶石の扉を見つける事が出来ました。

そしてそれぞれの色の扉の部屋には、伝説の貴重なアイテムが置かれていました。


*赤い結晶石の部屋

正義のマント・・・古代の秘宝、地形ダメージ無効などの効果を持つ砂漠王のマント。


*緑の結晶石の部屋

光のローブ・・・地形ダメージや物理ダメージを回避する、神秘の力を秘めた古代の秘宝。


*青い結晶石の部屋


太陽のカケラ・・・小さな湖なら蒸発させてしまう力を持っている。


*黄金の結晶石の部屋


ペルセウスの剣・・・古代の神々の戦いで使われた最強の剣。

銀嶺の鎧・・・選ばれし者だけが使える聖なる鎧。


その後、太陽のカケラを使って太陽の神殿に入ったシルバー達は、数々のトラップを攻略し、四つのアイテムを手に入れます。


*エルメスのカギ

*聖なる石3つ

*天使のローブ

*三大魔法の一つ大地の書


また飛行船で渡った二つの島から以下のアイテムを入手しました。

*英知の兜

*裁きのムチ


こうして必要なアイテムを入手した一行は、いよいよパンドラの箱を手に入れるためにエルメスの洞窟へと向かいます。



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