表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プライベートアイズ  作者: くわとろプロジェクト
7/10

第7話 イージートラップ

「くわちゃん、今ね・・・」

バイクを脇へ停車させ電話に集中する。

「ママ、どうした、なんかあった?」

「今ね、襲撃受けてるの。エビちゃんが応戦してるけどたぶん無理。人数で敵わないわ」

トモママの焦りが伝わる。近くにこと美がいるのか、息遣いが聞こえる。

「俺が出ていくのを待ってたのか。でもどうしてそこの場所が・・・?」

ここで俺は気づいてしまった。コジローを連れてくる時誰も出てこないのを不思議に思ったが、それが罠だった。発信器でも付けられていたか。しまった、油断していた。

「ママ、コジローもいるんなら、首輪を見てくれ、GPS発信器でも付いていると思う。すぐに戻る!」

「あったわ、このまま壊すわよ。戻るって、メモリを届けるんでしょ?」

ママは首輪から発信器を外し、踏み潰した。

「いや、メモリは後回しだ。これは俺のミスだ。うかつだった」

電話を切りギアを入れ直す。リヤタイヤをホイルスピンさせながらUターンさせた。ずっと後ろを走っていた車とすれ違う。何やら怪しげな男が二人。おそらく尾行だろうな。

その車も方向を変え追ってくる。

「ええい、こんな時に!」

無理やり脇道へ入り込みいくつかの段差を越える。それでもお構いなしに追ってくるようだ。

なるほど、尾行だけではないらしいな。となると、俺が教授から受け取った物を持ってるってわかったか。

バイクの向きを変え、敵と正面に向き合う。ベレッタを取り出し構える。さすがにゴム弾ではパンクさせるのも難しいか。ならば・・・。

車のフロントグリルに向かって4回トリガーを引く。物凄い勢いで水蒸気が吹き出す。

狙い通りラジエターを貫通したようだ。

再度スロットルを回し方向を変え全開で走り出す。

これで足止めはできるが・・・。

今走ってきた道ではいつ敵と遭遇するかわからない。俺のは多少の林道でも走れるバイクだ。やっぱりこいつで来て正解だった。枝にぶつかり、砂利で滑りながらママの店を目指す。


ママの店に着くと驚いた。もうめちゃくちゃ。

「なんだ、ランチャーでも使ったか」

周りを警戒しながら店内に入る。そのままパニックルームに駆け込む。ロックを解除しドアを開ける。

「くわちゃん!」

ママが第一声を発する。

横にはコジロー。隅にはエビ太が横になっている。大量の汗をかき、苦しんでいる。出血の跡もある。

「ママ、エビ太は?」

エビ太に駆け寄り額に手を当てる。発熱している。見ると肩口に傷。腹部には内出血か。

「ナイフで肩を刺されてたの。それで動けなくなって。お腹も怪我してるわ。ごめんねくわちゃん、私がいながら。こと美ちゃんまで連れて行かれちゃった」

「ママのせいじゃない、これは俺の責任だ。無防備すぎた、ごめんママ」

ナイフで貫通しているのか。骨折と同じだ。熱は出る。腹部の怪我が気になるが。


「しゃ、社長、すみません、こと美さんを・・・」

エビ太が目を開け小さな声で話し出す。

「無理に話すな。骨に響くぞ」

汗を拭き取りながら涙が出てくる。

「あいつが、たけTがいたわ」

動かせる腕に力を入れるエビ太。その手を握り返ししっかりと力を入れる。

「え?なんであいつが」

たけTとは切っても切れないのか。裏で動いているとしたら・・・。嫌な予感しかしない。

「ママ、エビ太を頼む。いつものところへ連れて行って」

仕事柄危険とは隣り合わせ。いくつか闇で動く医者も知っている。

「わかったわ、エビちゃんは任せて。くわちゃんはこと美ちゃんを。それとこれを。くわちゃんに渡せって」

ママから一つのスマホを受け取った。これで連絡するってことか。もちろんこちらの居場所も筒抜けだろうな。そしてそのスマホから着信音が響いた。

プライベートアイズをご覧いただきましてありがとうございます。

ここ数日更新していなくて申し訳ないです。

久しぶりの投稿ですがこれからも完結に向けて進めていきます。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ