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プライベートアイズ  作者: くわとろプロジェクト
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第2話 心からの信頼

「ママ、今から行くけどいい?」

エビ太が運転しながらある番号へかけている。

ハンズフリーにしているから車内に聞こえる。

「あら、エビちゃん、相変わらず慌ただしいわね。すぐにいらっしゃい」

「ママ、助かるわ。もう向かってるから」


通話を切りこと美を見る。

「安心して、今から行くところは私とくわ社長が一番信頼してる人のところだから」

ミラーを気にしながらわざと細かい道を通っていく。

「はい、私どうしたらいいのか」

今にも泣き出しそうな顔をしているが。

「泣くのはもう少し待ってて。今は我慢してね」

エビ太が励ましも含めてこと美へ発する。


しばらく走り、暗い地下駐車場までたどり着いた。

「尾行はいないみたいね。行きましょう」

二人は車を降りある店に入る。

カランとドアのベルが鳴る。

「ママ、久しぶり。またお世話になるわ」

エビ太とこと美がカウンター席につく。

「あら、エビちゃん、久しぶりね。今日はこちらの美人さんと一緒?」

とにかく一息入れてとアイスティを差し出す。

「こちらはこと美さんで、今回のクライアントさんなの。

こと美さん、こちらはトモママ。私とくわ社長の恩人なの。二人ともよろしくね」

「は、はい。よろしくお願いします。

でもママって?」

こと美が不思議そうにしている。

「こと美さん、よろしくね。あたしここのオカマバーのオーナーよ、表向きはねw」

トモママは軽くこと美へウインクした。


「エビちゃん、ここへ来たってことはあまりいい状況じゃないみたいね。

いいわよ、ここを好きに使って」

「ありがとうママ。ちょっとくわ社長へ連絡してくるわね」

そういって外へ出たエビ太。

「こと美さん、これから大変でしょうけど、あの二人ならきっとあなたを守ってくれるわ。私も協力するわ。とりあえずここではゆっくりしてちょうだいね」

安心できる優しい表情と声だ。


「ありがとうございます。私のことは聞かないんですか?私皆さんとは初対面だし・・・」

心細そうにこと美が口を開く。

「それはあなたが話したい時に話してくれればいいわよ。あの二人があなたを守ってるってことは、そういうことよ」

グラスを拭きながらやさしく微笑むママ。

「すごい信頼関係ですね。私そういう人いないから羨ましいです。心から信じ合える仲ってすごいと思います。でも、くわとろさんとエビ太さんってそれだけじゃないような気がします」

だいぶ落ち着いてきたのか、こと美も話ができるようになってきた。


「あら、あなた勘がいいのね。まああの二人はいろいろあったから。昔は周りが引くほどラブラブだったのよ。今じゃ着かず離れずの関係みたいだけどw」

「なんとなくそんな気がしてました。やっぱり」

お互いに笑い合っている。「いつぶりかな、こんなに笑うの」こと美はふと考えていた。


「ママ、くわ社長は遅くなるみたい。まずはこと美さんの安全が最優先ね」

エビ太が戻ってきた。笑っているママとこと美を見て首を傾げる。

「何笑ってるのよ、二人とも。もう仲良くなったの?」

そんなエビ太を見て

「もう仲良しだもんねー、こと美さん」

とトモママ。

「はい、そうですねー、ママ」

とこと美もノってきた。


「でも、一つ気がかりなことがあるんですが」

心配そうにこと美が口を開いた。

「なに?なんでも言ってよ」

と隣に座り直すエビ太。

「はい、家で飼ってる犬のコジローが心配で。誰もいないですし」

こと美がコジローの写真を見せる。しかし今家に戻るのは危険極まりない。

「あとで社長に相談してみましょう。きっとコジローも助けてくれるわ」

エビ太がこと美の肩へ添える。

「はい、わかりました」

こと美は小さく頷く。


「ママ、買い出し行ってくるわね、こと美さんの着替えなんか必要な物ね。その間よろしく。車借りるわよ」

と再び外へ出かけていく。

トモママは店を閉める準備を始めた。

「とにかく今日は休んで。奥に部屋があるからそこを使って。すぐに準備するわ」

手際良く進めていくトモママ。


「ありがとうございます、何から何まで」

ママへ頭を下げること美。

「いいのよ、困ったときはお互い様じゃない、あなた気に入ったわ」

店内の電気が消え、暗闇が周りを包み込んでいく。

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