就職
萌え台で異世界ものがあったからどんな感じになるか大体想像はしていた。
草原とか街からスタートするものだと思っていた。
気づくと俺は車の中にいた。
正確には、俺はコンテナのようなものの中にいてそれが常に動いているような感覚がするのでおそらくトラックか何かの中だろう。
生まれ変わるのは初めて?だから最初に何をするべきなのかまったくわからないがとりあえず周りを見渡してみる。
俺のほかにも人が何人かいるみたいだ。
暗くてよく見えないが、背丈を見る限り子供しかいないみたいだ。
次に俺の体チェックしてみる。
体に触ってみるかと思い腕を挙げようとしたした瞬間、違和感が走った。
「重い」
腕に錘が付いているようだ。
いくら生前毎日にように手首を回転させて鍛えた俺でも挙がらなかった。
首は動くので自分の体を見てみるとボロボロの布切れを着ていた。
あとは案の定、腕にドーナツの2倍は太い手枷がついていた。
俺は一体どうなってしまうのだろう。
とりあえず、周りのやつに聞いてみよう。
「なあ、俺たちはどこに向かっているんだ?」
俺の声?が響く。
俺から発せられた声が高くて驚いた。
まるで俺の声ではないみたいだ。
それにしても返事がない。
沈黙が続く。
「あのぉ、どこ向かってんですかぁ??」
さっきより大きい声を出して聞いてみる。
「うるせぇぞ!!奴隷の分際で、ぶっ殺すぞ!!」
コンテナの外から怒号が聞こえた。
「てめぇらはな、これからてめぇらを買った伯爵のもとに連れていかれるんだよ!!ゴミクズ共め。運転に集中できねえから二度と喋るんじゃねえぞ。」
神に罵声を浴びせてしまったからか、どうやら俺は奴隷に生まれ変わってしまったらしい。
これなら、たっぷり他人にご奉仕できそうだな。
さて、素性もこれから行くところも分かったし寝るか。
あぁ、新台打ちてぇなあ。
そう思いながら意識は沈んでいった
何時間経ったかはわからないが左頬に走る激痛で目が覚めた。
目を開けると、髭を生やしていかにも貴族のようなカラフルな服を着た中年男性が立っていた。
「あの、こk」
声を出した瞬間、今度は右頬に激痛が走った。
「黙れ汚らしい奴隷が!二度と私に口を聞くな」
「わかったらとっとと立って他の奴隷に付いて行け!」
俺は倒れた体を起こして、車内に一緒にいたであろう奴らについて行くことにした。