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第9話

 あたしはすっかり元気になったのでカリカと街を散歩していた。


 なんか犬にやたらワンワン吠えられるのはなぜかしら。あたしって怪しいのかな……それとも臭い的な何かかしら。


 その事をカリカに尋ねると「メリアリア様は芳香がしますし、見た目も上品で最高です!」と言葉が返ってきた。


 あたしは自信を取り戻しそばにいた野良犬を撫で撫で。そのワンコは嬉しそうにワンワン。そしてあたしの回りをグルッと回った後どこかへ疾走していった。


「これは……私のかわいいメリアリア、病気はもう大丈夫ですか?」


 その声の方を向くと護衛を連れたアルバトルナリアス様。なんか光ってないかってぐらいハンサム。青い目が澄んだ湖のようで吸い込まれしずんでしまいそう。


 あたしは「こんにちは。アルバトルナリアス様。薬に助けられました」と返す。


 王子様はあたしの態度の豹変ぶりにびっくりしている。記憶が戻る前は高慢で人を見下す最低な人だったし……。


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