第5話
あたしの頭には頭痛でか前世の記憶がよみがえってきていた。ここは前世でプレイした乙女ゲームの世界だ。そしてあたしは悪役令嬢……。
しかもその乙女ゲームの悪役令嬢は悪役として振る舞わなければ死ぬ……。しかも悪が勝つというクソゲーだった……。
あたしは日本人ということで女性として生活していて、足をつまずき高校の階段から転がり落ち頭を強打し高校生で他界したのだ。
あの時は凄く痛くて泣いちゃったわ。死ぬのって痛すぎよ……。しかもまだ若いのに死んじゃうし……片想いの男子に告白もできなかった。
ああ、やり残したことだらけだわ。でも今回はそうならないように努力しないとね。悔やまないように。
アクセル全開でノーブレーキでいってみせる。って頭痛い……。カリカは心配そうにこちらを見ている。名前を呼ぶ声もする。
あたしは「も、もう大丈夫よ……カリカ……」と返しておいた。
あたしは「パジャマを着替えるわ、カリカも手伝ってくれないかしら?」とおねだり。
あたしの質問にニッコリ目をほそめうなずくカリカ。うーん、かわいい……略してかーいい。
あたしはカリカがセンスよく上下のパジャマを持ってきてくれた。ああ、頭痛くて痛くてたまらないわね。