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第21話

 巷の噂では光明の騎士が他界したとか……。世界が期待した伝説の勇者だったのに。


 それにしてもこの部屋は鎧などにしみついた汗の臭いがきつい。白一面の部屋に剣や斧の傷が残っている。


 筋トレをする兵士や素振りや殴りあう輩までいる。皆我が家を守るため日夜鍛練しているのだろう。


 私はモシアスにこう聞いた。ボロい椅子に腰かけたまま。モシアスは剣を持ち突っ立っている。


「あなたと光明の騎士、どっちが強いかしら?」


 それに彼は自慢の太い腕で自身の鎧の胸部をバンバン叩きこう口にした。快活に笑っている。意気軒昂だわ。


「互角ぐらいでしょうな。伯仲です。運次第で勝負が決まりますな……俺は簡単には負けませんぜ」


 あたしは光明の騎士と互角と聞いて不安の泉に足をとられどんどん沈んでいく気がした。まるで足に重りでもつけられているかのよう。


 どれだけもがいてももがいても関係ない。息ができず苦しみ底のない泉にただただ飲み込まれていくだけ……。


 ああ、このままでは殺害される……確か闇騎士とやらに。彼は闇神のしもべ。恐怖の象徴。死をもたらすもの……。


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