第2話
プロボクサーってこんなにしつこく殴ってくるのかしら……。だとしたらうざいわね。
あたしはベッド横からタオルを取り顔をスッと拭う。けっこう気持ちいいわね。
やっぱり汗でべとついていたせいかしら? タオルをベッド横に置き早く治れと祈りつつ布団をかぶった。
睡眠できたらきっと、もっと楽になりそうなんだけど……。頭がバシバシハリセンで叩かれているかのようで頭痛がね……この若さでこんな辛いめにあうなんて……あたしってアンハッピー……。
でもでも、この疫病は巷で流行っていると言うし……仕方ないことなのかも……。
そこへ従者がノックしてから入室してきた。まだ二十代の若い女性だ。でもでも掃除洗濯等大得意で頼りになる人だ。名前はカリカ・ドット。
あたしはこう言った。辛いのを我慢しつつ。ああ、寒くて震えるわ。酷寒ね。北極にいるみたい。
「あたしの病名ってなんなの? カリカならちしつしているんでしょう?」
それに目を丸くしおろおろしながらカリカは答える。黒髪が揺れている。申し訳なさそうに。待てを我慢できず悔やんでいる犬みたいだ。
「それが不明なんです。お嬢様……すみません、お役にたてず……」