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第18話

 苔が生えた壁はまるで緑色の柄のようだ。一面というほどではないがあちこちにはびこっている。いずれは壁一面に広がることだろう。


 と、目の前に気配を感じた。僅少だが。骸骨兵士ではない。光や正義感に満ちた波動を感じる。私は兜内の顔をしかめた。


 くだらない。陳腐かつ滑稽な波動。そんなものなんの役にもたたない。しょせん闇には敵わない。


 私は柄に手をやり言った。悪意を膨らませ力をみなぎらせつつ。


「噂の光明の騎士とやらか? 死にに来たか……」


 それに相手は目映い閃光の斬撃を放ってきた。壁や床をギャリギャリ切り裂きながら来る。


 確かにできるやつのようだ。筋は悪くない。才能も努力も感じられる。私は目もとまらぬ早さで一閃。


 光の威力は真っ二つになり、天井と床を削っただけだった。相手は動揺しているようだ。


 たぶん必殺の一撃だったのだろう。しかし私にはつうじん。闇に魅了されし私には……。


 相手はまた斬撃を放ちブンと音がさせるとかき消えた。早い。同時攻撃か。


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