悪役令嬢のはずが……。

第１５話

　予想外のところから攻撃されかたまり顔をひきつらせ黙る悪役三姉妹。彼女たちは「メリアリア様には失望しました！」や「あなたにはガッカリです！」等と言い残し去っていった。

　あたしはムーメリアのそばにより肩を抱き「ムーメリア、負けちゃ駄目よ。あなたは素敵だわ！　自信を持ってね！」と激励する。

　こんないい子をいじめるなんて世間が許してもあたしが許さないわ！　ああ、腹立つわね！　ブサイク三姉妹もといブサ三をどつき倒せばよかったのよ！

　醜いのは顔だけにしなさいよね、まったく。

　ムーメリアはあたしをチラ見しながら「メリアリア様、ありがとうございます……」と口にした。目尻には涙が。かわいそうにかわいそうに。

　ブサ三、剣があったら三枚におろしていたところだ。いやそこまでしたら捕まるか……。

　アルバトルナリアス様が拍手しながらよってきた。彼は満面の笑顔だ。どこか誇らしげにあたしを見ている。

　彼は「さすがは私の婚約者です！　ますます好きになりましたよ！」等と言う。

　まさかのアセスメントアップ！　ビックリしてしまった。嫌われる可能性もあったのだから結果オーライか……。

　でもあたしより性格も外見も良いムーメリアが目の前にいるのにあたしを好いてくれるものかしら？