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2話 謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサの誕生秘話

 2月も残り僅かになったある日のことである……。

 何人かの教師達がとある部屋で仕事をしていた。

 その部屋の名前は生物準備室。


 時計の針が19時をまわり、辺りはすっかり暗くなっている。

 書いてある封筒を見てみると、『生物』、『化学』、『物理』の文字がかかれていた。

 部屋の名前と分野の羅列を見て多くの読者が察したと思うが、彼女らは理科の先生である。


「ふーっ……。4組の期末テストの採点終了!」

「春原先生、僕は先にあがりますね? お疲れ様でした」


 眼鏡をかけた男性が彼女に話しかけた。


「ハイ。坂本先生もお疲れ様でした」


 坂本は自分の作業スペースを片付け、帰路についた。



 *



 数分後……。

 彼女の携帯電話が鳴った。


「あれ? 誰からだろう?」


 彼女はすぐさま電話に応じる。


『おっ、ようやく繋がった! たま、何回も電話したけど、どうしたの?』

「ごめーん。テストの採点に夢中になってたから気づかなかった!」


 どうやら、電話の主は彼女の同期からだった。


『で、明日の授業分の採点は終わった?』

「うん。やっと、1年4組のが終わったところ」

『そっか、お疲れ! また明日ね!』

「また明日。お疲れ様ね!」


 彼女は電話を切り、荷物を纏め、施錠し、生物準備室を後にした。



 *



 次の日……。

 彼女はいつも通りに出勤し、テストの採点の続きをしていた。


「もう! 2組の授業に間に合わない……」


 彼女はかなり焦っていた。今日の朝、突然1年2組の地理から化学に授業変更があったからだ。

 そんな最中(さなか)……。


「あっ、そうそう。その箱は何?」

「春原先生宛ての荷物らしいですよ」


 それは大きな白い箱だったが、彼女は開ける素振りをしなかった。


「2組の授業が終わったら開けようと」

「その箱、僕が開けてもいいですか?」

「私宛ての荷物なんでしょう? 私が開けないと意味がないじゃん」

「そうですね。少しの間はお預けですね……って、いないし!」


 坂本が言っている間に彼女の姿はなかった。



 *



 1時間後……。

 彼女は授業を終えて生物準備室に戻ってきた。すると坂本が、


「春原先生、僕がしゃべってる間にいなくならないでくださいよー」

「すみません……。さて、謎の箱を開けよう」


 彼女は箱に十字にくくりつけられたバンドをハサミで切り、箱の蓋を開けた。


「白衣? 拳銃? 試験管?」


 彼女が言ったものはすべて疑問符がついていた。

 その箱から出てきたものは、通常より無駄に長い白衣が長袖と半袖が各2枚ずつと拳銃が1丁、試験管が10本。


「それにしても……。いくらなんでも拳銃はないでしょう。だって、今は銃刀法に引っかかりますしね」

「そうだよね。どうして、私にこんなものが……? あれ? 手紙が入ってる」


 箱の下の方に封筒が出てきた。

 彼女はハサミでその封筒を切る。


『この箱を受け取った人へ

 こんにちは。この度はこの箱を受け取っていただきありがとうございます。

 この箱には洗脳された人を救ったりする武器などが入っています。

 あなたの変身するコールは【Please give your dream!】です。

 名前はあなたが考えてください。

 これから1年間くらいはその名前を言わなくてはならないので。』


という内容だった。


「要するに、私がこの学校のヒロインになれっていうこと?」


 この流れだとそういうことになる。


「名前か……。どうしようかな……」

 彼女は紙とボールペンを取り出し、考え始めた。

「えーと……。謎の白衣の美女……それはいいんだけど、分からないなぁ……」

「謎の白衣の美女……。なかなかいい響きですね」


 突然、よく通る男性の声が鳴った。


「誰?」

「私はこの封筒を届けた者です。私はエメット。今、あなたは名前を考えてくれているようですね」

「ハイ。いい名前が思いつかなくてですね……」

「こんな名前はいかがでしょうか? 『謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサ』」

「エメットさん、確かに私の下の名前は『ミサ』ですが……。この名前は長くないですか?」

「せっかくいい響きなのにもったいないですよ。慣れれば大丈夫です」


 彼女が慣れないのに作者がすぐに慣れるわけがない。


「ほら! 作者さんも長くて慣れないって言ってるじゃない」

「作者さんも早く慣れてくださいね。これから書く機会がたくあんあるんですから」


 慣れる努力はするけど、ほとんど省略することがある。


「えっ……?」


 エメットは少し気落ちしたようだ。


「あの……私は何をすれば……?」

「あなたは敵と戦うことと、洗脳された生徒や先生を救うことです。ミサさん、できますか?」

「そう言われるとまだ慣れないけど……。ハイ、私でよければ……」


 彼女は少し戸惑いながら答えたのであった。


 そして、彼女は動き出した。

 敵と戦い、洗脳された人間を救うために……。


2015/02/01 本投稿

2015/02/03 改稿

2016/05/05 空行挿入

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