11話 全員の過去話を聞いて……
ここはとある隠れ家のテラスに4人の男女がいた。
「へぇー……ラントはベルの幼なじみなんだ」
「意外よね」
ロレンスとネオンが驚いている。
一方のベルとラントは「そのセリフ、返すよ」と言い返した。
「オイ、ベル!」
「なんでよ?」
「ネオンは端正な顔立ちなのに、父親から虐待を受けていたんだろ?」
「えぇ」
「ロレンスは妹さんを交通事故で亡くしてるしね……」
ネオンは父親からの虐待に耐えられず、彼女の手で撃ち殺し、ロレンスは大切な家族を交通事故で亡くした。
彼女らは端正な顔立ちをしているが、ベルやラントより心の傷は深い。
「「まぁね……」」
ネオンとロレンスは苦笑し、彼女は何かを思い出しかのように口を開く。
「でも、ベルの本名は「ベル・シムール」と言うのね? 「ベルモンド」が本名だと思っていたわ」
ネオンは綺麗な笑みを浮かべながら言った。
まるで、純粋な少女が無邪気に笑っているかのようだった。
一方のベルは「まぁ、そうだが……」と少し照れている。
「だって、突然、「実は俺、「政府の操り人形」なんだ」って言ったから、凄く驚いちゃった」
「なぁ、ラント。その再現はやめてくれ! 普段、笑わないネオンとロレンスが爆笑してるぞ!」
その空間に笑い声が溢れていた。
人はそれぞれ、辛い過去を持って生きている。
それは一生抱えていく十字架のような彼らの過去。
今もこれからも忘れることはないだろう。
2016/07/24 本投稿




