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The way home  作者: 櫻眞理恵
5/10


開いたドアのノブに

ぶら下がるように


幼い日の彼が

こっちを見ている


人懐こい

大きな目で




 こんにちは


少年と言うには幼すぎる男の子が

門のところに

私を見つけて微笑んだ



懐かしい気持ちと

愛しい気持ちに満たされて


 こんにちは


と微笑み返す



男の子は微笑みを広げて

何やら意味の解らないことを

元気に話しながら


玄関から門までの短い距離を

彼には大きすぎる

女性用のスニーカーで

滑るように歩いてくる


その様子に

愛しさがこみ上げた




これが

あのひとの息子


もしかしたら

私の子どもだったかも知れない子


 待っててね


と言ったらしい

男の子は

スニーカーを引きずりながら

勢いよく玄関に戻る


家の人を

呼びに行ったのだろう

その子の背中を

見送りながら



心の中を

風が

通り抜けた



また


何故


何故


巻き起こった嵐に

恋心が泣き崩れた



ドアの開く音がして

目を遣ると

出てきたのは

いくぶん年上らしい

見覚えのある女性


誰だったかを

思い出せないまま


 こんにちは


と声をかける




訝しげに挨拶を返した女性に

名前を告げた次の瞬間


目をまるくした女性が

家の中に駆け込んだ



わけが解らず

呆然と突っ立っていると


女性が戻ってきて

素晴らしい早口で

私を怒鳴りつけている



この状況に

何故か

既視感を覚えながら


展開について行けない私は

ただ大人しく

彼女の早口を聞き流し

手を引かれて家に入る



彼女の言葉の内容を

一つも理解できないままに

いつの間にか

ソファに腰掛け

コーヒーを手渡されていた




 じゃあね

女性がさっきの男の子の手を引いて

部屋を出ようとしている


もし取引先の人が見たら

一気に信用を失墜させそうな表情で

ぽかんとしていると



 逃げたら承知しないから!!



また理解に苦しむ台詞を残して

部屋の扉をばたんと閉めていった

少し後に玄関のドアが閉まる音がした


何のことか解らないが

その台詞にも

聞き覚えがある



混乱した頭で

今居る部屋を見回す


どんどん1話分が長くなっていくような気がしますが……。


まだ続きますよー。

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