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RPG  作者: 十六夜
8/20

白教会 ~奥儀解放~

 システム(小説)の更新完了。

      1



 ~白協会の見習い神父~ Lv67 ×7

 頭の中に相手の情報が入ってくる。白協会? 聞いた事が無い。今までかなりの年月生きてきたが、こんな相手は初めてだ。

「ふむ、些か面倒だね」

 魔法煙草に火を付け加える。

「天の獄へと葬ってやろう!

 地獄降誕!!」

 攻撃を開始する。その瞬間、僕の周りの地面が裂け、業火が噴き出す。しかし奴らは、それを物ともせず攻撃を開始してくる。

『汝の意志することを行え、それが法の全てとなろう。

 この書を学ぶことは禁じられている。

 最初に読んだ後に破棄する事が賢明である。

 これを無視する者は自らを冒険と危険に晒すものだ。

 これらは最も恐ろしいものである。

 本書の内容について議論する者は害悪の中心であるが、

 如く皆に避けられる者となろう。

 法に関する全ての質問は、

 わが著作への懇請によってのみ決定される。

 それぞれが自分自身の為に。

 「汝の意志する事を行え」を超える法はない。

 愛は法なり、意志の下の愛こそが。

 王子らの司祭。

 ANKH-F-N-KHONSU』

 奴らが唱え終わると、強制的に地獄降誕が終了される。少しの驚きと、多大な歓喜が僕を襲う。

 長く生きてきたが僕の技を途中で止める輩等、本当に久しぶりだ! 楽しい! 楽しいぞ!

 僕がそんな事を思っていると、奴らは次の行動を開始する。

「他にしていた彼ら(5)」

「なしは、その数は六である彼らです」

「確かに六」

「セブン(6)は、市ではない生きてこれらの6つです」

「パンの夜の下にピラミッド」

「老子があった」

「Siddarthaがあった」

「クリシュナがあった」

「Tahutiがあった」

「Moshehがあった」

「ディオニュソスがあった。(7)」

「そこではマフムードだった」

「しかし、七人がPERDURABOと呼ばれる」

「ため最後に、エンドわたしに耐えて無された」

「我慢する。(8)」

『Amen!』

 全員で一つの詠唱を完成させ、技を発動させる。白い龍の形をした衝撃波が僕を襲う。轟音と共に放たれた龍は、僕を追いかけまわし喰らわんとする勢いで突っ込んでくる。

 おいおい、こんなものが当たったらシャレにならないね。少しダメージを受けたのか、僕のHPが約4000まで減っていた。対する相手のHPは平均で12000。流石にこれが七体と言うのは、生半可の攻撃をしたら此方の死を意味しかねない。だから――

「狂乱獄殺!」

 僕は使える技の中でも、かなり高威力な技を発動した。技が発動すると相手のHPは見る見る中に減って行く。一体、また一体と倒していく。しかし――

『我等神罰下すまで、

 我等の存在永久に不滅!』

 そう言いまた新しい敵が現れる

「クッ、切りが無いな」

 倒しても倒しても沸いて来るんじゃ意味が無い。

 僕はそう思いながら、敵を倒し続ける。すると頭の中に情報が流れ込んでくる。

 ~奥儀オーバースキルが解放されました~

 奥儀だと? 何だそれは?

 ~奥儀の使用条件はMPの下に追加されたEXのゲージが2/3以上ある時です~

 EXゲージ? 何だそれは? 確かに追加されている。初回だからと言う訳で、MAXになっている。

 ~EXゲージの増加条件は敵を攻撃した時、ダメージを受けた時、敵を倒した時、レベルがアップした時です~

 そこまで情報を流すと、もう無いらしく情報が流れて来なくなった。

「……これは奥儀を使わないと倒せないのかな? 全く、リーデルトめ……僕で遊んでいるな」

 今までも何度か特定のスキルを使わないと倒せない敵などが居た。その全てがリーデルトの差し向け。今回もその類いなのだろう。敵はともかく、こういった条件を付けれる存在はリーデルト以外いない。

 はぁ…、ならさっさと終わらせるか。

 僕はそう思いながら、奥儀を発動した。詠唱ややり方は習得した時に頭に流れ込んできた。

「有象無象は全て消える!

 魔皇剣! 一号解放!

 第一斬魔皇剣・ティルヴィング!」

 白銀の刃に黒い電子回路の線の様な物が入っている。重さは普通の剣と変わらない。

 僕の奥儀が発動する。無数に沸いて来る敵を斬り倒していく。一匹に付き三回ずつ。しかも、絶対に急所となる場所の三か所だ。頭、首、胸の三か所にのみ攻撃が行く。そしてダメージが上に表記される。計50000の三回攻撃。

「!? 50kの三回攻撃だと!?」

 ちなみにkとは1k=1000の計算だ。僕の記憶にあった数字の単位の一つである。



      2



 最後と思われる一匹の止めを刺そうとする。

「まぁ、運が無かったと思うんだね。いくら数を集めようと、有象無象じゃ意味が無い」

 僕がそう言うと、敵が口を開く。

「我等、白協会は不滅! 我等、白協会第13支部は白協会がある限り不滅!」

 そう言うと敵は死に、アイテムを落とす。


 獲得経験値  …469211

 ボーナス経験値…000214

 獲得金額   …034431

 最大Hit数   …000214

 戦闘時間   …0932.1

 獲得ポイント …000023

 Lv83に上がった

 アイテム"白いコート"を40着拾った

 アイテム"白協会の聖書"を40冊拾った

 アイテム"白魔導書"を拾った

 アイテム"嘘の書の切れ端"を拾った

 ステータスにEXゲージが追加された


 ふむ、このレベルで一気に2レベル上がるとは。まぁ49体倒したんだ。それくらいが妥当だろう。

 そんな事を思っていると、BGMが変わる。

「やあやあ、奥儀を解放したみたいだね」

 リーデルトが現れ話しかけてくる。

「やはり君の差し向けだったか。また何故こんな事を?」

 煙草に火をつけながら、リーデルトに問う。

「う~ん、この白協会なんだけど……他の世界からの使者何だよ。それも、侵略しようとするやから」

「ほぅ、それはまた興味深い。成程、だから今まで見た事が無い技を発動させたりしていたのか」

「うん。それに侵略してくるのは全員パラディン系統の職業だって言う事も分かっているんだ。そして奴らはエグゼキューショナー系統の職業を異常なまでに敵視している。だから丁度良かったんだ。君の奥儀解放イベントにね」

 いや、最初から説明してくれれば普通に行っていたのだが。まぁ、事態が事態だから仕方が無いか。

「しかし、おかしくないか」

「ん? 何が?」

「いや、何がって…、この間リーデルトが話していた多元世界直接干渉不可の法則と、多元疑似世界完全干渉不可の法則に」

 多元世界直接干渉不可の法則とは、例えば他の世界が有ったとする。それに干渉するにはアニメやゲームなどを作り、それに似た世界を作り出し干渉する方法しかないと言う物。本物の多元世界に干渉するのは、それぞれの世界が発動している大結界を破壊するしかない。しかし、それは神ですら不可能な事。ましてや人間にそれが出来る訳が無いと言うもの。

 つまり、直接干渉は無理だけど、似たものを作ってそれを動かす事は出来るよって言う法則らしい。


 そしてもう一つ、多元疑似世界完全干渉不可の法則について。この法則はその世界に似た世界があったり作られたりした場合、それらの世界が干渉する事、観測する事は不可能と言うものだ。つまり、一人プレイのゲームが有るとする。そしてそれをA君とB君が持っている。A君のプレイするゲームに、B君が作り上げたキャラクターを登場させる事は不可能。それがこの法則だ。

 ちなみに、オンラインゲームはその世界ごとに結界は発動しているが、オンラインにした時に大結界が一時的に消滅するので干渉が出来るのだ。しかしそのためハッキングなどの干渉を受ける事になる。

「確かに、私の言っている理論とは違う。だからこそ、君に差し向けたんだ。でも、駄目だった。裏で何か大きい力……神すら凌駕する力が動いている事は確かなんだけど…」

 神を凌駕するだと!? そんな馬鹿な事が!?

「神は人の想像が生み出した最高にして最悪の力だぞ!? 実態が無く、ただ信仰されているだけで世界を滅ぼしかねない力を持った意識の集合体だぞ!? そんな馬鹿げたもの以上の力だと!?」

「うん、その通りさ。神は知識を持った生物が生み出した最強の力。でも、それ以上の力が働いているんだよ。疑似世界が結界を無理やりこじ開けて干渉すると言う事は」

 そんな事は………あり得ない。あってはならない事なのに…。

「まぁ、神と言う存在を無意識の内にも作らずに自らを最高の力を持っていると信じ続け、かつパラレルワールドに関する理論を完全に解き明かし、そして他の世界線に干渉するための機械か何かを完全に作り出せる奴が居れば別だけど」

「ちょっと待て、世界線だと!?」

「そう、世界線さ。疑似世界は大元となる世界の誕生が必要。そしてその世界はその世界がたどるであろう可能性の分だけ世界線を増やしていく。それこそ、無限大にね。そして無限大にIFの世界を作り続けるのさ。この世界もその一つかもしれないし、もしかしたら大元の世界かもしれない」

「……」

 言葉が出ない。もしかしたらこの世界そのものが作られた疑似世界かもしれないと言っているからだ。

「世界線はそのパラレルワールドを観測した別の世界の人間が創り出したゲームやアニメなどでも、新しい世界線が増える。だからその増えはとどまる事を知らないんだ」

「…………成程…、言っている事はなんとなくわかった。しかし、そんな物を可能にする人間が居るのか?」

 そう、例え理論が分かったとしてもその機械が作れなければ意味が無い。逆に機械が作れても理論が分かっていなければそれも意味が無い。それら両方が分かっている、もしくは片方ずつ分かっている者が居る状態じゃないと、世界線に干渉し別の世界、そして特定のパラレルワールドに侵略を仕掛けるなど無理だ。

 まさか、僕が戦った相手は、とんでもない相手だったなんてね。流石にこれは驚いた。

「ちなみに、彼等がこの世界のIFの世界の未来人の可能性もあるんだよ」

「フン、そこまで無知じゃないよ僕は。時間線だろ? 世界線と同じように伸び、同じように分岐し、また同じように伸びていく。世界線のたどっている経路通りに」

 時間線。それは簡単に言うと時間の事だ。世界線が大元の所からまっすぐに伸び、その内の一本の分岐が出来る。すると時間線も一本の分岐を作る。つまり、世界線の進む経路=時間線の進む経路と言う訳だ。

「で、その何処かのパラレルワールドの天才馬鹿とその雑兵どもが、この世界の世界線に干渉し侵略を行おうと言う訳だろ?」

「うん、君はやはり理解が早い。そう言う所は好きだよ(笑)」

「勘弁してくれ。僕はそういった趣味はない」

「私もだよ!? この世の全ての15歳未満の少女たちは私の妹! 10歳未満なら少年だって僕の妹!」

「ウワァ、変態だー(棒読み)」

「フフフ、今さらだろ?」

 まぁ、あって間もないころはとんでもなかったからな。街に行くたびに現れ、何か話し終えると女性に声をかける。そして無視された時に――

「三次元に興味を持った私が馬鹿ですた…」

 とか――

「私の嫁は此処に!」

 とか言って痛い感じの絵が入った抱き枕を持っていたり…。挙句の果てには――

「キターー!! あそこにいる幼女、私が今やっているゲームのヒロインのユリたんに似ているんですけど! ちょ~萌え~! ユリたんハァハァ…。お持ち帰りしても良いかな?」

「ダメに決まっているだろ! この変態が!」

 というやり取りもした覚えがある。

「でも、君の厨二病もマシになった方でしょ」

「厨二病? 何の事だい?」

「いや、あって間もないころ――」



      3



 今からさかのぼる事500年前のシェオル。

「おや、リーデルトじゃないか。どうしたんだい?」

「ん? いや特に用は…」

「そうか…、なら、今日は良い事を教えてやろう」

「良い事?」

「そうだ。見ろこの術式を!」

 そう言ってシェオルは曼荼羅模様が何十と重なった魔法陣を見せる。

「ほぅ、シェオルが作ったのかい?」

「そうだ! この術式……名付けて! 断罪術式・祭壇自己犠牲サクリファイス!」

「………(名前が痛いなぁ…。いや、この世界のスキルや術も名前が痛いけど……、此処までとは…)」

「他にも見てくれ」

 そう言いシェオルは他の魔法陣を持ってくる。

「こっちは堕天術式・呪縛されし黒きウィングルシフェル! そしてこっちが邪眼術式・見者必殺イヴィルアイ!」

 痛い、痛いよシェオル。私には君のキャラが分からない…。

「で、これが一番の自信作、鎮魂術式レクイエム・虐殺終焉のジ・エンド

 …………これは痛すぎる。一体何をしたらこんな事になったんだ。

「フフフ、凄いだろ? 凄過ぎて言葉が出ないみたいだね。まぁ仕方が無いよ。全てはこうなる運命さだめなのさ。僕がこの術式を生みだすのも神の定めし運命と言う翼の一枚の羽根。僕がそれを手に乗せただけの事だ。まぁ僕が手にその羽根を乗せると言う運命も、また神の定めた運命だと言う訳だ」

「……厨二病…乙…」

 この言葉以外見つからなかった。



      4



「こんなことでいちいち節を切り替えるな」

「まぁ良いじゃないの。まぁ今思い出しても、痛いねぇ…」

「痛い? 何を言っているんだ君は? すばらしいセンスじゃないか。虐殺終焉の禊と書き、ジ・エンドと読むなど……やはり神は僕にすばらしいネーミングセンスを与えてくださったようだ」

「まだ治ってないの!?」

「黙れ! 君の変態も治っていないじゃないか!」

 こんな感じで言い争う。暫く言い争っていると、本来の目的を思い出す僕。

「オッと、こんな事をしている場合じゃないんだ。僕には行く場所が有るから……行かせていただくよ」

 そう言って僕は黒翼疾風を発動させる。そしてその場から去った。


「汝の意志することを~」と書いた一文は、法の書の注釈より。


「他にしていた彼ら(5)」から始まる文は、嘘の書の「恐竜(THE DINOSAURS)」より。


 メンテナンス(小説筆記)を開始します。

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