始まりの日
システム(小説)の更新完了。
1
あれから800年が経った。荒野だった場所には大都市が出来た。森もだいぶ少なくなり、荒野と呼べる場所はほとんどなくなった。僕はあの時の姿のまま、今を生き続けている。400年前の悪魔狩りの時は何度拷問にかけられいたぶられた事か。今思うと嫌な思い出ばかりだ。
何百、何千と戦った。強者だろうが弱者だろうが、敵意を持って太刀向かってきたモノは全て葬り去った。レベルの上がりは悪く、今でやっとLv81だ。多くの戦いをしてきても、やはり強者だった者は弱者に変わり、僕以上の強者が現れる事が無くなった。しかし、ステータスは大分上がった。
シェオル・アイン・ソフ Lv81
職業
魔剣騎士
ステータス
体力…4811
魔力…2466
突き…786
斬り…1651
魔法…778
防御…335
対魔…348
技量…455
回避…470
速度…1524
命中…457
特殊スキル
虐殺 (Lv5)…敵を倒すたびに攻撃力大幅アップ。
狂人化(Lv5)…MPを半分消費しそのバトル中の攻撃力を4倍にする。
黒魔術(Lv5)…体力を大幅に回復していく。
12本の魔皇剣 …装備している魔皇剣の力を上げるスキル。12の効果の内望んだモノを出せる。スキルレベルはない。
習得スキル
死刑執行(Lv5)…1/3の確率で一撃必殺。
山斬一閃(Lv5)…遠くにいる相手に斬撃を飛ばす。
虐殺行為(Lv5)…周囲にいる敵に斬撃を浴びせる。
狂剣乱舞(Lv5)…連続して20回の強攻撃を相手に当てる。
魔剣召喚(Lv5)…攻撃力を10分間1.5倍にする。
転真乱刃(Lv5)…基本ダメージが半分になるが、回避不可の40連撃を与えられる。
神界破壊(Lv5)…渾身の一撃を相手に与える。
神堕とし(Lv5)…一瞬で相手を一閃する強攻撃。
魔皇狂乱(Lv5)…圧倒的なスピードで敵を何十回も斬り付ける乱舞攻撃。
破天暗風(Lv5)…神堕としの強化版。
魔神神罰(Lv5)…虐殺行為の強化版。
呪黒滅殺(Lv5)…相手の魔法を完全吸収し、攻撃力を1.5倍にする。
地獄降誕(Lv5)…周囲にいる敵に、圧倒的なダメージを与える。
狂乱獄殺(Lv5)…魔皇狂乱の強化版。
無限獄殺(Lv5)…結界を作り出し圧倒的スピードと圧倒的破壊力で肉体的、精神的に一撃必殺級のダメージを与える。
習得魔法
小炎 (Lv1)…マッチより少し大きい位の火を出す。
小水 (Lv1)…300ml位の水を出す。
呪炎 (Lv1)…黒い炎を作り、敵を焼き殺す。
黒風一迅(Lv5)…移動速度を極限まで上げる魔法。
黒翼疾風(Lv5)…空中を移動可能にし、移動速度を上げる魔法。
瞬迅移動 …一瞬で一度行った街に転移する魔法。魔法レベルはない。
ポイント
1600
装備
魔皇剣(取り外し不可)
黒衣装(取り外し不可)
黒いブーツ(取り外し不可)
見えない手枷(取り外し不可)
見えない足枷(取り外し不可)
真黒のローブ(取り外し不可)
黒金剛石の十字架指輪
所持金
39729ギル
所持アイテム
低反発枕
HP回復薬(大)×200
MP回復薬(大)×200
魔法煙草×∞
シンプルな仮面
こんな感じになっている。僕も長い年月を生きてきた。正直この世界にも飽きが来たのだ。何にも変わる事はない。世界に何かあった場合は、僕の直感が何かを感じるらしいが、そんな物は一度も無い。今日もまた、淡々と一日を過ごしていくのだろう。
僕はそう思いながらベットに座る。勿論、煙草には火を付けている。そんな感じで昼まで僕は煙草を吸っては横になり、また吸っては横になりと、グータラ生活を続けていた。
そんなこんなで時間は13時48分。僕はついに、ついに何かを感じた! 何かが始まる予感を。
「これは……ハイディンディートからか!」
僕はベットから起き上がり、瞬迅移動を使いハイディンディートまで転移した。
2
東方最大都市~帝都・ハイディンディート~
頭に情報が流れ込んでくるが、無視し何かを感じた場所まで移動した。するとそこには人だかりが出来ていた。
「……今から何かあるのか?」
僕は一人の男性に尋ねる。
「おいおい、あんちゃんも知らないのかよ。今から此処に葵様が来るんだよ」
「葵様? ………あぁ、あの神導寺家の御令嬢か」
神導寺家。この世界にいる七貴族の内、一番支持率の高い貴族か。
「しかも、今日はメイド達とメイド長の朔夜様も来るらしいしよ」
「何よ! メイドメイドって! 執事長の裂夜様が一番よ!」
「だからオカマは黙ってろ!」
何やら口論を始めた二人。成程、貴族様が来るならこの人だかりもおかしくはない。しかし、こんな場所からでは見えたモノじゃないな。
僕はそう思い、近くに会った家の屋根に上り、そこから見る事にした。何かが有る、僕の勘がそう言っている。
煙草に火を付け暫く待つ。すると、下にいた人達が騒ぎだした。どうやら貴族様の登場のようだ。
「ほぅ、これは結構なイケメンと美人が二人か」
全く、嫉ましいね。まぁどうでもいいけれど。800年も生きていれば人に好意を抱くと言う感情は皆無といっても過言じゃない。嫌悪ははするが。
だがそんな事はどうでも良い。問題は僕の勘が彼ら三人が怪しいと言っているところだ。
「やあ、どうです彼等は?」
僕の横に一人の男が現れ話しかける。
「…リーデルトか。で、どうですとはどういう意味だ?」
「いやぁね、彼等がこの世界の命運を担う存在の一片なんですよ」
「!? ………ほぅ、それは面白い」
僕はにやりと笑いながら、魔皇剣の柄に手をかける。
「ギョ!? ちょっと待った! 何する気? え? 攻撃するの? 馬鹿なの? 無知なの? 間抜けなの?」
その言葉を聞いた僕は、リーデルトの首に魔皇剣を向ける。
「………殺すぞ、悠久の旅商人」
「ごめんなさい!」
リーデルトは即座に謝る。僕はそれを聞き魔皇剣を鞘に納める。
「全く、冗談位笑って流してくれれば良いのに」
「フンッ、お前の冗談は笑えないんだよ」
「酷くないかそれ…。まぁ良いや。そんな事より、今日会いに来たのは彼等の事さ」
そう言ってリーデルトは三人を指差す。
「……厄介事か?」
「まぁそうかも。でも、君にとっては良い厄介事かもしれないよ」
良い厄介事? 厄介事に良いは無いと思うが。
「君は公の場で彼等に攻撃しようとしたのがいけないのさ。彼等は今日中にこの街をでる。街を出てしばらくしたところで襲撃してくれればいい」
成程成程、つまり実力を測れと言う事だな。
「承知した。これも僕の運命ならば、僕はそれに抗うつもりはない」
「うんうん、ますますそのキャラが定着してきたね」
「黙れ! お前がこうしろと言ったのだろ!」
全く、何か気取ったキャラをしてくれなんて言われて200年。慣れとは恐ろしいものだな。
「まぁまぁ、そう目くじらを立てずに。それに、元のキャラはもっと酷かったじゃないか。後今回の運命は、それなりに楽しみでしょ?」
リーデルトはそう言って僕に微笑む。僕は魔法煙草に火を付け、それを吸い一言。
「全く、最高の親友を持ったよ僕は」
煙草を吸いながら立ち上がる。そして三人を見ながら魔皇剣の柄に手を載せる。
僕の使命はこの身体が消えない限り、この世界を見守って行く事。リーデルトもまた僕と同じような存在らしい。
「………ふぅ…、全滅といったところかな?」
「クスクスクス、穏やかじゃないねぇ。まぁ別に良いけど。あの三人が半殺しでも生きているなら他の有象無象はどうでも良いから」
おや、女好きのリーデルトがメイドの団体さんもどうでも良いと言うだなんて、これは明日は嵐か………いや、世界が終るな。
「オイコラ! 今失礼な事を考えているだろ!」
「?? いや、別に。女好きのお前が、メイドの団体を有象無象と言ったから明日で世界が終るとかは考えていないぞ」
「まんま口に出したよこの人! それに! メイドの団体様を私がほっとく訳無いだろうが!」
………成程、その辺はぬかりないと言う事か。
「じゃあ、僕が徹底的に殺しにかかっても、あの三人が生きていればいいと言う事だね」
「うん。他はどうでも良いから。それに、あの三人も撮るに足らない存在だと分かったら、彼らには死んで逝ってもらうからね」
「フッ、結局は生きて逝くだろ」
「おっ、そうだったね」
僕たちは会話を交えながら三人の行動を見続けた。
おや、煙草が…。
僕は再び新しい煙草に火を付ける。
「……昔から思っていたんだけど、シェオルって結構ヘビースモーカーだよね」
「ん? そうか? まぁ身体にも良いし、香りも良い魔法煙草だ。別に問題ないだろ」
「いやまぁそうだけどさ。魔法煙草じゃなかったら私がぶちのめしていた所だよ」
「フンッ、普通の煙草を吸う奴は只の死にたがりだよ。あんな体に悪い成分しかないモノを吸うなんて」
「同感だね。しかも吐き出す煙も危険だし良い事なしだよ」
まぁ魔法煙草は高いからな。僕は無限に持っているけど、他の人からしたら結構な高級品だからな。普通の煙草が1箱30ギルとしたら、魔法煙草は1箱3000ギルだ。まぁ僕から言わせてみればどうでも良いんだけど。
「さてと、私は行くとするよ」
「そうか。じゃあさようならだ」
リーデルトは手を振りながら僕の目の前から消えた。さてと、僕も行くとするかな。目標の三人もそろそろ街を出るみたいだし。
「黒翼疾風」
魔法を発動し空に浮かぶ。そして僕は三人を追った。
3
「!? 強制転移だと!?」
あの後、三人の後を追い空を飛んでいたのだが突然転移をさせられた。街から少し行った場所のようだ。
「……で、君達は何なのかな?」
僕はそう言い後ろを向く。すると白い服を着た御一行が現れる。その瞬間、BGMが変わった。
『我等、唯一絶対神に使わされし、罪深き使徒なり』
『我等は主の変わりに罰を、神罰を与えるために遣わされた使徒なり』
『我等の手に持つは罪人を裁く御神のモノ』
『我等徒党を組んで下界へと今舞い降りた!』
『ならば我等罪人裁くため方陣を敷き、悪意に満ちた愚者を裁かん!』
白服の御一行はそう言うと、僕に攻撃を開始した。硝子の砕ける音と共に、戦闘が始まった。
メンテナンス(小説筆記)を開始します。