帝都・ハイディンディート
システム(小説)の更新完了。
1
あの村を出て約2週間ほどたった。その間で僕のレベルは13まで上がった。スキルはあれから増えていないが、ポイントはかなり溜まっているようだ。まぁまだ使っていないが。
しかし、もういい加減野宿は嫌だ。そろそろ街、せめて集落的な物でも良いので出てきてほしい。流石に野宿は辛かった。特に、石と言う名の猛反発枕はもう嫌だ。いい加減ふかふかの低反発枕で寝たい。そんな事を思いながら歩く、歩き続ける。そして日が落ちる直前に、街の影らしきものを見た。
この調子なら、明日には街に着ける! 今日で猛反発枕とはお別れだ! 街に言ったら絶対に枕を買う! 誰が何と言おうと枕を買う!
「さてと、暗くなれば奴らの世界だ。今日は此処で行動を終えよう」
僕はそう呟き、木に寄りかかりながら地面に座った。そしてLv6の時に覚えた魔法スキルを使い火を灯す。ちなみに、奴らとはモンスター達の事だ。一回夜間行動をした時、馬鹿げたエンカウント率で休む暇がなかったのだ。しかも、出てくるモンスターが単体では無く3体とか5体とかチームで来るのだ。僕はこの時に夜間は行動しないと誓った。しかし、此処は良い場所だったかもしれない。近くには川が有る。つまり水浴びが出来るのだ。出来れば温泉などの風呂に入りたかったが、いたしかたない。贅沢を言っても無駄だと言う事は分かったからだ。
僕はそう思いながらローブを脱ぎ捨て、川に入る。
「~~ッ!? 冷たい…」
時期と言う事もあるだろうが、大分冷たかった。しかし僕は我慢して水浴びを続けることにした。とりあえず此処で魔皇剣を見てみよう。
まずは魔皇剣のステータス。
魔皇剣
突き攻撃…816
斬り攻撃…866
魔法攻撃…797
防御補正…000
対魔補正…000
技量補正…528
回避補正…603
速度補正…811
命中補正…697
装備運度…-99
付属属性… 闇
ざっとこんな感じだ。まず一言、凶悪すぎるだろ! なんだこのバカげた攻撃力は! 攻撃に関係してくるステータスが馬鹿げている! 後、速度に関するステータスも常軌を逸している。だが、防御に関する物は最初の武器と大して変わらないし、運度に関してはマイナスだ! ダメージを受けた場合、殆どの確率でクリティカルダメージになると言う事か! 最悪じゃないか! ただ出さえ防御が低い職業なのに!
僕は少し怒りを抱きながら、次の武器説明の方を見る。
紅色の刃を持つ、少し細身の両刃剣。切れ味、重さ、耐久力等全てにおいて異常のレベル。付属属性の闇で、闇系統のスキルは攻撃力が上がる。また、特定のスキルを使うと、剣が変化し攻撃力等が大幅に上がる。
……はい、チートだね。僕は確かに攻撃力が高い物は好きだが、完全に無双状態になるのはどちらかと言うと好きじゃない。面白味が無くなるからだ。しかし、この職業を選んだのは僕だ。なら、最後までやるしかないだろう。
僕はそう思いながら身体を吹き、もう一枚の服やローブを着る。そしてさっきまで来ていた服などを川で洗い、木に引っかけた。僕はそのまま食事を取り、寝た。明日こそは、枕で寝てやると言う気持ちを抱きながら。
2
次の日、僕は朝早くから行動し、昼前に街の門のところまで付いた。
「やっとだ……、やっと街に着いた」
僕は少し感激を覚えながら門を通り街に入る。
東方最大都市~帝都・ハイディンディート~
頭の中に情報が流れ込み、BGMが変わる。ミーミツも活気のある場所だったが、やはり村と街では大違い。とても凄い場所だった。流石東方最大都市と表示されるだけはある。
まぁそんな事はさておき、雑貨屋はないかな?
僕はそう思いながら店を探す。すると良い感じの店が有ったので入った。
「いらっしゃいませ」
店員の声を無視し、僕はある物を探す。そして、ついに見つけた!
「すいません、これ下さい!」
僕は店員にある商品を渡し、会計を頼む。
「1000ギルになります」
僕は迷わずそれを出した。そしてついに手に入れた。
「枕が買えたよ!」
僕は嬉しくてそう言ってしまった。周りからは、何あの人的な視線を貰っている。しかし、そんな事は関係ない。僕のこの嬉しさは半端じゃなかった。
僕は暫く喜びを堪能した後、枕をしまい武器屋に向かった。なるべく転職するまでは魔皇剣を装備したくないからだ。
僕は武器屋で今までモンスターが落としたアイテムを全て売り、僕の持ち金は6400ギルになった。僕は一番高い武器を見る。
エグゼキューター…5000ギル
突き攻撃…196
斬り攻撃…206
魔法攻撃…177
防御補正…000
対魔補正…000
技量補正…008
回避補正…009
速度補正…041
命中補正…007
装備運度…000
付属属性… -
装備可能武器(エグゼキューショナーのみ装備可)
通称、斬首剣。処刑用に用いられる武器で、殺傷力を上げられている。
成程、この街は職業別に専用武器が売ってあるのか。例えば他のを見るとするなら――
極細鋼糸…5000ギル
突き攻撃…000
斬り攻撃…190
魔法攻撃…190
防御補正…020
対魔補正…020
回避補正…020
速度補正…020
命中補正…020
装備運度…020
付属属性… -
装備不可能武器(アサシン・バトラー及びメイドのみ装備可)
非常に軽く持ち運びが便利な武器。突き攻撃以外はほぼ万能と言えるが、扱いづらい所が多い。
――とこんな感じだ。とりあえず僕はエグゼキューターを5000ギルで買い、店を出た。そして一通り見て回ろうと街を歩く。すると凄い人だかりを見つけたので、僕はそのそばに行った。
「あの、今から何かあるんですか?」
「え? 何ってお前、今から此処に■■様が来るんだよ」
「■■!?」
この世界に来て初めて驚愕した。嫌まさか、ただ名前が同じだけだ。■■だとはあり得ない。そうだ、そうに決まっている。
「それによ、今日は使えているメイド達も来るんだって」
「あぁ、確かメイド長の●●様も来るんだってな」
な!? ●●だと!? まさか、■■に続き●●までも…偶然なのか。だが、僕は死んでからこの世界に来ている。あいつ等がこの世界に来ている筈はない。そうだ、そうに決まっている!
「私は断然執事長の××様が良いけどね!」
「うるせ―、このオカマ野郎!」
「誰が見るに堪えない気持ち悪い女装壁のおっさんですって!」
この人達の会話はとりあえず置いといて、××! あいつまでもこの世界に来ているのか? あ、いや、それはないな。そうだ、野宿のし過ぎで疲れがたまっているんだ。あ~、こういう日は早く寝るに限る。
僕はそう思い、その場から離れ宿を探した。そして僕が宿に入って少しした時、外から歓喜の声が上がっていた。僕はその時睡眠を取っていたのでそれに気付く事はなかった。
メンテナンス(小説筆記)を開始します。