地獄の記憶
システム(小説)の更新完了。
長らく更新できず、申し訳ありませんでした。
1
何もない荒野。僕はそこで目を覚ました。何も分からない。
「……僕は…!?」
意識が完全に覚醒した瞬間に、僕の頭に大量の情報が流れ込んでるく。名前や職業、この世界の事等多くの事が頭に入ってくる。道具の使い方、覚えているスキル等どんどん頭に入って行く。そして10分程立つと、全てが終わった。
魔法煙草が何故無限なのかは分からないが、とりあえず魔法煙草を取り出し火を付ける。
「……ふぅ…。僕はどうすればいいんだ?」
率直な疑問。しかし、与えられた使命はこの世界を見護れと言う事だけ。魔法煙草無限は多分、ボクに使命を与えた人がくれたのだろう。
僕はそんな事を思いながら、一人荒野を歩いた。いくら見まわしても、荒野にいるのは僕一人。ただただ、歩いていくだけだった。
2
行けども行けども何も現れない。歩き続けて約一カ月。時間の感覚もあいまいになってしまった。ただ、一つだけ僕は見た。
「この荒野は……生きている」
そう、僕の呟きの通りだ。この荒野は生きている。生きて、成長を続けている。気味が悪い。頼れる人は誰も居ない、僕以外ここには誰も居ない。ただ時間が過ぎていくだけ。僕の精神は限界にきていた。食べ物も、飲み物も、生きる意味も何もない。極度の空腹、極度の渇き、極限の精神状態。僕は限界を超えていた。しかし死ぬ気配はない。むしろ苦痛が増えれば増えるほど、生を実感し、また苦痛に苦しむことになる。永遠に終わることのない荒野。正に地獄だ。
3
ついに三年が経った。荒野は成長を続けている。一昨日は木ができていた。昨日は林、今日は森。荒野の成長は止まらない。そして森ができて一時間後、雨が降り出した。今日の記憶はここで終わる。
翌日、雨は降り続く。しかし僕の渇きは潤った。またその翌日。雨は止み、森に湖が生まれた。渇いた荒野はその水を求め、川を作り上げた。そしてまた一カ月。川の行きつく先、そう、海が生まれた。
耳を澄ませれば波の音。森のざわめく音。僕はここで呟いた。
「今日この瞬間、この世界は生まれた」
僕はそう一言、呟いたのだった。
4
また一年が経った。此処でついに動物が生まれた。鳥や獣や魚、それらが生まれたのだ。僕は狩りを行い、長期間にわたって苦しめられた空腹を満たしたのだ。
しかしまだ何かが足りない。渇きも飢えも満たされた。だが足りないのだ。決定打となりゆる何かが足りないのだ。満たされど満たされど、その足りない何かのせいで、完全には満たされない。僕はそれが何か、気付く事が出来なかった。いや、むしろ気付ける訳がなかったと言えよう。それはまだ生まれていないのだから。
5
そして一年が経った。渇きも飢えも満たされた。しかし依然として完全には満たされない。満たされているが満たされていない。僕の中で矛盾した想いがぐるぐるぐるぐると回り周って廻り出す。だがしかし答えは出ない。出るはずもない。まだそれがないのだから。問題はあっても、その問題の答えが存在していないのだ。だがしかし、僕は答えを見つけたのだ。答えも僕を見つけ笑った。
「やあ~! 初めまして~! 私の名前はリードハイデルト・ヴァンウィンクル・クルセイダー・オーディアン。長いからリーデルトでいいよ、シェオル・アイン・ソフ君!」
僕は答えと、リーデルトと出会った。僕の答え、足りなかったモノは、僕以外の者だった。
「僕の名前を知っているみたいだね。でも、追及はしないさリーデルト。僕の事はシェオルで構わない」
何故だか分からないが、僕はリーデルトを昔から知っている様な気がした。
メンテナンス(小説筆記)を開始します。