目が覚めたら森の中
システム(小説)を更新。時間がかかりますが、メンテナンス(小説を書く事)が終わり次第、システム(小説)を更新していきたいと思います。
1
ハッと目が覚める。其処に広がるのは何時のも部屋……では無く森だった。どう言う事だ? 僕は確か家に帰る途中で…途中で………!?
「死んだはずじゃ!?」
身体を確認する。しかし怪我は愚か血の跡すら無い。どう言う事なんだ? 生き還った? 否、それはあり得ない。ではあれは夢だった? 否、今の現状を説明する事が出来ない。ならば、あのゲームが、確かRPGだったか? あれが現実になった。……まだ証拠が足りないので保留。では、今現状の自分を確認してみよう。
黒いローブの下に黒い服とズボン。髪の毛の長さはいつも通り腰のあたり位まである。腰には剣が一本と懐中時計。
? 懐中時計が何かおかしい。僕はそう思い懐中時計を開く。すると浮き出て来たのが――
紅月 蒼月Lv1
職業
エグゼキューショナー
ステータス
体力…821
魔力…258
突き…141
斬り…165
魔法…124
防御…073
対魔…086
技量…112
回避…127
速度…137
命中…114
特殊スキル
虐殺 (Lv3)…敵を倒すたびに攻撃力アップ。
狂人化(Lv3)…MPを半分消費しそのバトル中の攻撃力を2.5倍にする。
黒魔術(Lv3)…体力を少しずつ回復していく。
習得スキル
死刑執行(Lv3)…1/5の確率で一撃必殺。
山斬一閃(Lv3)…遠くにいる相手に斬撃を飛ばす。
虐殺行為(Lv3)…周囲にいる敵に斬撃を浴びせる。
狂剣乱舞(Lv3)…連続して5回の強攻撃を相手に当てる。
魔剣召喚(Lv3)…攻撃力を3分間1.5倍にする。
ポイント
100
装備
銅の剣
黒いローブ
スニーカー
所持金
500ギル
所持アイテム
なし
――と出てきた。
!? このステータスやスキル、僕がさっき作った者と一緒だ! あれは夢や幻じゃなかったという事か!? なら、僕が今いるこの世界は――
「ゲームの中の世界…」
正確にはゲームかもしれないモノの中の世界。しかし、これは現実のようだ。夢とは違う。何故そんな事が分かるかと? 直感だ。剣の重みから、呼吸している感じまで現実に近いからとしか言いようがない。
街に行かなければいけないのかもしれない。このLv1と言うのはゲーム内での僕のLvを現す数値だろう。高ければ高い方がいい。一応ポイントを振っている分、そこいらのLv1よりは強いと思うが…。
そう思っているとガサガサと茂みが揺れる。僕はその方向を向き、茂みを揺らしているモノが現れるのを、剣の柄を持ち待つ。
「………嘘だろ…」
最悪のケースと言うやつだ。恐らく、初エンカウントだろう。敵は一匹の巨大な熊。しかし普通の熊では考えられない事が一つ。手が全部で四本なのだ。背中から突き出た不自然な二本の腕。
僕は剣を抜き構えを取る。その瞬間、硝子の割れたような音がし、BGMらしき物が流れ始めた。
「まんまゲームと言う訳だ」
僕はそう呟くと、熊……四手熊に斬りかかった。何故名前が分かったかと言うと、頭の中に情報が流れ込んできたからだ。当然、ゲームの様にだ。斬りかかった理由は相手のレベルが2と言う事で。
「ガァアアアアアア!!!!」
四手熊は叫び威嚇するが、僕はそれを無視して斬り付ける。
「フンッ!」
すると四手熊の腹が切れ、少し血が流れる。痛みで一瞬硬直した相手に僕は留めと言わんばかりにスキルを発動し攻撃する。
「狂剣乱舞!!」
叫ぶと身体が勝手に動くと言うのだろうか? 上段から下段に斬り落としそのまま右に斬り裂き左斜め上に斬り上げ左斜め下に斬りおろしトドメと言わんばかりに右真横に斬り裂く。終わると同時に四手熊は血を流し倒れ消えた。後に残るのは熊の毛皮と50ギル。その瞬間にBGMが変わり、頭の中に情報が流れ込んでくる。
獲得経験値…00031
ボーナス経験値…00050
獲得金額…00050
最大Hit数…00005
戦闘時間…122.1
獲得ポイント…00001
アイテム熊の毛皮を拾った
こう頭の中に現れた。成程、大体このゲームの流れがつかめてきた。僕は剣をしまい、とりあえず道らしきものを歩く事にした。
2
その後も何体かのモンスターと出くわし、暫く進むと村らしきものが現れた。僕は少し走り、その村へと入る。
森林の村~ミーミツ~
再び頭の中に情報が流れ込み、BGMが変わる。活気のある村だ。見た限り、人々はみんな笑顔。僕がそう思いながら辺りを見まわしていると、一人の少年が話しかけてきた。
「ようこそ森の都ミーミツヘ」
「え? あ、どうもこんにちは」
僕はどう言っていいか分からず、とりあえず挨拶をする。
「こちらこそこんにちは、冒険者様」
「冒険者?」
「え? 違いましたか? その剣から職業はセイバーだと思ったのですが…」
あぁそう言う事か。しかし、僕の職業はセイバーでは無い。
「すまない。僕はエグゼキューショナーなんだ」
「!? 傍観者様でしたか。これは申し訳御座いませんでした」
さっきから何なのだろうか? この傍観者とか冒険者とか。
「あ、宜しければこれをどうぞ」
初心者の書を貰った。
「参考にしてください。では、失礼します」
少年はそう言うとその場を去った。僕はとりあえず貰った本を見る事にした。
「えっと何々……職業と職種について…」
目次からその項目を見つけ出し、読み始める。
冒険者とはセイバー、アーチャー、ランサー、マジシャン及びウィッチ、ガーディアン、ガンナー、シーフ、ファイター及びアマゾネスの事を指し、育ちやすく全体的にもバランスが取れている職業の事。圧倒的な力はないものの、一番やりやすい職業の事を指す。
助言者とはサモナー、バトラー及びメイドの事を指し、育てにくいが全体的に突出した能力を持っている。特殊能力は凄いが、その分のハンデも大きい。
救援者とはヒーラー及びナース、ロードの事を指し、回復やサポートに関しては断トツに育てやすい職業の事。しかし攻撃や防御面が致命的なので、どちらかと言えば育てにくい。
日陰者とはアサシンの事を指し、数多くの武器を装備する事が出来る。スキルも豊富でバトラー及びメイド並みのステータスも持っている。しかし、体力や防御力はレベルが上がってもそこまで大きくなるわけでは無いので、少し癖が強い。
主観者とはパラディン及びシスターの事を指し、安定した強さや回復スキルの多さを見せてくれる。育てにくいが、初期から高い能力を持っている。
傍観者とはエグゼキューショナーの事を指し、他の職業と比べ物にならない位圧倒的な攻撃力と行動速度、殺人的なスキルを持っている。育てにくく、防御も低いので、一番やりにくい職業とも言える。
「成程……面倒なのを引いたようだな。まぁ、攻撃力が有ればある程度の事は何とかなるから良いか」
僕はそう思い本を懐中時計の近くまで持っていく。すると本は懐中時計に吸い込まれるように消えた。森で確認したのだが、どうやらこの懐中時計はアイテムボックスの様な役割もあるらしい。便利で良いな。
そんな事を思いながら僕はとりあえず村を散策してみた。すると武器屋の様なものを見つけたので、入ってみる事にした。
「いらっしゃいませ~」
店員が挨拶をしてくる。僕はそれを軽く流し、剣などが置いてある場所を見た。すると頭の中に店にある武器と、今自分が装備している武器が出てくる。
まず自分が装備している物は――
銅の剣
突き攻撃…51
斬り攻撃…65
魔法攻撃…45
防御補正…00
対魔補正…00
技量補正…01
回避補正…00
速度補正…02
命中補正…05
装備運度…03
付属属性…‐
――となっている。装備運度とはなんだろう? 僕は気になり初心者の書を取り出し読みだす。
何々、装備運度とは、装備品を装備した場合の敵からのダメージクリティカル率の事を指す。高ければ高い程、クリティカルダメージを受ける可能性が低いと言う訳だな。
成程、つまり装備運度も高い方がいいと言う訳か。とりあえず、店の一番高い商品を見てみよう。
ロングソード…1000ギル
突き攻撃…130
斬り攻撃…153
魔法攻撃…121
防御補正…000
対魔補正…000
技量補正…002
回避補正…000
速度補正…000
命中補正…005
装備運度…005
付属属性… -
まぁ、最初の村だとこんなものだろう。とりあえず、ボクの所持金は今950ギル。後50ギル足りない。僕はそこで店員に話しかけた。
「すいません、アイテムを売りたいのですが」
「はい、お売りになるアイテムをお出しください」
店員がそう言ったので、僕は熊の毛皮を9枚出した。
「熊の毛皮が9枚ですね。合計で180ギルとなります。本当に売りますか?」
店員がそう尋ねてきたので、僕は頷いた。
「180ギルとなります。ありがとうございました」
僕は180ギルを受け取る。そして次にロングソードを買った。
「今装備している銅の剣は250ギルで買い取り出来ますが、どうしますか?」
成程、買ってすぐ装備した時は、前の装備をそのまま売る事が出来るのか。僕はロングソードを装備しているので、頷き250ギルを受け取った。そして武器屋をでる。
「ありがとうございました~」
僕は店を出て、辺りを見まわした。すると少し暗くなっていたので、僕は宿を見つけ入る事にした。
「いらっしゃいませ。森の休憩所にようこそ。25ギルで休憩、50ギルで宿泊が出来ます」
僕は宿泊の方を頼み、部屋に入った。
「フゥ……本当にゲームの中の世界だな…」
僕はベットの上で寝ころび、そう呟いた。そして目をつぶり、そのまま眠りについた。