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RPG  作者: 十六夜
19/20

地獄という名を持つ地獄

 システム(小説)の更新完了。



      1



「おいどういう事だよ! 何で地球が! 俺達の世界があるんだよ!」

 裂夜はリーデルトに掴みかかる。

「おいおい、何をおかしなことを言っているんだい? 君達の世界はこの地球ではないだろ。なぁシェオル」

 リーデルトが僕にそう言う。

「え、あ、あぁ」

 曖昧な返事を返す僕。

 何故だ? 何故なんだ? あの地球とかいう世界。何故か見おぼえがあるぞ。

「ねぇ、もしかして……、創世記を破壊すれば、その創世記の世界も消えちゃうんじゃないの?」

 葵の問い。

「あぁ、その通りだ。まぁ一時的にらしいが。なぁリーデルト?」

「その通り。勿論、修正が掛かるから消えても元通り。まぁその世界の生き物までも元通りとまでは行かないけど」

 何? 最後のそれは聞いていないぞ。

「なっ! じゃあその世界に住んでいる人達はどうなるんだ!」

 裂夜はリーデルトを怒鳴りつける。

「どうなるんだって言われてもねェ……。まぁ何かは変わるよ。元の世界では五人家族だったのに、三人家族になっていたり。例え五人でも、その構成が全く違ったり」

「そんな事許されないわ!」

 朔夜が声を上げる。

 確かに。でも――

「リーデルト、どうすれば創世記を破壊できる?」

「「「!?」」」

 三人が驚きと怒りの表情で僕を見る。リーデルトは僕の問いにニヤリと笑みを浮かべる。

「な! シェオル! お前はそれで良いのか!!」

「シェオル! あなたって人は!」

「そんな……、シェオルさんまで……」

 三人は怒りと絶望の表情に顔を歪める。

「すまないね。僕は自分が住む世界が掛かっているんだ。その為には……、どんな犠牲も厭わない」

 これが僕の800年間の教訓。犠牲を躊躇えば全てが水の泡。

「ふっざけんな!! アレは俺たちが昔住んでいた世界だ! もし破壊するってんなら……、俺はあんたらに剣を向ける!!」

 裂夜は怒鳴りながら武器をとる。

「……私も、地球の破壊を黙って見ていられないの……。だから、攻撃させてもらうわ」

 朔夜も武器をとる。そして――

「ごめんなさい、リーデルトさん、シェオルさん。私も地球の破壊は見過ごせないの。だから!」

 葵も武器を取った。その瞬間、リーデルトが僕に言う。

「創世記の破壊方法。それは……、敵対した三人を倒す事だ」

 その瞬間、ガラスの砕け散る音が響き、BGMが変わった。



      2



「まさかシェオルと戦うことになるなんてな……」

「えぇ、でも殺す気で行くわ」

「ごめんなさいシェオルさん。私もあなたを殺す気で行くよ!」

 三人は武器を僕に向けそう言う。

「あぁ、それでいい。それこそが僕の教えた全て。だから……僕も、君達を殺す!」

 僕らは動き出す。

「小手調べだ!

 不死軍アタナトイ!」

 三人の動きが止まり、死神が三体召喚される。

「不死なる者は薙ぎ払う……、命ある者の魂……」

 死神が攻撃しようとした瞬間――

「甘いぜ!!」

 裂夜の声と共に、三体の死神はバラバラに崩れ落ちた。

「ふぅん、中々やるね」

「まだまだ行くわよ!! ナイフ・オブ・トリック!!」

 朔夜の手からナイフが放たれる。

「残念。その技は簡単に見切れる」

 僕はナイフが飛んでくる方向とは逆の方向に鎌を振るう。すると前にあったはずのナイフが消えて、後ろでナイフが三本落ちる。

「君達を鍛えたのは誰だ? 僕だ! だからこそ、君達の技は簡単に見切れる」

 僕がそう言った瞬間、僕の体が重くなる。

「そうかもしれない。けれど、私の補助魔法で、貴方の体にかかる負荷を十倍にしたらどうかな?」

 葵が僕にそう言い、笑う。

 フムフム、それは良い手だ。だが、悪手でもある。何故なら――

「何!?」

「十倍の負荷が掛かるなら、十倍の力で動けばいいだけだろ? もしかして、僕が遅くなるとでも思ったのかい? いや、その顔を見れば分かるよ。でも、それは慢心だ。だからその技は悪手なんだよ」

 僕の言葉が終わるとともに、裂夜に1000のダメージが入る。

「グッ……ッッ!!」

「裂夜!?」

 朔夜は裂夜の負傷を気に掛け、隙をあらわにする。

「ほら、よそ見は禁物だよ

 魔皇剣・アロンダイト!」

 冥王大鎌が剣に変化し、朔夜を襲う。

「キャアッ!!」

「フッ……弱いね。

 魔皇剣・ティルヴィング!!」

 続いて裂夜を切り裂く。

「ッッ!!」

「悲鳴を上げなよ!

 魔皇剣・レーヴァテイン!!」

 最後に葵を焼き切る。

「きゃぁああああ!!」

「うわぁああああ!!」

 主のダメージを代わりに受ける二人。葵に関してはダメージが二人に行くことによる、苦悩が大きいようだ。

 僕は三人を切ると、一時距離を取った。

 僕を舐めているのか? いくらなんでも弱すぎる。

「ダメだね。話しにならない。だから……

 死んでくれ」

 僕は剣を鎌に戻し、振りあげる。その瞬間――

 ~秘儀ロストスキルが解放されました~

 その情報が、僕の頭の中に叩きこまれた。

 一撃必殺という奴か。ならば、今ここで試させてもらおう!

「僕の過去! 僕の罪! 僕の苦痛!

 その全ては快晴の闇が照らし出し、

 その一部は曇天の光が照らし出す!

 其処では一! 此処ではA!

 底では零! 個々ではZ!

 パンは土から生み出され、

 土は塵から生み出され、

 塵は世界から生み出され、

 世界は無から始まった!

 Aとは人を表します!

 一とは間を表します!

 Zとは人を表します!

 零とは物を表します!」

 徐々に、徐々に増していく力。三人は僕を止めようともがくも、僕に攻撃を当てることはできない。

「Aは一で完全で、Zは零で完全である。

 神は偶像の産物で、

 A一、Z零が壊して回ります!

 それ即ち……生きる事!」

 滅茶苦茶な詠唱を終え、僕は呟いた。

「秘儀……地獄という名を持つ地獄」

 三人が同時に意識を失い倒れる。僕もそれを追うように、意識を失った。

 メンテナンス(小説筆記)を開始します。

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