侵略は突然に
システム(小説)の更新完了
1
冥王に転職して一週間。三人に修業を付けていた。転職後異常なまでに強さが上がった僕に、三人は若干引いていたが、だんだん慣れて来たのか今では何も言わなくなっていた。
さてと、今日も三人をシバき上げるとするか。
僕はそう思い家から出た。その瞬間、何かの気配を感じた。三人の気配では無い。敵の気配。
「…………白協会か!? 間違いない! この感覚はシュバリエのものだ!」
とうとう攻めて来たか。白協会が。
僕がそう思いながら魔法煙草に火を付けていると、リーデルトが三人を連れて転移してきた。
「シェオル!」
リーデルトが僕の耳元で大声を出す。
「………五月蠅いよ。叫ばなくても聞こえている」
煙を吐き出しそう一言。三人は状況がつかめていないのか、混乱の表情を浮かべている。
「……クレーフル、ミスティン、バーチカルト…………」
「な、何を言っているんだシェオル?」
裂夜がそう尋ねてくる。僕が言った言葉はこの世界にある都市の名前。この三つの都市が――
「消滅したようだね」
『!?!?』
三人も都市の名前は知っていたのか、僕の呟きに驚愕の表情を浮かべた。
「どうやら、ロンバルトが白協会と繋がっていたようだよ」
リーデルトがそう言う。
ロンバルトとは、マーシアハ教と言う宗教の狂信者達が住む都市の名前だ。リーデルトがこの世界の摂理を作る前から、このロンバルトの概念は存在していたらしい。マーシアハ教は何が発端となり生まれたのかは不明とのこと。
全く、厄介な話だね。白協会にマーシアハ教の狂信者の都市、ロンバルトの破壊及び制圧。落とされ白協会に飲み込まれた都市の国土回復。そしてRPG計画の遂行。やることが山積みじゃないか。本当に面倒だ。
「リーデルト、三人には説明しておいてくれ。早速アレを発動する」
「アレをかい? 少々早すぎやしないか?」
「フッ、問題はないだろう。どうせすぐにゲージは溜まる」
僕はそう言うと、四人の元から消え去った。
2
唯一宗教信仰都市~救済・ロンバルト~
年の名前が頭の中に流れ込んでくる。都市を見回せば白協会の者どもがウジャウジャと。そのせいで辺り一面が白色で埋まっている。そして僕が着ている服は黒。下手に出て行けばすぐに戦闘になる。しかも戦う相手の人数が馬鹿みたいに多い。しかし――
「発動するには丁度いい」
僕はそう呟き、都市の中心部へと入った。その瞬間、硝子の砕ける音と共にBGMが変わり戦闘が始まった。
~白協会修道士~ Lv100 ×50
~白協会修道女~ Lv100 ×50
~白協会の見習い神父~ Lv105 ×30
ウワァ、今までに相手をした事がない数だね。でも、僕に対して数で攻めても意味がない。
「誰も死から逃げる事は出来ない。
死は絶対的な力だから。
儚く散れ、受け入れろ。我の存在を。
そう、我の存在が死だ
死!」
タルタロスが使った奥儀を、自らの奥儀として使えるようになった。しかしタルタロスの様に時間設定完全即死スキルではなく、即死級の大ダメージを全ての敵に与えるスキルとなっている。勿論、与えたダメージよりHPが少ない場合は即死だが。
「おや、随分と減ったみたいだね。君達はそんなにHPが低いのかい?」
2/3以上の数が戦闘不能となる。
「君達は弱い。だから……出てくるんだ! シュヴァリエ・コシュマール!!」
僕の言葉と共に、残存していた敵が全て吹き飛んだ。そして、戦闘不能。
「汝、祈りを持ってこれを沈めたまえ
さすれば主は汝を許し
大いなる愛情を注いでくれるであろう
我、主に仕え、汝を裁き
我、主に仕え、汝に許しをこう
主は全てを許し、全てを愛してくれるだろう
主を崇拝し、主を敬え
主を敬愛し、主を畏れよ
主を信仰し、主に仕えよ
さすれば汝が罪は主が許し
汝は天の獄へよ召されるだろう……」
ぶつぶつと呟きながら近づいて来る大男。
「……久しぶりだな聖剣騎士」
「久しいな罪人よ」
空気が変わり、新たに出てきた敵も、凍りつく。白協会最高戦力、聖剣騎士・シュヴァリエ・コシュマール。その男が絶大な殺気を交え会話をしている。そんな中に飛びこむのは自殺行為と言っても過言ではない。そのため、敵は近付こうにも近づけないのだ。
「会いたかったよ、僕の最大の好敵手。君との戦いは、僕の血が騒ぐ」
「カッ! 貴様なんぞに好敵手呼ばわりされるとは……不愉快極まりない!」
おや、相変わらず手厳しい。
「我等は罪人、罪人の群れでしかない。だが、貴様の様な罪人とは違いのだよ。我等は狂信者だ! だからこそ、主を蔑む有象無象の兄弟たちを滅ぼした! それ故に罪人! 罪人なのだ! だがしかし!! これこそが我等が生きた証であり、我等が生きる道なのだよ」
「フッ、狂っているね。本当に狂信者という言葉が正しいよ。でもね、君は僕に勝つことはできない」
「……笑わせるなよ、罪人よ」
「笑わせないよ、狂信者。事実でしかないのだから。僕は此処で、この場所で、君を切り裂き、君を突き穿ち、君を殺す」
僕の言葉と共にBGMが変化する。
「貴様は此処で俺に殺される。我が使える主に抱かれ死ぬが良い」
「その主はこないみたいだけどね」
「貴様なんぞに姿を現す訳がない。だからこそこの俺が、主に変わり、貴様を縊り殺す!」
「狂信者が……、その信仰と言う深海に沈み死ね!」
その瞬間、硝子が砕ける音が響いた。
メンテナンス(小説筆記)を開始します。
まだ進路が決まっていない状態なので、何時更新できるかは分かりませんが、少しずつ書いていく予定ではいます。