Prologue
初めまして、十六夜です。この度はRPGをプレイ(読んで)頂き、誠にありがとうございます。
1
11月10日、僕は死んだ。死因は事故死。簡単だった。トラックが突っ込んできたと思ったら、次の瞬間には重くなった身体。力が上手く入らず、首を動かす事も出来ない状態で道路にはおびただしい血。もう一度言う、僕は死んだ。目をつぶり、死を受け入れた。薄らとだが救急車の音が聞こえたが、僕はそこで意識を失った。
「……ゲームを始めますか?
→はい いいえ」
誰かがそう呟いていた事も知らずに…。
2
「ゲームを始めますか?
→はい いいえ」
どう言う事だ? 僕はさっき死んだはずじゃ? それに、今目の前にあるこの画面は何だ? そして何故僕からこの画面から出ているケーブルが繋がっているんだ?
「ゲームを始めますか?
→はい いいえ」
ゲームを始める以前に、どこにコントローラーが有るんだ? まさかこのケーブルで、僕の思考での操作が可能とかじゃないよな?
そう思いながら僕は矢印がはいにあるので、恐る恐る頷いた。
「ゲームの設定に入ります」
!? やはり僕の思考での操作が可能なんだ! こんなゲーム見た事も、聞いた事も無い。しかし、何か面白そうだ。
僕は好奇心に負け、そのままゲームの設定を行う。
「職業を選択します(男・女)」
その表示が出ると、画面にずらっと職業の一覧と説明が出てくる。
セイバー
剣を使った近距離攻撃型。高い攻撃力と防御力を誇る。攻撃速度の速さと安定した火力で相手を翻弄し戦う事が出来る。規定のレベルまで達すると、剣を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
アーチャー
弓を使った遠距離攻撃型。長い射程と大量の専門スキルを誇る。高台からの攻撃は通常の1.5倍のダメージを相手に与える事が出来る。規定のレベルまで達すると、弓を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
ランサー
槍を使った中距離攻撃型。長いリーチの高い火力と攻撃速度を誇る。専門スキルの心臓突は自らより速度の遅い生きている相手に対して一撃必殺をする事が出来る。規定のレベルまで達すると、槍を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
マジシャン・ウィッチ
魔法を使った魔法攻撃型。圧倒的な攻撃力と攻撃範囲を誇る。魔法発動までの時間が少しかかるが一撃必殺級のダメージを相手に与える事が出来る。規定のレベルまで達すると、魔法を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
ガーディアン
盾を使った防御特化型。攻撃力こそ低いが圧倒的な防御力を誇る。防御上昇スキルを初期から豊富に持っており殆どダメージを負う事が無い。規定のレベルまで達すると、盾を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
パラディン・シスター
剣と聖魔法を使った万能型。安定した攻撃力と補助スキルを持つ。体力回復系統の魔法を多く習得する事が出来る。規定のレベルまで達すると、聖剣騎士に転職する事が出来る。
エグゼキューショナー
剣と黒魔法を使った万能型。圧倒的な攻撃力と異常なスピードを誇る。防御力は低いが超攻撃型スキルを多数習得する事が出来る。規定のレベルまで達すると、魔剣騎士に転職する事が出来る。
ガンナー
銃を使った遠距離攻撃型。圧倒的な攻撃速度と多彩な専門スキルを誇る。専門スキルの魔弾はMPを多く消費する代わりに圧倒的な攻撃力を持つ。規定のレベルまで達すると、銃を使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
シーフ
盗賊の近距離攻撃型。高い攻撃速度と移動・回避速度を誇る。体力と防御力は低いが回避能力が他の職業に比べ圧倒的に高い。規定のレベルまで達すると、盗賊系統の上級職のどれかに転職する事が出来る。
アサシン
多くの武器を使った一撃必殺型。高い隠密性と多彩なスキルを誇る。殆どの武器を装備でき隠密攻撃の殆どがクリティカルダメージになる。規定のレベルまで達すると、暗殺者系統の上級職のどれかに転職する事が出来る。
サモナー
召喚魔法を使った魔法攻撃型。数多くの召喚獣と多彩なスキルを誇る。致命的レベルまでに低い攻撃力や防御力、体力を差し引いても召喚獣の攻撃力や体力等は圧倒的。規定のレベルまで達すると、召喚魔法を使う上級職のどれかに転職する事が出来る。上級職のどれかに転職する事が出来る。
ヒーラー・ナース
補助魔法を使った後衛補助型。数多の回復スキルと攻撃補助スキルを誇る。攻撃力は致命的だがスキルを使った回復量はパラディン以上。規定のレベルまで達すると、補助魔法を使う上級職のどれかに転職する事が出来る。
ファイター・アマゾネス
ガンレットを使った近距離攻撃型。安定した火力と高い速度を誇る。体力や防御力も高く育てやすい職業。規定のレベルまで達すると、ガンレットを使った上級職のどれかに転職する事が出来る。
バトラー・メイド
ほぼ全ての武器を使える万能型。数多のスキルと高い全ステータスを誇る。エグゼキューター以外の職業の武器を扱う事が出来るが主が攻撃されると変わりにダメージを受ける。規定のレベルまで達すると、執事長もしくはメイド長に転職する事が出来る。
ロード
主に魔法を使った遠距離補助型。数多の補助スキルと圧倒的なMP量を誇る。バトラー及びメイドが仕える職業で、原則的にバトラー及びメイドと行動を共にしなければならない。規定レベルまで達すると、七人貴族に転職する事が出来る。
全部で15の職業が有った。多すぎる。クソゲー臭が半端無くするが、とりあえずやり続ける事にした。と言うより、やり続ける以外の選択肢は頭に浮かばなかった。僕はエグゼキューショナーを選択する。理由は攻撃力だ。僕は今までしてきたゲームは全て攻撃力を重視してきた。今回もそれだ。
「エグゼキューショナーで決定しますか?
→はい いいえ」
僕は頷き、次の設定に入った。
「性別を選択します
→男 女」
当然男を選択する。
「生前ボーナスを割り振ります(余ったポイントは後で割り振る事が可能)
→はい いいえ」
生前ボーナス? 聞いた事が無い。良く画面を見ると下に説明が小さく乗っている。
生前ボーナスとは生前に働いた善行や、受けてきた試練などから得る事が出来るポイントです。
どう言う事かはいまいち理解できないが、とりあえず頷く。
「プレイヤーの生前を検索します」
すると画面に多くの文字が現れる。暫くそれを見ていると検索終了と言う文字が出てきた。
「プレイヤーの生前ボーナスは全平均140ポイントより351ポイント多い計491ポイントです」
おお、平均よりもかなり多いな。何か得した気分だな。そんな事を思いながら僕は画面を見る。
「ステータス
体力…666
魔力…098
突き…129
斬り…153
魔法…112
防御…041
対魔…054
技量…081
回避…095
速度…105
命中…102
特殊スキル
虐殺 (Lv1)…敵を倒すたびに攻撃力アップ。
狂人化(Lv1)…MPを半分消費しそのバトル中の攻撃力を1.5倍にする。
黒魔術(Lv1)…体力を少しずつ回復していく。
習得スキル
死刑執行(Lv1)…1/10の確率で一撃必殺。
山斬一閃(Lv1)…遠くにいる相手に斬撃を飛ばす。
虐殺行為(Lv1)…周囲にいる敵に斬撃を浴びせる。
生前ボーナスを使用してこれらを変更する事が出来ます」
成程、理解した。つまりボーナスは多い方が有利にゲームを始められる事が出来るのか。平均が有ると言う事は他にプレイしている人がいると言う事。なら強い方が言いに決まっている。僕も時々オンラインゲームをしたが、レベルが高く強い人に倒していた敵を持っていかれたり、初心者同士で勝負していた所にいきなり乱入してきて勝利回数を上げたりする奴がいたからこれは嬉しい。
僕はまず、特殊スキルから見ていく事にした。特殊スキルの見たいと思うと、一覧らしきものが現れる。上に最大でLv5までと書いてあるので僕は黒魔術にポイントを5消費してLv2にした。同様に虐殺と狂人化もLv2に。次にステータスの中の防御をポイントを20消費して20上げた。同様に対魔と技量と回避と速度も20上げた。次に習得スキルを見る。上に第一次スキルと書いてあるのでスキルは第二次スキル等もあるのだろう。今現在あるスキルは上記の三つと狂剣乱舞と言う連撃スキルと魔剣召喚と言う攻撃力上昇スキルのみだ。僕は全てをLv3まであげる。消費ポイントは75。僕は再び特殊スキルにポイントを振り、Lv3に上げる。
ステータスに戻り、HPとMPを上げる。HPに20消費してHPを766、MPを198に上げる。残ったポイントを100ポイントになるまでステータスに均等に割り振る。その結果が画面に出る。
「ステータス
体力…821
魔力…258
突き…141
斬り…165
魔法…124
防御…073
対魔…086
技量…112
回避…127
速度…137
命中…114
特殊スキル
虐殺 (Lv3)…敵を倒すたびに攻撃力アップ。
狂人化(Lv3)…MPを半分消費しそのバトル中の攻撃力を2.5倍にする。
黒魔術(Lv3)…体力を少しずつ回復していく。
習得スキル
死刑執行(Lv3)…1/5の確率で一撃必殺。
山斬一閃(Lv3)…遠くにいる相手に斬撃を飛ばす。
虐殺行為(Lv3)…周囲にいる敵に斬撃を浴びせる。
狂剣乱舞(Lv3)…連続して5回の強攻撃を相手に当てる。
魔剣召喚(Lv3)…攻撃力を3分間1.5倍にする。
ポイント残り100。以上で設定を終了しますか?」
僕は頷き、ポイントを振り終える。
「最後にもう一度問います。
ゲームを開始しますか?
→はい いいえ」
何が言いたいんだ? 此処まで来たのに今さらいいえにする訳がないだろう。僕は再び頷き、画面を見た。
「ようこそ、可能性の世界へ。Real Playing Gameの世界へ!」
その表示が出た瞬間、僕の身体は血を噴き出した。そこで、僕の意識は失われた。