中道改革連合の「1億円クラウドファンディング」は違法性はないのか?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は中道改革連合がクラウドファンディング(以下CFと表記)で落選者支援を行うことは違法性が無いのか? について個人的な見解を述べていこうと思います。
質問者:
筆者:
クラウドファンディングには「購入型」と「寄付型」の2種類があります。
購入型は対価のある商品やサービスを提供するもので、政党であっても事業収入になり寄付にはなりません。
それに対して寄付型は金銭的な見返りがなく、政治資金規正法上の「寄付」に該当することになります。
また、返礼の品が価格に見合わない場合は、それを超える価格分は寄付となります。
今回の中道CFの返礼品は「感謝動画」「直筆色紙」「議員との電話」「国会見学会」と、ほとんど値段が評価されないものばかりなので「全額寄付」とみなされると思います。
質問者:
今回寄付の目的が「大変な状況にある惜敗者への支援を充実させたい」とのことのようです。
これまでは立憲民主党時代は落選者に対して月50万円の支援を行っていた(支部に支給されていた)そうですが、その穴埋めでは無いか? と批判されているみたいなんですけど、これについて違法性は無いんでしょうか?
筆者:
個人の生活費に流用することは違法になります。
しかし、政治資金として事務所家賃、人件費、活動費などに使えば問題ないのです。
これらは相当お金がかかるので月50万円は一般人としては破格に見えてしまいますが、議員の政治活動としては少ないと思える金額なんです(それだけ政治にお金がかかることが問題ですけど)。
ただし、「お金に色は無い」ので事実上の生活支援のために支給されているお金の補填をされているのは間違いないとも言えます。
ですが、実際に政治資金収支報告書で生活費関連の支出が確認され無い以上は、違法性を問うことは極めて難しいのです。
質問者:
政党交付金が減ったからCFで補填しようだなんてなんだか情けない話ですが違法性は無いんですね……。
筆者:
また、一般的な政治資金の寄付を募るよりもCFの名前が付くことによって「ストーリー性」や悲劇のヒーローみたいな構図を作りやすくなります。
そのために同情を誘うことも出来るので寄付金よりも集めやすくなるメリットもあると思います。
ただ中道も「最後の悪あがき」という感じはしますけどね。
「落選者に月50万円」の体制を続けるのであればこのCFが満額まで集まったとしても年間20人も養えないわけですからね。
僕は自民党が日本を壊した張本人だと思っていますけど、政権担当能力を示すことができなかった民主党系の政党にも大きな罪があると思っていますからね。
※ちなみに筆者がそこそこ評価している国民民主党や参政党も過去に立候補者の供託金のためなどの費用としてCFを実施していたことがありました。
◇CFは外国人献金が「やりやすい構造」
質問者:
ともかく、やり方は違えどCFも寄付であるという事を認識する必要があるという事ですね……。
筆者:
基本的には個人の自由意思で寄付をするために問題にはならないと思っているのですが、
ここで一つ重要な論点があります。
個人が「政党(および政治資金団体)」に対して行える寄付の総額は、年間で合計2000万円まで、5万円以上の寄付(複数回の場合は合わせて)の場合は氏名住所を公開されるという規定があるのですが、
CFは基本的にはオンライン決済で完結するために、寄付者の国籍確認がどこまで担保されるか分からないんです。
特に5万円未満は総務省などからも「見過ごされる」可能性が非常に高いでしょう。
「パーティー券問題」も出席しない5万円未満の者に対する国籍開示がされないためにブラックボックスになって問題になっていますが、
質問者:
なるほど……CFは外国勢力からの介入があるかもしれないわけですか……。
しかも、キャッシュレスの決済であれば更にやり易そうで、個人を特定するのが難しそうですよね……。
筆者:
そうなんです。
しかもCFは主催サイトへ支払う手数料の率が高く、5%~20%も差し引かれるそうなので、普通に政治資金の寄付を募った方が効率的には圧倒的に良いはずです(寄付者の寄付額がCFか政治寄付かで変わるとは思えないため)。
それにも関わらず「敢えてCFを利用する」というのは「何かしら裏がある」と邪推されても仕方ないと思います。
先ほど語った「悲劇のヒーロー」みたいな要素はほんの少ししかプラスにならないと思いますからね。
質問者:
ヘンな邪推をされないためにも透明性を持った政治資金制度にして欲しいですよね……。
筆者:
そのために僕は前々から言っていますが1円以上のあらゆる寄付者の住所氏名を公開するべきだと思っています。
この際にプライバシーの問題について必ず指摘があるのですが、やましい思いが無ければどこの政党やどの政治家を支持しているか発覚しても問題ないはずだと思います。
お金を出しても良いと思えるほど意欲がある応援であるのなら、情報が開示されることぐらい甘受するべきでしょう。
質問者:
外国勢力からの影響力工作を問題にするのであれば、その可能性を否定できない政治資金の寄付をもっと透明性を高めて欲しいですよね……。
筆者:
現状証拠を挙げることができないので「すべてが憶測」にとどまってしまいますからね。法規制が1円以上が開示と厳しくなって大きく減ったら「あっ、察し」って感じになるでしょうけどね(笑)。
かなり皮肉な話ではあるのですが、中道改革連合は国民民主党と合同で政治資金規正法の改正案を前日の3月2日に提出しています。
「透明性の確保」 「企業献金規制強化」
などを盛り込んでいるようですが、まるでその前に「駆け込み」みたいにCFを開始しているというのは滑稽な話だと思います。
質問者:
筆者:
もっとも、自民党が単独で3分の2を占めているような状況で自らが不利になる法案に賛成するとは思えないので実現可能性は低いでしょう。
企業献金ののうち97%が自民党への寄付という状況なので、それを含む法案を可決すれば自分で自分を刺すような状況ですからね。
ただ、中道の方向性として一方では規制や透明性を高める法案を出して、一方では不透明性が高いCFを活用する――それはちょっと道義的に無いんじゃないの? というのが個人的には思います。
自民党によって否決することが濃厚だから法案を提出しているだけで本当にやる気があるのかな? と疑問符がついても仕方のないことだと思います。
もっとも、こういう詳しい政治資金の周辺知識や構造について理解している国民というのは少ないので、こういうことが平気で出来てしまうのかなとも思いますね。
質問者:
やはりちゃんとした知識を国民側が身に着けることが大事だという事ですか。
筆者:
情報化社会の今、誰でも情報を入手することができるのでそれに目を向けるか? 背けるか? がまず一つ目の分かれ道。2つ目はその情報を適切に分析できるのか? できないのか? が2つ目の分かれ道なのかなと思っています。




