3章 13話:縷縷たる解説
鍛冶屋に戻ると猫の耳を生やした少女が、キッチンに立っていた。
「あ、ウツキさん。おはようございます。朝ごはん出来てますよ。苦手なお料理とかありましたらお伝えくださいね。」
「あ…は、はい。」
テーブルに並べられる和食達。艶やかな白米、香る汁物、味の染み込んだ炒め物。
懐かしい感覚。屋敷で食べさせてもらっている食事は、基本的には洋食が多い為に少し感動する。
「和食…存在したんだ…」
仕込みを手伝っていたメイド2人も席に着く。全員が席に着くのを見計らい、ウツキも席に着いた。
「「いただきます」」
他愛のない話をし、話が弾み、食事が進む。
「皆様この後予定はあるんですか?」
「元々私の武器を見繕ってもらう為でしたので、特には…」
ウツキは少し手を挙げる。
「この後少しだけ時間いいか?オウミョウさんに見てほしい物があって…」
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「それで、『見てほしい物』とは…?もしかして、その腰の?」
縄で腰に括っていただけの、鞘も何もない剣を渡す。
「大切な人から貰った物で、切れ味も良いんですけど、鞘が無いと危ないですし。」
オウミョウは剣を丁重に受け取り、吟味する。
「…大変言い難いんですけど、この剣で戦っていればよかったのでは?」
「剣の扱い方がわからないのがひとつ。狼達と一緒に寝ていたので、別のところに置いていたら手に取る暇も無く…」
折角リリレヴァがくれた剣なのに、剣として有用に使えない。まさに『宝の持ち腐れ』の体現。
「村を救ってくださったのに、大した事もしてませんし、鞘ぐらい作りますよ。」
ウツキは胴が離れて、運ばれていただけだ。特に何もしていない。その為、断ろうとした。
「その代わり、またこの村に来てください。ウツキさんとはもっとお話ししたいですし、腕利きの傭兵さんが戻ってきたら剣術も教えていただけます。」
ニコッと笑って見せた笑顔の奥には、『交渉』にする事により断られないようにしたのだろう。別に嫌というわけでも無い為、承諾した。
「それにしてもこの剣、珍しいですね。
とても硬い…剣としてでなくて、素材として。横から衝撃を受けても折れないような…!
どうして譲ってもらえたんでしょうか?」
「譲ってくれた人は、俺に『傷ついてほしく無いから』とだけ…」
硬さを確かめる為こづいてみたり、刃に紙を当て、切れ味を見ている。
「…譲ってくれた人はどんな人なんです?」
「白銀のサラサラな髪で、少し尖った耳がチャーミング。少し緑がかった水色の綺麗な色の宝石のような瞳。あどけない表情。天使のように微笑んでくれて、白い雪のような肌で、血の色が映えて、ダンピールで、俺なんかよりも強くて」
「…。」
「…俺はまだ何も知れていないんだ。その子がなんで優しくしてくれるのか。知る為に、少しでも長く近くに居たい。役に立てるようになりたい。その為に力が欲しい。」
「その子の事が大好きなんですね。この短剣も、大切にしてください。きっとその子にとっても、とても意味のある品でしょうから。」
真っ白な刀身に光を当て、眺めている。光を反射して艶々としている。鍔に付いた赤い宝珠とでも言うべき玉がキラキラと光る。
「これ、特殊な力が秘められているみたいですね。『相手の力を吸い取る』とでも言いましょうか…。ウツキさん、魔法の心得があったりしますか…?」
「勿の論無いです。」
オウミョウが言うには魔法には『五大元素系』と呼ばれる基本の魔法があるそうだ。火・水・風・雷・土の魔法の総称であり、殆どの人はこの属性に当てはまるようだ。
「ウツキさんは、『水』ですかね…?」
「水⁈洗濯とか水浴びとか色々汎用性高い!」
オウミョウは首を傾げ、目を凝らす。
「なんだろう…不安定というか、渦巻いているというか…上流と下流を行き来する?」
「なんですかそれ…」
「火なら人魂。風なら旋風。雷なら電気。土なら岩。水なら水滴が見えるはずなんですけど…ウツキさんのは並の大きさではありますが、どこか異常というか…。特殊な魔法の適性がある…?それにしては異質すぎるし…」
台風だとか、津波だとか、ねじれだとか。オウミョウは思いついた魔法を口にしてみるが、しっくりとはきていない様子。そもそもそれらは、五大元素系を組み合わせればできる範疇であり、また別の魔法という可能性は少ないようだ。
「まあ、何が言いたいかって言うと。魔法は使えたほうが便利ですが、この剣を使いこなせればどうとでもできるかもって話です。魔法が使えれば戦術の幅も広がりますし、一応聞いてみただけですので」
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話もひと段落つき、帰ろうとすると、後ろからオウミョウが手を掴んできた。
「ウツキさん、手を前に出して。もう片方は胸に当てて。」
丁度耳の後ろから声が聞こえる。腕が密着し、心臓が高鳴る。
「心臓に血が回るように、血管の中に回る水を思い浮かべて…
胸に当てた右手から、心臓を通って左手に…」
体温がじんわりと伝わり、少し落ち着く。体を巡る血潮がなんとなくわかるような気がする。
「そいっ!」
後頭部に衝撃が走る。
「ピャ」
誰かの甲高い声が聞こえる。目を開けるとそこにはびしょ濡れになったキョウカがいた。
「ちょ、なんで今叩いたんですか⁈てか、何してるんですか⁈」
「初めは強めの刺激があったほうが、弾みで出るので。ウツキさんがこれぐらいで出る人でよかったです」
無邪気に笑いながら手を振って走り去っていく。
「あ、ウツキ!もう帰るのか?ちょっとあいつシバいてくるから見送れないが、楽しかったよ!また来いよ!そん時はお前にも仕返ししてやっからよ」
「は、はい…すみません色々と」
乗ってきた狼車の所へ戻ると、メイド2人はもうすでに乗り込んでいた。
「ウツキ殿待ちですよ…?」
「そうよ。遅いわ。姉様を待たせるんじゃないわよ。」
「スミマセン」
行きと同じように中へ乗り込む。1日ほど過ごしたこの村ともお別れだ。来た時とは少し風景は変わっているが、綺麗な村だ。結局何もしていないわけだから、いつか恩返ししなくては。
メイド2人が引く馬車は軽快に帰路へと着いた。
おはこんばんちゃ〜みちをです。
やる事が溜まってます。(自業自得)
目の前のことが終わったら、やらなくてはならないこと、
さらに同時進行でやる事、人を逃さないようにSNSに定期投稿、一週間経つ前に次の小説書いて、他にも書いてる小説2個も進めて…
いや、ゲームぐらいさせて!てか、普通に作業時間がない!俺にも俺の生活があってそれを崩してこれだ!崩した結果人生が狂い始めているのは事実。
そして来ないコメント!いるかもわからない読者へ送り続ける一方的な物語!なんだこれ!また次回!




