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望月と少年の非日常譚  作者: 義春みちを
3章 鍛冶屋を求めて。
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2章 26話:どうしようもなく

8本の足を動かしながらこちらへと近づいてくる。赤髪の男。手には、まるで蟹のような鋏がある。


狼達はウツキを守ろうと立ちはだかる。


「待てっ…」


狼達はウツキの方を振り返る。ウツキは2匹を撫で、興奮を冷ましていく。


「…誰なんだよ。目的は何だ」


「俺はキャンサーってんだ。目的はさっきも言っただろ?お前を殺しに来た。まあ、暴れろとも言われてるし、俺個人としてもそっちが本命なんだけど。」


「…『言われた』?俺の命を狙っているやつがいるのか…?」


この世界に来て間もないというのに。全く築いていない人間関係の中で、因縁つけられているという事だろうか。


「…俺も暴れたいんだけどさぁ、暴れてるうちにお前に逃げられると困るワケ。こっちに来て、俺に殺されてくんねぇかなぁ?」


「誰がそんなんで行くかよ。」


「だよなぁ…」


気付けばここで初めて、キャンサーは左手を露わにした。

そこには右手よりも大きい鋏があった。しかし、驚く点はそこではない。鋏には少女の首が挟まれていた。鋏の刃の部分の棘が、少女の首に食い込む。


「おにぃ…ちゃ…?」


その少女は兎の耳を垂らしている。先程、村を歩いていた時に出会った少女だった。


「君はさっきの…!」


ズボンのポケットの外から、中に入った石——その少女から貰った石を握りしめた。


握りしめることしかできなかった。


「おにぃちゃっ…痛いよ…助け、て…苦しぃ……」


掠れた声で必死に訴えかける少女。


「大丈夫だからな!兄ちゃんが助けてやるから!」


不安にさせないよう、声をかける。それしか出来ない。

何かないか。辺りを見渡す。


「キャンサー、金は欲しくないか…?こ、この鍛冶屋、儲かってるらしくてな。いくら暴れたっていい。俺が金を盗んで渡す。だからお前は…俺を一息で殺せ。結局死ぬなら楽に死にたいからさ、どうだ?」


「…おもしれぇ。人質も取られて、諦めて。せめて楽に死のうとはな!本当に面白い奴だ。良いぜ、乗った。金を持ってこい!逃げたらコイツの首が文字通り飛ぶぜ?」


「…わかってるさ。」


バックヤードまで近づく。金が保管されている所は、キャンサーの死角だった。麻布の袋に、ありったけの金を詰める。


変に疑われないよう、すぐにキャンサーの前に姿を見せた。目の前袋を差し出し、中身を確認させる。


「ああ、金だな。確認した。約束通り、楽に殺してやる。来い。」


キャンサーの左手に掴まれた少女は、足をただダランとさせ、一見生きているようには見えない。


そんな少女を気にかけつつも、キャンサーの跡をついていく。


だんだんと森の奥へと入っていく。あたりも暗くなり、見えるのは明るい月の光だけだった。

申し訳ございません、みちをです。

私情により、2週間お休みいたしました。

失踪はしません。しませんが…突如お休みすることもあります。基本的には投稿しますので…何卒…

…あと、『できれば』月曜6時投稿ですから!ね⁈

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