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望月と少年の非日常譚  作者: 義春みちを
3章 鍛冶屋を求めて。
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2章 24話:ルナティアの武器

「おにいちゃんっ!」


キョウカに連れられて村を歩いていた。すると突然裾を掴まれた。振り返るとそこには見知らぬ女児がいた。ウサミミを垂らした彼女は、にっこりと純粋無垢な笑顔を向けてきた。


「これ、あげる!あそこで拾ったの!」


手の中には綺麗な石があった。丸く角の削れた、半透明のエメラルドグリーンの小石だ。


「おお!綺麗だね。でもどうして俺に?」


「えっとぉ…なんとなく!」


無意識に誰かに喜んで欲しいと考えていたのだろうか。その笑顔のどこにも、善意以外の何も無いのは見てわかる。


「そっか、ありがとうな!」


「うん!じゃね!」


短く返事をした彼女は、嵐の様に過ぎ去っていった。


「貴方でも、小さい子供から貰ったものを受け取るのね。」


「逆に目の前で捨てたら狂気すぎでは?あの子は善意でやってくれたんだから、大切にするに決まってるだろ。」


ソルティアからの印象がわからなさすぎる。一回、彼女の頭を覗いてみたいものだ。


「それにしても綺麗だな。なんか特別な石だったりして…」


「あー、それはあり得るかもね。ここは、取ってないだけで資源は豊富だし。

…あっ、これ言ったらマズいんだった…この事は内緒にしてくれないか?資源目当ての人で溢れかえったら大変だからさ。」


キョウカは上目遣いで手を合わせ、こちらを伺っている。


「仮に俺達が資源目当てだろうが無かろうが、メリットが無いし言いふらさないよ。」


そもそも資源を有効活用なんてウツキにはできない。資源の問題は、交渉材料になるぐらいには厄介な事を知っている。素人が手を出すなんて有り得ない。


ソルティアの様子を見ても、何も干渉し無さそうな反応だった。


「そっか、よかった!」


尻尾が左右に激しく揺れ、喜びを隠しきれていない。この村がさぞ大切なのだろう。

彼女の足取りが軽くなる。


そんな彼女が足を止めたのが、少し離れた花畑だった。一面に花畑が広がっており、終わりが見えない。


「ここが村のデートスポット!村の人は殆どみんなここで告白するんだ。村はどこも綺麗だけど、ロマンチックな場所は少ないからね。」


ふわりと花の香りが広がる。物憂げに遠くを見つめるキョウカ。

ソルティアは桃色の髪を揺らめかせ、少し微笑んでいる様に見えた。対照的な2人はどちらも、とても絵になる。


「また今度来る時、リリカてゃそにこの景色を見せてあげたいな…」


真っ白な髪のリリレヴァに、色とりどりの花畑。青色の花や、桃色の花。どの色が群生している場所でも彼女はとても映えるだろう。

それが日傘を持っている日中であろうと、黒い夜空に月明かりの照らす夜であろうと。


「…とんでもない顔面ね。とても人に見せられない顔よ。」


「…流石のアタシでもちょっとどうかと思う。」


「え、そんなやべー顔してた???」


リリレヴァがどんなに美人で可愛くて可憐で素敵でも、本人の前でそんな顔はしない様にしよう。そう強く心に決めた。


□ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇


その後も様々な場所を周り、夜も更けてきた。


「そろそろオウちゃんの所に戻ろうか。ソルティアのお姉さんも心配するでしょ?

それに、貴方たちは夜行性じゃないなさそうだし、早く宿に戻ったほうがいいんじゃない?」


「そうね、私達はともかく客は人間なわけだし寝た方がいいわね。」


ルナティアとソルティアはサキュバスだ。もしかしたら夜行性に近いのかもしれない。しかし、人間は夜行性ではない。その為ウツキは寝るべきだ。


「…あ、『客』って俺⁈

前より敬称が雑になってるし、久々すぎて反応遅れたわ⁈」


夜であるにも関わらず、大きな声を出してしまった。幸い、ここは農作業をする場所の様で、少し離れた所にしか家はなさそうだった。


そこから数分。ルナティアとオウミョウの所へ戻った。


「あ、お姉様とウツキ殿!お帰りなさい!」


「姉様、良い武器は見繕えたの?」


少し目線を下げ、言い淀む。


「あの…ですね?お姉様がこの前反対していたのですが、拳で戦うスタイルが1番良いのではと言う話になりまして…」


ルナティアは後ろに隠していた手を出す。

彼女の手には、光が反射し輝くナックルが装備されていた。

見た目は、黒地のレザー手袋の様なものがベースになっている。そこに銀色の爪や、八面体を二等分にした様な、立体のひし形が付いている。それが装飾なら洒落ているデザインだ。武器としても、その部分で殴られたなら無傷では済まないだろう。


「…前にも言ったけれど、返り血が付くかもしれない。正直、『私』としては近距離戦闘は反対するわ。

けれど、貴方の『お姉様』としては、姉様が戦いやすいのが1番だもの。慣れてない武器で、かすり傷を負うより良いって事ぐらいわかってるわ。姉様の意思なら勿論反対はしない。

それに黒に銀色の装飾の付いた見た目も、可愛い姉様にぴったりじゃない。私も、それが良いと思う。」


「…!ありがとう、お姉様!

これからは、近距離で戦うね!いざとなれば、隠し持ってる武器もあるし。」


ソルティアはルナティアの頭を撫でる。ルナティアも少し照れながらも、満更でもない様子で撫でられている。


武器の会計を待つ間、2人はガールズトークに花を咲かせていた。

おはこんばんちゃ〜、みちをです


話進むのちんたらしすぎだろ!

と、思っていますね?僕もそう思います。


本当に、最近時の流れが速く感じます。

忙しくなって、休みが来たお思ったらまた立て込む。これの繰り返しです。そろそろ秋企画がヤバいです。


某smy氏に添削をしてもらった所、途中から諸々間違えているとの事で修正しようとしている所です。


現実に追い込まれて、裏作業も全然進まなければ、小説も書いてないし、イラストも落書きのみ。どう言う事ですかね?


なんて言ってたら投稿日の2時31分。

では、良ければまた来週お会いしましょう〜

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