2章 23話:澄んだ空気で出会った貴方
「ただいま、オウちゃん。」
「あ、おかえりキョウカちゃん!後ろの方々はお客さん?」
キョウカがある一軒家のドアを開く。「ただいま」という発言から家族、あるいはそれほど親しい中だと推測できた。
「お初にお目にかかります『鍛冶屋』殿。私はルナティア、こちらがソルティアお姉様、こっちがウツキ殿と申します。本時は私の武器を見繕って頂きたくお伺いさせていただきました。」
ルナティアはスカートの裾を持ち、足を交差させお辞儀をした。なんとも洗練された動きだ。
「ご丁寧にどうも、そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。気軽にお話ししていただいた方が、こちらも楽ですし」
『鍛冶屋』は、その二つ名からは想像できない笑顔でそう答えた。
「名乗るのが遅くなりましたね。私は当代『鍛冶屋』を名乗らせていただいています。オウちゃんこと、オウミョウと申します。
…『名乗らせて』とは言ったものの、周りが勝手に呼んでいるだけなんですがね。あっ、鍛治の腕はそれなりにある方だと思いますので、品質は保証しますよ!」
「オウちゃんは本当に腕がいいから、心配しなくてもいいよ。本人は実力ほどの自信が無い様だけど。」
少し頬を赤らめ、照れくさそうにお辞儀をするオウミョウ。毛先の切り揃えられた桃色の髪と、黄緑色のメッシュが、サラリとゆらめく。
「ウツキ、オウミョウさんが綺麗なのは認めるけれど。その視線をどうにかしなさい。ジロジロと見るのは端無いわよ。」
ソルティアに耳元で釘を刺される。
「は、はぁ?見てないですけどぉ⁈」
「側から見ても分かるぐらいなんだから、本人はとても不快に思っているわよ。やめなさい。」
「スミマセン」
当の本人は、案外気づいてはいなさそうである。
「ルナティアさん、ご所望の武器はございますか?」
「…殴る為の棒?とかですかね」
言葉にすると怖い。もっとマイルドな言い方は無いのだろうか。
「…バット、とかですかね。わかりました、うちにあるものを御提案させて頂きますね!」
オウミョウは手招きする。ルナティアは彼女の後を追い、店の奥へと消えていった。
「さ、お客人方。アタシがこの村を案内するよ。ここにずっといるのもアレだろ?」
「オウミョウさんに用事があったんじゃ…」
キョウカは「あー…」と、少し小っ恥ずかしそうに目線を逸らす。
「用事が無いわけじゃないが、それはお客人の帰った後でもできるし。なにより、お節介の為の口実さ。」
「あー…そうだったんですね。…聞いちゃってすみません。」
「謝るなよ!余計惨めになる!」
口実の理由を聞くだなんて、野暮な事をしてしまった。兎に角、キョウカのお言葉に甘え村の案内をしてもらう事にした。
おはこんばちゃ…みちをです…
本当にすみませう…時間大幅に遅れました。
しかし、投稿『予定』としか明記してないので(言い訳)




