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望月と少年の非日常譚  作者: 義春みちを
3章 鍛冶屋を求めて。
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2章 22話:理想的な


目の前に現れた少女はこちらに手を差し伸べた。


「大丈夫?怪我とかしてない?」


「あ、ありがとう…ございます。大丈夫です…」


目の前の少女は踏みつけにした熊を、森の方へと放った。熊はこちらを伺いながらも、遠くへ走っていった。


「こんな所に何の用?貴方達が良ければ、アタシが案内するよ。」


「本当か⁈ぜひお願いしたい。えーっと…」


名前が分からず言い淀む。それを見て少し笑い、表情が砕けた。


「アタシはキョウカ。狼の亜人だ。貴方達の名前を聞いても良いか?」


「私の名前がソルティア。この子がルナティア。そしてコイツがウツキ。姉様の武器が壊れたから、鍛冶屋の元に行きたいの。案内してもらっても?」


雑にソルティアに紹介された。確かに、他に言うことも無かったのだが。


「ソルティアとルナティアにウツキね。

うん、わかった。貴方達をオウちゃんの所に案内するよ。」


キョウカは、馬車を引いていた狼達を撫でる。他3人を馬車の中に乗せ、1人と2匹は歩き出した。


「狼の亜人…馬車を引く狼達とも話せるのかしら。」


「あの様子だと、そうかもしれませんね。素敵な笑顔で、笑い合っていますから。」


月明かりに照らされたキョウカは、キラキラとした笑顔で2匹と談笑しているように見えた。


「…あのさ」


ウツキは声を小さくして言う。


「マオの口から『人主主義』って言葉を聞いたんだが、タブーとかがあったら教えてほしい。」


2人は目を見開く。窓の外のキョウカを姿を確認し、ため息を吐く。


「…まずは、お嬢様に聞かなかった事、褒めてあげるわ。あまり良い話じゃ無いもの。…特にお嬢様には」


「絶対にお嬢様の前では言わないでください。そして、人間である貴方が『人主主義』などと言うのも控えるべきです。敵対の意思と見做されるかもしれません。」


いつに無く仰々しい態度である。それほど、デリケートな話題なのかもしれない。


「ご、ごめん。2人も、その…サキュバスなんだよな?嫌だったら別に話さなくても…」


「いえ、正しい知識は持っておくべきですから。

…人間はあらゆる面において弱いです。だから恐怖し、群れる。恐怖心と高揚感、闘争心などを高め合い、力とする。その他にも、自分の信念、野望欲望の為ならなんでもする。それが…人間。」


ルナティアの手が震える。ソルティアが手を重ね、指の隙間に指を通し、握る。


「…身体能力では劣る者がほとんど。でも、何千人、何万人もの命を捧げ、私達数人に襲いかかる。

負けて殺されれば良い方。その後何をされるかは…その人間次第。」


ルナティアの顔がどんどん青くなる。ソルティアは、ルナティアの手を引き、自身の膝に乗せる。席に横にさせる為、靴を脱がせる。その間も話し続けていた。


「自分と違うから、怖いから殺す。それが『人主主義』。

勿論、この思想を嫌いな人間も、亜人も、それ以外もいる。人間の貴方が『人主主義』なんて口にしたら、『殺される前に殺す』と思われかねないわ。」


この世界の根本には『弱肉強食』があるのかもしれない。自分と違うものは排除する。未知のものが怖い。その人間にある考え方は、元の世界でも同じだった為、直感的にわかる。そう思った人間がどんな行動をするかも。


「…2人ともごめん。でも、教えてくれたおかげでへまをする事もなくなった。本当にありがとう。」


なんとも言えない空気が漂う。ガタンと、少し揺れる座席。


「…あー、その…あれだ。お土産、何があるかな?」


「気が早いです。」


「自分で稼いだ金ではないというのに。」


ソルティアの発言が心にクリーンヒットする。不甲斐無い。元の世界の物で一儲け狙うしか無い。


馬車が止まり、外から声がする。


「着いたよ。オウちゃんがいるのはこっちだ。」


キョウカは、三人が馬車から降りるのを確認した後、足を進めた。

田を彩る金色の稲穂。それらの田の間に通る道の脇には、座ってご飯を食べる亜人———獣人と言った方が伝わりやすいだろう。

大きな耳を揺らしながら、満足気に田を眺める。


空気も美味しく、のんびりとしている村だ。子供が駆け回り、蜻蛉(とんぼ)が飛び。鼻をくすぐるのは金木犀のような香り。


「行きますよ。」


立ち尽くしていると、ルナティアに手を引かれる。


「…良いところですね。見惚れてしまうのもわかります。ですが、私達はキョウカさんに案内してもらっているんです。案内される側が寄り道するのはどうかと思います。」


「ごもっともです…」


無言で手を引かれる。一切ゆるまないその手をとても温かいと感じた。


おはこんばちゃ〜みちをです。


最近、子供を見ていない親とめちゃくちゃ遭遇するんですよね…


そんな人?を遠回しに登場させたくないので、

「子供を見ている親」とか書こうとしたんですが

なんか、それはそれで…


この前、曲がり角から出てきて、

赤信号に飛び出そうとする子供がいて

一時停車しないと、自転車でぶつかりそうだったんです。

その母親が、こちらと赤信号を全く見ないんです。

子供がぶつかりそうになったら、睨まれたりする覚悟もしていたのに。

なんなら「すみません」って言ってもおかしくな((殴


本当に「子供だけ」を見てる感じで、謎の恐怖を少し覚えました。


そんな人も出したくなかったので、言及はしませんでした。


皆んなも

歩行者は右側、自転車は左側!

駅は、場所によって違うからアナウンスを聞く、

階段や張り紙、地面を見る!

斜め横断されて、横からぶつかられないようにする!

を、心がけようね!(圧)

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