2章 14話:捕まらないように
「作戦…ですか?」
「ああ。その武器、もうお前の力に耐えられないんじゃないか?」
ルナティアは図星を突かれたように俯く。
「戦うと言っても、そこら辺の輩と戦うと思っていて…。武器もこれしか持ってませんし。すみません。今すぐ片付けますから…」
「待ってくれ、作戦があるって言っただろ。
俺が時間を稼ぐから、ルナていは武器になりそうなものを探してくるんだ。」
ルナティアは目を見開く。
「貴方は私よりずっと弱いんですよ⁈」
ウツキは『ウツキが弱い』以外の反論が来ない事に安堵し、立ち上がる。
ウツキにはこの方法しか思いつかなかった。だから、反論が来て仕舞えば、これ以上の作戦を考えなければいけなかった。何もできないウツキと、まだ何も知れていないルナティアの2人で、あの怪力にかつ方法を。
「私が…言えた事じゃ、無いですけど…
貴方が来てから…お姉様、楽しそうなんです。
私じゃ、後をついて回ることしかできないから。お姉様を笑顔になんてできない。
だから、死なないで…ください…。」
「俺は、お前が殺せなかった男だぜ?あんな奴に殺せるかよ。」
ルナティアに笑って見せた。
戦力にならないウツキが出来ること。そんなものは、仲間に頼るしか無い。だから、皆んなが生きていられるように、誰よりも体を張る。張らなくちゃいけない。
ウツキは巨漢に向かって、ルナティアは反対方向に、走り出した。
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「よう。タウロス…だったか?」
「…タウルス。ツクモウツキ、お前を捕らえるのが天の導き。」
捕まったら終わり。コイツが退散してくれるならそれも良いかとも思ったが、せっかく美少女達と巡り会えたのに、一生会えなくなるのは嫌だ。
「俺を捕らえてどうするんだよ?もしかして、身ぐるみ剥がされちゃう?このヘンターイ」
兎に角煽り、ルナティアの方へ行かせないようにする。
「ツクモウツキを、捕えた後…?ヘリオス様の依代として適合するかを試す。」
ヘリオス。それは以前リリレヴァから太陽の民について聞いた時に出てきた名前である。なぜここで太陽の民に崇められていた者の名前が出てくるのか。
「て、適合しなかったたら…?」
「この世に黒い髪と眼を持つものはただ1人だけ。ヘリオス様しかありえない。
もし、他人の猿真似なら、この世から消すしか無い。」
「…あー、はいはい。オワタオワタwマジ詰んだわ〜w」
「…頭が壊れたか?」
「ま、それって捕まったらの話だよな?」
ウツキは、後ろに走る。それをタウルスが追いかける。斧を振り被る。ウツキは横に避け、逆方向に走る。
「お前は攻撃の後に隙が多いんだよ!」
真正面から走り、タウルスの横を駆け抜けるのはリスクが高かった。なので、攻撃の後のクールタイムに横を抜ける。
「このままルナティアとは逆の方向に行けば、時間が稼げる…!」
そもそも、武器が見つかるかもわからない。出来るだけ長く、引きつけたい。
「もっと、遠くに…引きつけないと…!」
夜の町を走っていく。街灯が弱く、あたりは薄暗く光っている。そのおかげで星は綺麗見える。しかし、足元まで光が届かない。
「うおっ⁈」
ウツキは足元の小石につまづいてしまった。振り返ると、すぐそこにはタウルスの姿がある。
「足を、切り落とす。ここで切っても、ヘリオス様が馴染めば、再生ぐらいできるはずだ。」
「は?今お前なんて…」
斧を構えるタウルス。立ち上がり、逃げるまでの間に振り下ろされるだろう。足を失えば逃げられなくなる。逃走劇はもはやここまで。
目の前で金属がぶつかる音がした。
「時間稼ぎお疲れ様です。武器…に、使えそうなものを見繕ってきました。あとは下がっててください。」
「その手に持ってるのって…」
「はい。ぶっこ抜いて来ました。」
ルナティアの手には街灯が握られていた。
おはこんばんちゃ〜毎度の如くみちをです。
今回も添削していただいてやす。
相変わらず誤字が多かったり、客観的に見てもらえるので助かってます。
毎度thanksです。
そして、感想が欲しいです。コメ欄が過疎りすぎなんですよ。
読者いないんじゃ無いかな〜と、思ってたりラジバンダリ…
是非、感想でなくとも、読者様の存在証明していただければな〜と…
何卒…
と、言ったところでまた来週ですわ( ^∀^)ノシ




