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望月と少年の非日常譚  作者: 義春みちを
2章 風の町 マニャーサ編
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2章 8話:ウツキの仲間集め

どうしたものか。リリレヴァが戦えるのは良い。だがしかし、それをリリレヴァに伝えたところで「コイツ、危険な所と分かっているのに止めないのか」などと思われたく無い。もっとも、リリレヴァはそうは思わないだろうが。


マオに相談したなら、絶対に行くのを止めるだろう。それではマニャーサの人々はどうなるのか。そのまま惨殺されるだろう。


「完全に積んでいる…あの人を小馬鹿にする野郎の事だから、『一回限りだ、甘えんな』とか言いそうだし…仮に言われなくても、最終的に助かれば、みんなの命が無くなっても良いって訳じゃ無いし。」


いくら強い人でも、不意を突かれればやられてしまう。それに、明日の夜は曇り。月光が遮られて仕舞えば、全てが崩壊していく。他に助けてくれる人を探さなければならない。


その為に、風呂場へと向かった。


「よっす、ソルてい!今大丈夫そ?」


大浴場の扉をガラリと開ける。そこにはソルティアがいた。


「あら、『恥晒し』。残念だけど、私は風呂を掃除してるだけよ。」


「恥晒し呼びやめろ!あと覗きに来た訳じゃねーよ!」


ソルティアはポーカーフェイスを保ったまま、ウツキの元へ来た。


「茶番はそれぐらいにして、何か用?」


「ああ。…その、明日マニャーサに行くんだが、着いてきてくれないか?護衛が欲しい!」


突拍子も無い質問に、流石のソルティアも表情を変える。


「…お嬢様が来るならまだしも、お前の恐怖心に付き合わされる筋合いは無いわ。一昨日きやがれなさい。」


「リリレヴァの用事だし、本当に来るんだよ物騒な奴らが。」


「私は行かないという意見は変わらない。けど、一つ提案をしてあげるわ。着いてきなさい。」


一瞬もこちらを見ずに、早歩きで歩き始めるソルティア。気遣いの一切無い彼女に置いてかれないよう、早歩きで着いていく。


着いたのは料理場。ソルティアが扉を開ける。


「姉様、客人が姉様を連れて行きたいそうよ。着いていってあげてくれない?」


「語弊の生まれそうな言い方するなよ…」


「ど、どこにつれてかれるんですか…?ウツキ殿は頭湧いてるんですか…?」


相変わらず辛辣な返し。正直なところ、ルナティアに頼む気は無かった。前は比較的安全な作業で、親睦を深める目的もあったので手伝いを頼んだが、今回は違う。危険な事に巻き込む。

それに、マニャーサが襲撃されることは話せても、なぜ分かったのかが話せないのでは、信憑性に欠ける。また、それはウツキが太陽の民だからと疑われる可能性もある。虎の尾を踏むようなことはしたくない。


震える腕をジャージのポケットに入れた。


「いや、リリカてゃそとマオと一緒にマニャーサに行くんだよ。もちろんちゃんとした理由でな。でも、リリカてゃそは領主だろ?護衛1人じゃ、数で来られ時…な?念には念を、備えあれば嬉しいなって事でさ⁈」


「…わかりました。お姉様の頼み、そしてお嬢様の為です。私も同行しましょう。」


「るなてい…!」


こうして、マニャーサへの旅は4人パーティとなったのだった。


□ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇


マニャーサへの道中。運ぶ荷物は分担されて、少し軽くなっていた。


「荷物ぐらい、私が持ちます。ウツキ殿よりは力もありますし…お嬢様の傘持ちに集中して欲しいんですが…」


「ご、ごもっとも…で、でも、俺もプライドの問題なの!女の子に日傘さしてあげられてない時点で、『男として駄目だな…』とか思ってるの!!」


ルナティアは首を傾げる。


「何故、『女の子には日傘を差す』んですか…?」


「何故って…そりゃあ、女の子は日焼けとか気にするんじゃないの?褐色の子も良いけどさ。日焼け止めとか無いでしょ?」


「肌が…焼けるんですか?人間って弱いんですね。私は別に日傘を差すとかは結構です。それよりも…」


ルナティアが一点を見つめる。その方向には目を輝かせたリリレヴァがいた。


「『日焼け止め』っていうものがあるの?それしたら私も好きに出かけられるの?」


「ある程度は…。というか、リリカてゃそには花魁レベルで白くなるまで塗りたくらないと怖いな…。でも、花魁スタイルのリリカてゃそも見てみたい!」


「リリィはどんな姿でも可愛いよ。今度、『花魁すたいる』とやらを仕立てさせようか。」


わちゃわちゃと雑談をしていると、急にルナティアが手で2人を制止する。


「お前、動けば殺す。」


霧散したマオが相手に警告する。


「こんなに強い護衛がいるなんて聞いてないよ。それに、2人も。それじゃあ、そこの彼を殺せないじゃないか。」


「僕の目の届くところで顔見知りは殺させない。」


大きくため息を吐くと、隠れていた木から飛び降りる。


「降参、降参。この挙げている手が見えないですか?なんなら付いて行かせてくださいよ。降伏する。」


「…良いんじゃないか?別に。旅は道連れ世は情けって言うじゃん?連れてこう、連れてこう。」


護衛2人はキョトンとしている。ルナティアに関しては、この事態を危惧しての同行であったのに、あっさりと受け入れることが意外だった。


「ウツキ殿が良いなら…。」


「最低限、リリィが無傷なら…。」


「みんなが良いなら…。」


満場一致で、同行者が1人増えたのだった。

おはこんばんちゃ〜みちをです。

遅刻しました。すみません。なんか良い文章が書けなくて、試行錯誤した結果4時間遅刻です

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