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ゲーム配信

 なんだかんだあったが、マネージャーさんの手配とお手伝いでゲーム配信ができるようになった。

 情報お漏らしはなんとか許されたらしいので一安心。

 問題があるとすれば……。


「むきー!」


 私は壊滅的にゲームが下手くそという事だ。

 いや、テレビゲームって長らくやってなかったからさ……なんだこの映像、もう実写じゃん。

 私の脳みそがバグる!


『また死んでるw』


『耐久配信になりそうですねぇ』


「いや、このダークネスソウルってゲーム難しすぎるでしょ!」


 以前リスナーさんからお勧めされたゲームだが、チュートリアルボスが強すぎて勝てないのだ。

 パリィなる技で攻撃をはじくのも難しく、諦めて回避と攻撃に専念して見れば範囲攻撃で死ぬ。

 挙句の果てにボーナスアイテムで貰った火炎瓶を使っても1割も削れないのだ。

 そしてそれすらも使い果たし、今は自力で頑張っている。


『でも半分まで削れるようになってるな』


 リスナーのコメントが温かい……。

 実際徐々にダメージを与えられるようになってきている。

 だが問題は私が覚えてる範囲でしか攻撃に対処できていないという事。

 ネタバレをされたが、第二形態があるとかなんとか。

 まだそこに至っていないので、この先も何回も死ぬのだろう……。


「ふー、ふー……」


 カシュッ、グビグビ……。


『何開けたw』

『この音……エナドリのホワイトバッファローと見た』

『エナドリソムリエいるの草』


「よくわかるなぁ、大正解だ」


 謎のソムリエに感激しながら更に二本の缶をあける。

 カシュッカシュッ、タポタポタポタポ……。


『お、おい?』

『今の音はホワイトバッファローとストロング100か!』

『酒クズソムリエでもあったか……』

『まて、今注いでたよな?』

『まさか……』


「ぶはー……やっぱりこのストロングと白牛カクテルは最高だな! 気分が高揚する!」


 五臓六腑に染み渡る酒とカフェイン、そしてアルギニン。

 それらが私の勘をさえわたらせる。

 缶だけにな!


「いくぞー!」


 チュートリアルボスの第一形態の動きは覚えた。

 足りなかったのは反射神経と覚悟。

 ならばそれを酒とカフェインで補うまでよ!


『う、うまい……』

『動きがまるで別人だ』

『これがカクテルの力か』


「ふぅ、これが噂の第二形態か……見切った!」


 パリィ、初めて成功したが高揚感はそのまま戦闘への集中力に変える。

 次の手は予想できる。

 一つ、巨大化した腕での薙ぎ払い。

 二つ、第一形態でも使っていたハルバードでの刺突。

 三つ、パリィ不可能な特殊攻撃。

 このモーションから考えられるのは……三つ目!

 走る、そして敵の攻撃圏内から外れつつ、そして画面の揺れに合わせて回避をする。

 瞬間、先程までゲームキャラが立っていた場所から巨大化した腕が飛び出してきた。

 なるほど、地面を潜っての攻撃だったか。


『初見であれを避けた!?』

『数多くのライバーが憤死しそうになったあの技を……』

『切り抜きに入るかと思ったらそんなことなかった』


「これで終わりだ!」


 最後の一撃、長く見えたそのライフバーも残り1mmも無い。

 そこに向けて攻撃を繰り出すには距離がありすぎて反撃を貰う危険性があった。

 だからこそ、とっておきの秘策を使った。

 石ころ、攻撃力はほぼないに等しいが敵をおびき寄せるために使う事ができるアイテムだ。

 それを投擲した。

 計算上これで……よしっ!


『最後の一撃は石ころ』

『切ない……』

『計算したというのか!』

『8888888888』


「計算あっててよかったぁ」


『は?』

『計算?』

『何を?』


「敵のライフ、ダメージ数値化されるじゃん? それで削られるライフバーの量から大体の総量は計算できるから。試行回数も多かったし、最後は酒とカフェインに助けてもらったけど……勝てたぁ!」


 得も言われぬ充実感。

 強敵を打ち破った満足感。

 そして程よい疲労感がたまらない。


「あー、このまま晩酌して風呂入って寝たいな……こっから雑談でいい?」


『お、おう』

『まだ飲むのか?』


「あの程度飲んだうちにも入らんよ。とりあえず適当に飲むか。ちょっと待っててな」


 そう言って台所に行く。

 つまみは……配信中だしスモークチーズとハムでいいか。

 酒は同期のアナから貰ったスピリタス。

 それを画面の前において写真を撮り、ぺけったーにアップしつつ画面にも載せる。


「とりあえず適当にあった物持ってきた」


『待てその酒はマズい』

『消毒液超えを持ってくるな』

『晩酌ってなんだっけ?』


「これそんなに不味いか? 結構好きだぞ」


 グビグビとラッパ飲みする。

 喉が焼ける感覚がたまらん!

 そのまま胃がカッと熱くなるこの感覚も最高だ!


『まさかラッパ飲みしたのか?』

『酒を注ぐ音がしなかった……』

『恐ろしや……』


「このくらいならリットルで飲めるぞ。流石に二日酔いになりそうだからやらんけど」


『普通は死ぬのよ』

『設定上の不老不死がリアルに思えてきた』

『切り抜き確定』

『というか中身は水だったりして』

「んなわけあるか。ちょっと待ってろ? えーと、スマホのここを押して……あ、これはコップに入れた方がいいのか。それでライターで……よし」


 火のついた酒を動画に撮り、そのまま飲む。

 アナに教わった飲み方だが、正直普通に飲んだ方がいいわこれ。

 そこまで熱くないけど、炎が邪魔だわ。

とりあえず映像をぺけったーにアップしつつこれも画面に共有して映しだす。


「ほい、証拠な」


『人間じゃねえ……』

『それショットグラスでやるもんだぞ』

『なぜ咽ない』


「私の場合こういう酒よりも甘い系のカクテルとか日本酒の方が酔いやすいんだよな。だから実際に晩酌するならそっちにするけど、今は配信中、つまり仕事中だから酔わない酒を選んだんだ」


『真面目だなぁ(思考放棄)』

『仕事中に酒を飲む……?』

『まぁ飲み屋とか配信者なら飲むが選んだ酒がな』

『でもウォッカより日本酒の方が酔うのはわかる』


「酒はいいぞ……昔飲んだ雀酒は最高だったなぁ」


 あの時は三日三晩飲まず食わずだったからより一層沁みるものがあったともいえるが、本当に美味かった。

 虫とか木の葉が浮いてたが、そんな事関係なく甘美だったなぁ。


『雀酒?』

『何歳だよマジで……』

『伝説の酒じゃねえか!』


「あ、良い子は見かけても飲むなよ? 雑菌とかやばいから」


『飲まねえよ!』

『むしろどこで飲めるんだよ!』

『雀酒?』


 あとは猿酒なんかも美味かったが、この話は割とタブーに近いから黙っておこう。

 最近はそれなりに美味い酒が転がってるからなぁ。

 わざわざ森まで探しに行かなくてもいいのが助かる。


「あ、あと私有地に勝手に入るなよ。山ってだいたい誰か持ち主いるから」


『山菜とかタケノコでトラブルになるやつだな』

『ばーちゃんも徘徊して山に入らないでね?』


「あぁ、私は山持ってるから大丈夫。この前猪狩ってきた。解体配信やろうとしてマネージャーさんに止められたよ」


『マネさんぐぅ有能』

『過去例を見ない配信なんだが?』

『少なくともVがやることではない』

『山と狩猟免許持ちかよお前!』

『愛銃何?』


「その辺は詳しく語れないけど、アメリカに住んでた時はコルト・アナコンダ使ってた。ライフルだとへカートがしっくりきたな。アニメの影響でいろんな伝手使って手に入れたけど、あれは最高だった」


『対物ライフル!?』

『何を撃つつもりだったんだ……』

『そりゃ戦車だろ』


 あれはいいものだったなぁ。

 今は古い友人に預けてあるけど、狩りに使ったら獲物が木っ端みじんになってなぁ……。

 肉も皮も使い物にならなくて怒られたものだ。

 まぁ食べられる部位は食べたけど。

 供養としてそのくらいはね。


*****

ヤオ・ヨロズ @yaoyorosu

いのししおいしい


*****


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