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オフコラボだよ

 さて、今日の配信だが……。


「とりあえず一通りゲーム機買ってきたんだがセッティングがわからんのでマネージャーさんをお呼びした」


『初コラボがマネさんとは恐れ入った』

『裏方さん呼び出してやるなよw』

『予想の斜め上で流石婆様だな』

『俺等も鼻が高いよ』


「どこ目線だお前ら」


 ともあれ、今マネージャーさんがセッティングをしてくれているはずだったのだが、困った顔で私を見ている。

 ずっと後ろに立って、沈黙しながら私を見ているのだ。


「あのー、喋ってもいいですよ?」


「では僭越ながら、ヤオ・ヨロズさんのマネージャーをしています。アルマと申します。あ、日本に帰化してから三世代目なのでどうぞよろしくお願いします」


『はえー、グローバル』

『声からしてできるマネージャーさんだな』

『声がいい……推せる!』


「お前ら誰でもいいんだな……」


「そんな事よりヤオさん」


「はい、どうしました?」


「この家にあるブラウン管テレビだとあのゲーム繋げないです」


「ばかな……」


 たしかにあのテレビは年代物だ。

 昭和の中期くらいから使ってたが、まだまだ現役で行けると思っていたのに……。


『ブラウン管だと……?』

『アナログ放送終わって久しいぞ……?』

『リモコンの無いタイプだったりしてw』


「おいおい、リモコンくらいちゃんとあるぞ? ボタンを押すとカチカチとダイヤルが回るんだ」


 このリモコン出るまでチャンネル変える時はテレビの前に行ってダイヤル回さなきゃいけなかったからなぁ。

 便利な世の中になったものだ。


「申し上げにくいのですがヤオさんの使ってるテレビは骨董品通り越して博物館行きの代物ですよ? 未だにモノクロのテレビで、アンテナ直付けとか初めて見ました。わざわざチューナーつけてまで使い続けるようなものじゃないです」


「え? でもまだ使えますし……」


「使えてないから問題なんです。ゲーム機繋げないテレビで配信者ができると思わないでください! どうしてもというならPCで遊ぶという手段もありますが……」


 歯切れが悪い。

 何か言いたげだが、言ってもいいのか悩んでいる様子だ。


「言ってもいいですよ。何かあるんですよね」


「じゃあぶっちゃけますが、PCで購入してダウンロードしてアップデートして起動、できますか?」


「無理ですね。テレビの方のやり方も調べてて頭痛くなりましたし」


「ですよね。なので今回はお勧めのテレビを視聴者さんに聞きましょう。相談系雑談配信というやつです」


 なるほど、それなら時間も潰せるしいいな。

 今日はマネージャーさんに来てもらう都合で昼からの配信だったけど、時間的にあとでテレビを買いに行くこともできる。

 何なら今日はうちに泊まってもらってもいいくらいだ。


「というわけでお前ら、介護士なら何か良いテレビないか教えろ」


『アンテナ付きのテレビからとか時代どれだけ飛び越えたよ』

『大体半世紀くらい……?』

『ねーよw』

『もうテレビじゃなくてモニターとスピーカーでええやん』


「あぁ、確かにその方がキャプチャーはやりやすいですね。でも生活必需品ですし……」


「まぁ……配信時間外は基本的にテレビ見るか読書、あとバイトくらいですし」


「ヤオさん? あのですね、プライベートの事はあまり口にしない方がいいですよ。身バレに繋がりますから」


「身バレ?」


「今こうしてVの姿で配信しているでしょう? その正体がバレてしまうという事です」


「あー、ストーカーとかそういうトラブル」


 たしかに一時期そういうのに追われてた時期があった。

 結婚を申し込んできた武士とか、これから戦地に向かう兵士さんとかに。

 前者はお断りしたら切りつけてきたからぶっ飛ばしたっけ。

 後者は……せめて帰るための理由があれば生き延びられる気がする、って言ってたから不承不承で了承したんだっけかな?

 結局帰ってこなかったけど。


「というわけで、リアルの話はほどほどでお願いします」


「禁止じゃないんですね」


「面白い話なら別に構いませんよ。身バレに繋がらない、例えばバイト先の上司がとか、どこそこに住んでいるとかそういう話をしなければ」


「あー、事務所の話は?」


「内部情報を漏らさなければ大丈夫です。例えば未発表の新人やライブの話をしなければ」


「なるほど、割と緩いんですね」


「比較的、ですが緩いのは確かです。問題はその範囲を逸脱する人もいるという事ですけど、幸いスターライブからはそういった人は出ていません。前歴なども含めて一通り洗ってますし」


 こわっ。

 私の前歴も調べられてるのか?

 だとしたらどこまで……私過去に悪いことしたっけ。

 あんまり覚えてないけど……あ、人魚の肉のつまみ食いくらいか?

 それ以外は本当に覚えてない。

 200年以上前になってくると記憶があいまいでなぁ……衝撃的だったことは覚えているけど、そんくらいだ。


『こわっ』

『まぁ不祥事多い業界だしな』

『アイドルみたいな面もあるししゃーなし』

『その点スターライブは有能だな』

『誹謗中傷以外はな』


 ほほう、リスナーのコメント見る限りそんな感じの評価なのか。

 まぁ悪くないのかな?


「じゃあ社長の悪事でも暴露する?」


「やめてください、洒落にならないので」


「ですよねー」


『おい社長何やった』

『でもあの社長なら……』

『誘拐くらいはしてそう』


「実は私誘拐されて無理やりVtuberに……」


「嘘ですからね! リスナーの皆さん嘘ですからね! 普通にスカウトです!」


「冗談なのに……」


「あの人の場合冗談にならないからマズいんです!」


 たしかに……あの社長なら誘拐くらいは普通にやりそうだ。

 下手したら殺人くらいは許容するだろうな。

 強盗みたいなことはしないと思うけど、一企業の社長というよりマフィアのドンって感じだし。


「でもそういう手段でスカウトする事あるんじゃないですか?」


「……いえ、そんなことないですよ?」


「目を見て言ってください」


『社長ぇ……』

『マジで?』

『もしもしポリスメン?』


「いや、本当に真っ当な手段でスカウトしてますからね? 最近はアイドル事務所から……あっ」


「情報漏洩ですね。再就職先の希望があれば紹介しますよ」


「……いざという時はお願いします」


『マネージャーさんがんばえー』


 こうして今日のオフコラボ配信は終了した。


*****

ヤオ・ヨロズ @yaoyorosu

てれびちゅうもんしました

もにたーも


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