第94話【頼もう!】
「頼もう!」
アリスが大声で言った。
「急に、うるさいな。びっくりした」
エースが耳を押さえながら言った。
「ごめんて。でも、それ以外にどうやって入るの?」
アリスは、エースに尋ねた。
「あの…とりあえず首を治す方法を…」
エースは、上を向いたまま言った。
「魔法でなんとかなんないの?」
アリスがみんなに訊いた。
「治癒魔法があるよ」
フィリアが言った。
「じゃあ、早く治してくださいよ。っていうか、早く言ってくださいよ」
エースがフィリアを急かした。
「今回は、特別バージョンで」
フィリアが指をポキポキ鳴らしながら、エースに近寄ってエースの頭を持った。
「ちょ、怖いんですけど……ぎゃぁぁぁ!」
エースの叫び声とグギッという音が響き渡った。
「うぅ…痛い…」
エースが首を押さえて泣きながら言った。
すると、目の前のドアが不気味な音を立てて勝手に開いた。
「君たち、うるさいよ!あと、さっさと入ってこいよ!」
高さは4m、デブで横幅もそこそこ大きく、上半身は裸でマント1枚。ムエタイのパンツみたいなズボンを履いた紫色の身体をした魔物が出てきた。
「ごめんなさい、やり直しますのでもう一度中に入って待っててください」
フィリアが魔物を部屋の中に戻した。
「ここが、小ボス"サブロー"の部屋…」
何も無かったかのように、アリスが言った。
「く、首がぁー」
エースが棒読みで言った。
「あ、首の下りはいらないんで…。また長くなるから」
小ボスがドアを開けてエースに伝えた。
「すいません…」
エースが素直に謝った。
「もういいよ、入って…」
痺れを切らした小ボスがエース達を部屋に招き入れた。
のそのそと小ボスは、歩いて部屋の奥の椅子に座った。
「ハッハッハッ!我の名は、サブロー。お前たち!ここへ何しに来た!」
サブローが魔王のように威厳のある声で言った。
「お前と戦いに来た、それだけだ!」
エースがサブローを指して言った。
「フッ!我を倒すだと?100年早いわ!」
サブローが魔物のように言った。
「別に、倒すとは、まだ言ってない!」
エースが大声で言った。
「ん?戦うって言うことは、倒すってことじゃない?」
サブローの威厳が無くなった。
「そうだけど…あとで、言おうと思ったの!カッコつけるとこだったの!」
エースが小学生みたいに言った。
「ごめん…」
サブローが謝った。
「何やってるの?!早く倒すよ!」
アリスが剣を抜いた。
「待て待て待て待て待て」
サブローは、焦った。
「何よ!」
アリスがキレ気味に言った。
「我と剣で戦って、勝ったことが無い!」
サブローが大声で言った。
「ん?勝てたものはいないじゃないくて、勝ったことが無い?」
フィリアが眉をひそめて言った。
「だから、我と……野球拳で勝負だ!」
サブローがドヤ顔で言った。
「「「なんでよ!」」」
女子3人が揃って言った。




