第93話【第二関門】
「ここを通りたくば、私を倒していけ」
エース達の前にヒョロヒョロの老人が現れた。
「これまた、よく歳を取られてらっしゃる方が…」
アリスが小声で言った。
「よくぞ、第一関門を突破したな。これからは、第二関門だ」
老人が言った。
「第二関門だと?!」
エースが驚いた。
「私は、素手で熊を1匹半倒した男だぞ。逃げるなら今のうちだぞ」
老人が自慢げに言った。
「1匹半だと?!……1匹半って何?」
エースはビビっていたが一瞬で気が抜けた。
「1匹は、素手で倒したがもう1匹は瀕死の状態まで追い込んだが、そいつに喰われた…」
老人は、悲しそうに言った。
「あ、だから幽霊なの?」
フィリアが足の無い老人に言った。
「いや、違う。熊に喰われたが、剣を使って無傷で倒した」
老人が言いづらそうに言った。
「じゃあ、なんでお亡くなりに?寿命?」
マリーネが言いづらそうに言った。
「いや…寝てたら口の中に埃が入ってきて……窒息死?になるのかな?」
老人が残念そうに言った。
「……なんか、ごめんなさい」
アリスは、意味も無いのに謝った。
「いいよいいよ、もう40年前のことだかうぅ…(泣)。」
老人が泣き出した。
「そりゃあ、悔いが残って彷徨うわな…」
フィリアが同情した。
「すいません、先に進んでいいですか?」
エースが空気を切り裂いた。
「うぅ…(泣)。もういいよ。通って…うぅ…(泣)。」
老人が泣きながら言った。
「あと、1匹半は1匹です。話を盛らないでください」
エースが老人に強めに言った。
「ごめんなさい…」
老人は、負けた。
「なんで、急に当たりが強くなったの?」
フィリアは、エースに訊いた。
「どうしても、許せなかったから…」
エースは、言った。
「なんで?」
アリスが目を丸くした。
「あと、なんかホイスーさんに泣き方が似てたから…」
エースは、言った。
「なるほど、察した…」
フィリアが頷きながら言った。
「いよいよ、小ボスとの戦いね」
5メートル程の大きさがある扉の前に立ったアリスが言った。
「扉にかかってる看板が気になりすぎる」
エースが扉の上の方を見た。
「可愛い看板に『サブローの部屋』って書いてあるんだけど〜。ウケる」
笑いながらフィリアが言った。
「さて、どうやって扉を開けるかな…」
上を見あげてマリーネが言った。
「3メートルくらいの位置にあるよ?ドアノブ」
フィリアが見あげて言った。
「どうしよう…」
エースが上を向いて首を押さえながら言った。
「ジャンプ?」
アリスが皆の方をみて言った。
「そんな大ジャンプできるのは、バネ人間くらいよ」
エースが上を向いたまま、身体だけアリスに向けて言った。
「なんで、上向いたまま話してるの?」
フィリアが疑問に思った。
「どうしよう…首を負傷して、首を動かせない…痛い」
エースが泣きそうになりながら言った。
「もしかして、さっきの"どうしよう"ってまさか…」
アリスが何かを想像しながら言った。
「うん。首がボキッて言って、首を動かせなくなったから…」
エースが、涙を流しながら言った。
「なにしてんねん!」
マリーネが思いっきりツッコんだ。




