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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
5章 サラマンダー大陸
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第92話【第一関門】

「怖っ!」

虹を登り始めてしばらくしたとき、下を見てしまったアリスが震えた。


「高っ!」

声につられて下を見てしまったエースが言った。


「見て、アソコにジジイがいる!」

フィリアが指を指した方に仙人のような人が座っていた。


「ここを通りたくば、私が出すミッションをこなしてみろ!」

年季の入った声が言った。


「よーし、かかってこい」

マリーネが挑発した。


「では、まずはそこの赤髪のペチャパイ。前に出ろ」

仙人がアリスを指名した。


「誰が、ペチャパイよ!…で?ミッションって何?」

アリスは、仙人の言う言葉が納得いかなかった。


「お前のミッションは……猫の真似を可愛くやってみよ」

威厳を一瞬で崩して仙人がアリスに言った。


「え、何それ?」

アリスは、引いた。


「はい、3、2、1…」

仙人が急かすようにカウントダウンをした。


「にゃ、にゃ〜ん♡」

アリスの思う最大の可愛さで猫の真似をした。


「かわいい…」

エースは、目がハートになっていた。


「よし合格!通ってよし」

仙人がアリスを通した。


「よし、次は…そこの白髪の子」

仙人がマリーネを指名した。


「私へのミッションは、なんだ!」

マリーネが1歩前に出て言った。


「お前へのミッションは、バスト、ウエスト、ヒップを正直に言ってみろ。嘘をついたら虹から落とすぞ」

仙人がマリーネを脅した。


「…!なんてハレンチな」

マリーネは、顔を赤らめて言った。


「さぁ、言ってみろ!」

仙人がスケベな顔をして急かした。


「…90、60、85」

マリーネが小声で言った。


「…よし、嘘は付いてない。通ってよし!」

仙人がマリーネを通した。


「なんだろう。なんか、最近ピンクな話多くない?この作品…」

エースが小声でボソッと言った。


「この様子だと、ここを通るのは、簡単そうだね」

フィリアがエースに言った。


「そうですね」

エースが頷いた。


「では、そこのエルフ。前に出なさい」

仙人がフィリアを指名した。


「お前へのミッションは、じゃんけんで私とあいこになれ」

仙人が手を出した。


「何?意外と難しいやつではないか?」

フィリアは、動揺した。


「じゃーんけーん、ポン!」

仙人の合図とともに2人が同時にグーを出した。


「よし!合格!」

仙人がフィリアを通した。


「では最後、唯一の男子よ。前に出ろ」

仙人がエースを指名した。


「大丈夫、これまでの傾向的にそんなに難しいミッションは、無いはずだ」

エースは、少しビビる自分に言い聞かせた。


「お前へのミッションは………よし!ここから落ちろ!」

仙人が簡単に言った。


「………ん?なんだって?」

エースは、混乱した。


「だから、この虹から落ちてみろって言ってるの」

「ん?なんで?僕だけ、命懸け?」

「ここから落ちない限りお前を通すことは出来ん!」

「いやいやいやいやいやいやいやいや!無理っしょ?」

エースが首を振った。


「なんで?」

仙人が尋ねた。

「なんでって…なんで?」

エースが尋ねた。

「いや、こっちがなんで?」

仙人が尋ねた。

「いやいや、こっちがなんで?」

エースが尋ねた。

「いやいやいや、こっちがなんで?」

仙人が尋ねた。

「いやいやいやいや……だからなんで?」

エースが目を丸くして仙人に訊いた。


このやり取りは、数分続いた。


「なにしてんの?!早くして?」

先に通ったアリス達が大声で怒鳴った。


「いやいやいやいやいや、なんで?僕が怒られないといけないの?」

エースがアリス達に言った。


「ごめんて」

アリスが謝った。


「で?なんで、落ちないといけないの?」

エースは、仙人に改めて尋ねた。


「……よし、君の耐久力は並では無い。合格だ!」

仙人がエースを通した。


「いや、なんの時間だった?時間を無駄にする時間だったの?」

エースは、仙人を通り過ぎた後、ツッコんだ。



結局、仙人とエースの「いやいやいや」対決は、1時間にも及ぶ激闘だった。

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