第85話【解決】
「さて、どうしたものか…」
エース達は、アセトアルテヒトから離れた位置で作成会議をしていた。
「なんで酔っ払いのくせに攻撃が当たんないんだよ」
アリスは、ジタバタしながら言った。
「多分あれじゃない?酔拳みたいな…」
エースがアリスに言った。
「なるほど…」
アリスは、納得した。
「すいけんって何?」
フィリアは、知らなかった。
「酔拳というのは、異国の技みたいなもので、まるで酒に酔っ払ったかのような独特な動作が特徴的なやつです 」
エースは、フィリアに酔拳について説明した。
「だからあんなに、のらりくらりと…」
フィリアが難しい顔をした。
「そう淡々と、だけど燦々と、見えそうで見えない秘密は蜜の味」
エースがフィリアの言葉に続いて言った。
パシンと良い音を立ててエースの頭をアリスが叩いた。
「さて、どう倒すかが問題よね」
アリスが何事も無かったように話を続けた。
「なにかいい方法ある?」
フィリアがマリーネに訊いた。
「そんな、絶対絶命のピンチな時に、なんと!なんと!私…新しい魔法を手に入れたよ」
マリーネが自慢げに言った。
「どんな魔法?私にかけて」
アリスが欲しがった。
「よかろう。エイッ」
マリーネがアリスに向かって手をかざした。
「なんだろう…味噌汁が飲みたくなったような…」
アリスが味噌汁を欲した。
「よし、成功」
マリーネがガッツポーズをした。
「いつ使うの?というか、いつ使えるの?」
フィリアは、真剣にマリーネに尋ねた。
「私は、この魔法を【スープ】!そう名付けたよ」
マリーネは、自慢げに言った。
「そのまんまじゃん!」
エースがツッコんだ。
「今日の夕飯、味噌汁食べたい」
アリスは、【スープ】にかかったままだった。
「でもまぁ弱点があさり・しじみ汁だったから、もしかしたら使えるかもよ」
エースは、頑張ってフォローした。
「よし、この最強魔法を使ってアセトアルテヒトを倒すぞ〜」
マリーネは、やる気満々だった。
「まだ吐いてるよ…」
カンシンノナイ湖に再び訪れた時、アリスが言った。
「あれが、水質汚染の原因なのか」
渋い顔をしてエースが言った。
「行くぞ!」
エースの掛け声で全員がアセトアルテヒトに向かった。
「おりゃあ!」
アリスが剣を振りかざした。しかし、当たらなかった。
「【スープ】!」
マリーネが魔法を唱えた。
「なんか…味噌汁…食べたい…」
アセトアルテヒトが指を咥えて言った。
「やっぱり、意味無いじゃない!」
フィリアがツッコんだ。
「もう1回【スープ】!」
マリーネがまた魔法を唱えた。
「…なんか、味噌汁…食べたい…」
アセトアルテヒトの動きが止まった。
「やっぱり!この魔法をかけると一瞬相手の動きが止まるよ!」
マリーネが全員に伝えた。
「えーい!【ヒール】!」
フィリアが回復魔法を使った。
「ウゥォォォ!」
回復魔法を喰らったアセトアルテヒトは、姿が消えてしまった。
「あ、回復魔法で二日酔いが治ったらしい…。あと僕、まだ何もしてないのに…」
エースは立ち尽くして言った。
アセトアルテヒトが消えると、淀んでいた水が浄化され始め、数分で綺麗な水に戻った。
「まぁ、一件落着ですね」
エースが全員に言った。
「よし!村に戻って報告だ!」
アリスが嬉しそうに村へ戻り始めた。
「味噌汁食べたいなぁ…」
アリスは、ボソッと言った。




