第64話【雲隠れの術】
「行ったみたいよ」
フィリアがエースに言った。
「ふぅ…危なかった」
エースは、そう言いながら"カーテンウォール"を解いた。
「さすがの判断ね、まさか路地裏に入って路地裏の入り口に壁を造って消えたようにみせるなんて私には、思いつかないわ」
フィリアは、言った。
「説明ありがとうございます。
僕も咄嗟の判断でやってみたんですけど成功すると思いませんでした」
2人は路地裏で休憩をした。
「これからどうするの?」
「そうですね、城の人達にはもう顔バレしてしまいましたし…この街には居れないかもですね」
「嘘でしょ?私まだ、この街のスイーツ食べてないんだけど?」
「まだ、食べるつもりだったんですか?この前、太っ…ふんぐっ」
フィリアは、エースの腹にパンチした。
「それ以上言ったら、脳揺らすわよ?」
フィリアは、ニコりとしながら言った。
「すいませんでした…」
エースの背筋に冷たいものが走った。
「しかし、どうしましょう?恐らく、この街では指名手配されてるでしょう。門を潜ることすら出来ないでしょうね」
エースは、話題を戻した。
「じゃあ、逃げられないじゃない」
フィリアは、大きい声で言った。
「フィリアさん、声が大きいです」
「ごめんなさい」
「どうやって逃げるのよ」
フィリアは、声を小さくして言った。
「街を囲む壁を壊して…」
「もっと、注目を集めるじゃない!音でバレるわよ」
「そっか…」
2人は、頭を抱えた。
「見つけた!」
エースの声でもフィリアの声でもない女の声がした。
2人は心臓が止まりかけた。
声の方をみると、聖騎士団の服を着た人が立っていた。
(終わった…もう1回転生させてくれないかな…神。)
エースは、心の中で諦めていた。
「ようやく見つけた、エース」
しかしエースは、この声に聞き覚えがあった。




