第63話【ボウリング】
「この後、どうするの?」
フィリアは、走りながらエースに訊く。
「作戦がバレてしまったのなら、プランBだ!」
エースは、走りながらフィリアに言った。
「プランB?聞いてないんだけど?それ」
「言ってないですからね。プランBは、正面から城にカチコミを入れるという案です!」
「バッカじゃないの?そのアリス?ちゃんが何もされてなかったらどうするの?」
「その時はその時です!」
「体当たり過ぎるでしょー!」
2人は時速40kmで逃げながら次の作戦会議をした。
「なんだあれ!?」
「魔物か?」
街ですれ違う人全員に注目を浴びていた。
「城が見えてきた。そのまま突進です!」
エースは、ギアを上げた。
「待ってよ、エース」
フィリアもエースのスピードについていく。
時速55kmで城に入った。
門、扉、そして門番、全てを蹴散らした。
「なんだ、お前ら!急いで王に報告しろ!」
城に入ってすぐたまたま通りかかった兵士たちに見つかった。
「止まれ!」
エースとフィリアの前に槍を持った兵士が10人程並んで構えている。
「おいおい!止まれと言っているだろー!」
兵士に向かって2人が突っ込んだ。
兵士達がボウリングのピンのように飛んでいった。
「ストライク!」
エースが嬉しそうに拳を握りしめた。
ぶつかった衝撃でエースの頭から血が流れている。
エース達は、城の入り口にいた兵士と黒服のSP達を倒していた。
「エース、さすがにやりすぎだと思うよ」
フィリアは、周りを見渡しながら言った。
「そうですね、引き返しましょう」
エースは、息を整えながら言った。
今度は、人並みのスピードで走り出した。
「そこまでだ!」
城を出た瞬間、酒場で遭遇した兵士と酒場にいた人達と鉢合わせた。
「やっべ」
エースは、少し焦った。
振り返ると、城から来た兵士たちに道を塞がれていた。
「どうするの?挟まれたわよ」
フィリアが不安になり、エースに言った。
エースが辺りを見回すと、勝ち筋が見えた。
「【煙幕】!」
エースは、新しい魔法を唱えた。敵の視界を奪う魔法を。
「フィリアさん、あそこに逃げましょう」
エースは、フィリアの手を引いた。
真っ白な世界に兵士達は、どうすることも出来なかった。
煙が晴れると兵士達の前にフィリアとエースの姿はなかった。
「消えた…?いや、まだ近くにいるはずだ!探せ!」
兵士達は、手分けをして街を探し始めた。




