第62話【パァ〜】
「甲冑を着た兵士は?」
フィリアは、エースに訊いた。
「…いないですね」
エースは、スタートから振り出しに戻った。
「計画が全てパアーになった…」
城の前に行くと、門の前には甲冑を着て槍を持つ兵士…ではなく、真っ黒なスーツと真っ黒なサングラス姿で頭が輝いている人達がいた。
「一旦、戻りましょう」
エースは、フィリアに退避命令を出した。
2人はいつもの酒場に帰ってきた。
「あれでは、顔を隠せないので別の方法にするしかないですね…」
「変装してもすぐバレるもんね、あと私達ハゲてないし…」
「……」
沈黙続いた。
すると、勢い良く酒場のドアが開かれた。
「おい、エース!出てこい!」
皮肉にも甲冑を着た兵士が大声で叫んだ。
「おい!出てこいと言ってるだろ!王の命令だ!出てこないとその場で処分する!」
兵士は、酒場を見渡した。
しかし、エースとフィリアはドアの目の前の席にいた。
「これ、入れ替われるんじゃね?」
小声でフィリアに伝えた。
「でも、王様は、エースを探しているようだよ?なんかした?」
「いや、まだ何にも……もしかして、計画がバレた!?」
「でも、どうやって伝わったの?」
フィリアとエースは、小声で会話をしていると周りが静かになった。
「ん?全員がこっちをみてる…」
エースは、気づいた。
自分達が大声で作戦会議をしていたこと、そしてこの酒場に来る人は、全員が王の味方の人達だということに。
「私達、終わったわね…」
「なるようになるさ。ケセラセラ!」
2人は小声で話を続けた。
「そこにいたのか!」
兵士がエースの位置に気がつき、近づいてきた。
「一か八かの【テレポート】!」
エースは、ランダムで瞬間移動ができる魔法を使った。
2人の姿は、席から消えた、思ったら現れた。
「よしこれで逃げれる……痛っ!」
エースが油断して酒場を出ようとした瞬間、鉄にぶつかった。
「あれ?」
エースは、混乱した。
移動したはずなのに3歩後ろにはさっきまでいた机と椅子があった。
ぶつかった鉄を見上げてみると顔があった。
「ちわーっす……へへへ…」
目があったので挨拶をした。
エースは、プロバスケ選手のように目の前の兵士を躱した。
ここにきて、ホイスーのランメニューが役に立った。
兵士がエースに注目している間にフィリアは、逆側から兵の後ろに回った。
ほんの数秒で2人は兵士の後ろに回った。
「逃げろーー!」
エースの合図で2人は一目散に走り出し、酒場を出た。
「皆の者!追えぇぇ!」
兵士の合図で酒場にいた人全員が追いかけ始めた。




