第46話【初の依頼】
「君たちにお願いがあるんだ」
クロースは、頭を下げた。
「顔をおあげ下さい、クロースさん。お願いとは…なんですか?」
フィリアが返事をした。
「実は、倒して欲しい魔物がいるんだ…」
クロースは、真剣な眼差しだった。
(良かった、能力がバレた訳ではなかった…)
エースは、ホッとした。
「その魔物とは、どういったもので?」
エースがホッとしている間にフィリアが訊いた。
「最近、勢力を上げてきている魔物でな、半年前この街の聖騎士団に依頼してみたんだが…倒すことが出来なかったヤツなんだ」
ため息混じりで、クロースは説明した
エースは、顔を顰めた。聖騎士団という言葉に聞き覚えがあったから。
「聖騎士団とはなんですか?」
フィリアが訊いた。
「聖騎士団とは、この街の平和を守っている剣術使い達の財団のことだ」
クロースは、フィリアに説明した。
「なるほど、しかしその方々で倒せないのであれば私達には、到底無理な話では無いでしょうか?」
フィリアが、エースの代わりに訊いた。というより、フィリアも同じことを思っていたらしい。
「先程も、説明した通り、聖騎士団は、剣術使いの集まりで、魔術を操れるものがいない。だから、共闘して貰うことになるだろう」
クロースは、腕を組みながら言った。
「ならば、ほかの魔術師でも…」
「この街に、Dランク以上の魔術師がおらんのだ」
フィリアが他にもあてがあるだろうと言おうとしたが、クロースに遮られた。
「…分かりました」
断り続けても埒が明かないので、エースは承諾した。
聖騎士という言葉に引っかかったという理由もあった。
「ありがとう、エースくん。恩に着るぞ」
クロースは、ご満悦のようだ。
「明日には、出発してくれ。それと、君たちの他にも、ランクは低いが魔術師のパーティーを用意してあるから、今日の内に合流してから、明日向かってくれ」
クロースは、立ち上がりながら言った。
「分かりました」
エースも、立ち上がってから返事した。
「ギルド内にパーティーメンバーは、いるはずだから顔合わせはしておいてくれよ」
クロースは、エースに向かって進みながら言った。
「分かりました」
クロースとエースは、熱い握手を交わした。
エースとフィリアは、ギルド長室を出てギルドのホールに向かった。
「ほんとに、良かったの?こんな重たい仕事を請け負って…」
フィリアは、エースを心配そうにみた。
「つい、昔の癖で…まぁ、何とかなるでしょう」
エース(石田奨大)は、人の為に尽くすタイプだった。
「だいぶ、ノー天気なのね…あ、あの人たちじゃないかしら」
ホールの中にいる人に向けてフィリアが指を指した。




