第41話【王都観光】
「気のせいかな?」
エースは、混乱した。
エースを呼んだ声は、1週間前まで聞いていた声だったから。そして、王都にいるはずがなかったから。
「久しぶりー!エース!」
その声は、気のせいではなかった。
エースが振り返ると、そこにはエルフ耳の見慣れた顔があった。
フィリアだ。
「な、なんで、ここにフィリアさんがいるんですか?」
エースは、目を丸くしていた。
「ふふ、驚いたでしょ?ついてきちゃった」
フィリアは、とても笑顔だった。
「ホイスーさんは、どうしたんですか?」
エースは、フィリアに訊いた。
「あんなやつ、二度と会うか」
フィリアの笑顔が一瞬で消えた。
「ホイスーさんと何かあったんですか?」
エースは、恐る恐る訊いた。
「アイツと大喧嘩しちゃって、アイツが絶対悪いのに…
それで、家を出てエースを追いかけて来たっていう訳なのよ」
エースは、この話をこれ以上の深掘りをしなかった。
「ところでエース、冒険者登録した?」
「今、登録しに行ったら、明日試験をするって言われて…」
「じゃあ、私も今から、応募してくる」
そう言ってフィリアは、冒険者ギルドへ走って行った。
しばらくして、フィリアが帰ってきた。
「明日、一緒に頑張ろうね」
フィリアは、一瞬で冒険者登録の応募をしてきた。
「これから、どうする?」
フィリアがエースに訊いた。
「とりあえず、王都を楽しむ予定です」
エースは、目を輝かせながら答えた。
「じゃあ私も」
フィリアは、エースについていった。
「やっぱり、王都は凄いですね」
エースは、フィリアに話しかけた。
「アメーンボ町とは違うわね」
フィリアも同じ気持ちだった。
様々な種族の人が行き交い、商品の種類も豊富な商店街を2人は歩いていた。
「何買おうかな」
フィリアは、目を輝かせている。
「とりあえず、食料を買っておきましょう」
今までに見た事のない珍しい食料をエースは買い集めた。
「ところで、今夜はどうするつもりなの?」
エースは、両手が食べ物で塞がっているフィリアに訊かれた。
「とりあえず、宿泊施設を探そうと思ってます」
周りを見渡しながら、エースは答えた。
「ふーん」
フィリアは、何か思いついたような表情で答えた。
その日の夜
「宿泊ですね、少々お待ちください。」
2人は、宿泊施設を確保することが出来た。
「何部屋に致しますか?」
宿の人に問われた。
「2部屋…」
「1部屋で!」
エースの声は、フィリアの声によって遮られた。
「え?」
エースは、驚いた。
「別に2部屋借りるくらいのお金ならありますよ?」
エースは、戸惑った。
「いや…一緒がいいなって…」
フィリアは、聞こえないくらい小さな声で言った。
「すいません、聞こえませんでした。もう一度言ってください」
エースは、フィリアに聞き返した。
「いや、いくらお金はあっても…やっぱり節約は大事かな〜って」
フィリアは、誤魔化すように答えた。
「そうですか…」
エースは、不思議そうに答えた。
「では、ごゆっくりお過ごしください」
宿の人に案内されて、部屋に着いた。
ベッドが2つでいっぱいの部屋だった。
「明日は早いですし、早く寝ましょう」
エースはベッドに入りながらフィリアに言った。
「そうね…」
フィリアは、少し残念そうにベッドに入った。




