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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
2章 師匠の修行は只事じゃない
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第34話【別れ】

「3ヶ月間、クソお世話になりました。フィリアさん」

エースはフィリアに向かって、足技が強力な麦わら帽子をかぶった少年の一味が、お世話になったコックの元を離れる時のように言った。


「おい、先生は?先生もおるよ」

ホイスーは、自分を指さした。


エースは、無視した。


「いいえ、貴方こそこれからも頑張ってね。育てた子が活躍するのが楽しみだわ」


「はい、頑張ります」

フィリアと熱い握手を交わした。


「あのー、先生は?先生もおるよ」

ホイスーは、エースとフィリアの間に入った。


「あ、すいませんホイスーさん。ありがとうございました。」

エースは、ホイスーの存在に気づいてなかったかのように言った。


「お…おぉ、頑張れよ」

ホイスーは握手を求めて手を出したが、エースはしなかった。

「そ、そんな…最後まで…先生を…」

ホイスーは、泣きそうな顔をした。


エースは、ホイスーと握手した。

「冗談ですよ。本当にありがとうございました。」


「うぅ…ありがとな。」

ホイスーは、結局泣いてしまった。しかし今回は今までの涙とは違った。



泣き止んだホイスーは唐突に訊いてきた。

「何の仕事に就くんや?」


エースは、驚いた。冒険者ギルドで修行を言い渡されてここに来たのに、就きたい職業を聞かれたからだ。

冒険者1択しかないのに。


「え、冒険者ですけど…逆にそれ以外あります?」


「え?」

ホイスーとフィリアは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。


「お前、就職者ギルドからきたやろ?」


「え?」

エースは、訳が分からなかった。



「…え?」

「…え?」

「…え?」

3人の声が揃った。


「まさか、間違えて来たのか?お前は」

「そうらしい…ですね」


「冒険者ギルドの受付で冒険者登録をしに行ったと思ったら就職者ギルドで就活登録したということ?」

フィリアは、ホイスーに向かって言った。


「だから、最初から変な感じだったのか」

ホイスーは、フィリアと顔を合わせる。


フィリアとホイスーは、納得したらしい。どうやらエースは、最初からズレていたらしい。


「では、僕は、王都へ戻ります。ちゃんと冒険者登録をしに」

「おう、頑張れよ。エース・スラッグ。修行が終わったことは既に伝えてあるから安心せえ。まぁ、就職者ギルドやけど…」

ホイスーは笑いながら言った。


「わかりました。それでは…いってきます!」

エースは、元気よく言った。


「行ってらっしゃい!」

フィリアとホイスーが声を合わせて言った。


セイク夫妻に、アメーンボ町に感謝をしながら、アメーンボ町を離れたエースだった。

【修行編】いかがだったでしょうか?

次の章から、エースが王都に戻ります。

この先も色んな展開があるので、読んでいただくと幸いです。

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