第32話【帰ってきたホイスー】
「えー、今日からな、先生が復活するけど、お前、ちゃんと自主練してたか?」
ホイスーが1ヶ月振りに戻ってきた。
「地獄が始まる…」
ふとこぼした言葉をホイスーは、聞き逃さなかった。
「走ってこい。考えがたるんどる」
エースは、町の周りを走らされた。1ヶ月振りの地獄だった。
「はい、お疲れさん。お前、体力ついたな」
今回のランでエースの息が上がることがなかった。
確実に成長していた。
「えー、ほんなら…どのくらいレヴェル上がったか、これを知りたいんやけども……今、レヴェルなんぼ?」
「そうですね…レベル50です」
「おぉ、そうか。50か…まぁまぁやな………え?レヴェル50!?」
ホイスーは,エースの顔を2度見した。
「はい」
「いいい…1ヶ月で?」
「1ヶ月で…ですね」
「早すぎん?」
「そうなんですか?」
「早すぎるやろ」
ホイスーとエースはコメディ的なやりとりをリズム良くしていた。
「1ヶ月で……レベル40アップ?」
ホイスーの顔に、焦りが出ていた。
「はい」
「先生、100年くらいかかったんやけど…」
ホイスーは、今にも泣きそうな顔だった。
「僕は、1、2ヶ月くらいですね」
「1、2ヶ月!?先生要らんくない?」
「そう…ですね…」
「うぅ…(泣)。」
ホイスーは、泣いてしまった。
「いや、まだ師匠から教わることは、たくさんありますよ」
機嫌を取る為にエースは言った。
「おぉ、そうか?」
「はい!」
ホイスーは、機嫌を戻した。単純だった。
「えー、そしたら、体術魔法を教えようと思う」
「はい、わかりました。」
「まぁ、体術魔法は土属性の1つになる。ほんで、お前は土属性も使えるやろ?」
「はい…」
「なら簡単やな」
ホイスーとの体術魔法の修行が始まった……が、半日足らずで習得した。
「ほな、実戦といくか」
2人は、少し町を離れた。すると、どこからか大量の重たい足音が聞こえる。
「あのー、もう少ししたら、ブーの群れが来るから、それを体術魔法で倒せ」
ホイスーは、エースから500mくらい離れたところで言った。
ブーとは、大きな豚の魔物のことだ。力が強くスピードが速い。突進されたら、終わりだ。
するとエースに向かって猛スピードでブーの群れが迫って来ている。
ドドドドドド……
「【ラビットレッグ】!」
跳躍力が高まった。
1回のジャンプで約3mあるブーの群れを飛び越えた。
群れの後ろに回る。
「【ドゥクシ】!」
直接攻撃力が大幅に上がる。
ブーの群れの後ろから、思い切りパンチを喰らわせた。
風圧力で群れ全てが吹き飛んだ。しかし、ブー達は起き上がりまたエースを狙って走り始めた。
「【ピッチクイック】!」
スピードが大幅に上がった。
「そしてスキル【長打力】!」
目にも止まらぬ速さでブーの群れを掻き分けていく。
エースが通るとブーが吹っ飛んでいく。
群れのブーを全て倒した。
「ふぅ〜」
エースは、一息こぼした。
「はい、お疲れさん。もうお前は、完璧や」
エースは、体術魔法を手に入れた。
「おぉ、そうや。このブー達を全て持って帰るぞ」
嬉しそうにホイスーは、言った。
「全部ですか?」
「ああ、こいつらはとても美味いから、フィリアに料理してもらうぞ」
ヨダレを拭きながら、ホイスーは、言った。
味は、豚肉に似ているらしい。
そう言って、約50体のブー達を何回にも分けて持って帰った。
そして、フィリアの前でホイスーは正座をさせられ、怒られていた。
「こんなに持って帰って来て、どうしろって言うの?」
フィリアはかなりご立腹のようだ。
「すみませんでした…」
それからしばらく豚肉料理が続いた。




