第18話【ボロボロの師匠(笑)】
「何してくれとんねん、お前」
ホイスーはボロボロで、フラフラで帰ってきた。
「遅かったですね」
エースは、ホイスーを見下しながら言った。
「やかましいわ、隣町のミズカーマキーリまで飛ばされたんやぞ!どこまで飛ばすんや!」
ホイスーは、エースを殴りそうになった。
「遠慮はするなと仰ったので…」
「いや、言ったけども……ある程度の空気は読んでくれよ」
ホイスーは、口ごもっていた。
「いや、でも……」
「口答えすんな!走ってこい、ミズカーマキーリまで走ってこい!」
エースは、理不尽すぎる罰走にキレそうになった。
罰走から帰ってきたエースにホイスーは、謎の棒を渡した。
「なんですか?これ」
エースは、渡された謎の棒を眺めた。
そこら辺で拾ってきた、木の枝のような小さく細い棒だった。
「それはな、魔法の杖や!お前、魔術師やろ?」
ホイスーは、ドヤ顔で言った。
「なんで、知ってるんですか?言った覚えはないんですけど……変態ですか?」
ホイスーは、棒を眺めながら言った。
返事としては、テキトーだった。
「先生に向かって変態とはなんや!先生はね、学院で魔法について教えとるんよ、そんぐらい分かって当たり前や。あと、ギルドから聞いとるし」
ホイスーは、自慢げに言った。
「先生……」
エースは、ホイスーの顔に目を移した。
ホイスーの自慢げな顔をみて、エースは殴りたくなった。
「すまんな!今は、この小さい杖しか与えてやれんけど…」
ホイスーは、申し訳なさそうに言った。
「ありがとうございます、先生!」
エースは、深々と礼をした。
下を向いたエースの顔は、爆笑していた。
ホイスーの申し訳なさそうな顔が非常に面白かったから。
"いいシーン"みたいな雰囲気に包まれた。
だが、実際はそうでもなかった。
「それで、今度から魔法を使えるようになるから…」
「ホントですか!?」
エースは、嬉しそうに言った。
「ところで、お前の属性はなんや?」
ホイスーは、エースに訊いた。
「分からないです!」
エースは、元気よく言った。
「この世界の魔法には、属性というものがある。
水属性、炎属性、自然属性、鋼属性、光属性、闇属性、無属性
大きく分けるとこんな感じや……え!わからんの?」
ホイスーは、目を丸くした。
エースは、神の忖度でこれら全て扱うことができる。
この事は、隠しておかないといけないので、とりあえず分からないと答えた。
「ほんなら、これから、色々試していこう。そしたら、属性も見つかるやろう」
「分かりました。」
エースの適合属性探しから修行は始まった。
――ステータス――
名前:エース・スラッグ
種族:人間
年齢:17
レベル:10
MP:10000/10000
HP:30000/30000
防御:80
攻撃:100
役職:魔術師
魔法:なし
スキル:周辺探知,長打力、左腕の取り外し、名投手、能力鑑定
裏スキル:オールマジック
固有スキル:神とのコンタクト
固有裏スキル:ステータスの隠蔽
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