第17話【2日目の話】
「ん〜、いい朝だ」
エースは、外から聞こえる鳥のさえずりを目覚ましに起きた。
「昨日の夜は、楽しかったな」
エースは、昨晩の出来事を振り返った。
日本と近い食事文化、この町には湖があり、風呂というものもある。今までと何ら変わりない生活を送れそうだということ。
エースは、ダイニングへ向かった。
「おはようございます」
「おはよう」
キッチンにフィリアの姿があった。朝食の準備をしている。
「エース君、よく眠れた?」
「はい、バッチリです」
「それは良かったわ」
フィリアは、エースをホントに良くしてくれている。
「ふぇ〜、おまたせしました!今朝の収穫はバッチリでした」
ホイスーがザルいっぱいの野菜を持って家に入ってきた。
「は〜い、ご苦労さん」
フィリアは、冷たくホイスーに言った。
相変わらず、ホイスーへの対応は冷たいものだった。
「おはようございます、ホイスーさん」
「はい、おはようさん。あの〜、今日から本格的に修行を始めるから、朝メシ食べたら先生のところに来い」
「チッ、分かりました」
ついつい、舌打ちをしてしまった。なぜなら、面倒くさいから。
「お前、今舌打ちしたやろ?」
「いいえ、してません」
「嘘つけ!」
「してません!」
「やっぱ、あの〜、朝メシ食べたら、2時間走ってこい!」
エースは、「ダル」という言葉を頑張って飲み込んだ。
今日の朝食は、パンと昨日の夜の残りの味噌汁だった。
束の間の幸せを体感した。
朝食を食べ、ランメニューを終わらせたエースは、ホイスーの元へ向かった。
「終わりました」
はぁはぁと小刻みに呼吸をする。
「こんなんで、息が上がるとか舐めとん?」
ホイスーは、エースを見下した
エースは、殴りたくなった。
「まぁええわ、ほんなら今日は先生と1戦交えようか」
「いきなりですか?」
突然の提案にエースは、目を見開いた。
「まずは、お前の実力を試したい、本気で来い!」
「分かりました。」
エースは、頷きながらスキル長打力を発動させた。
「あーそうや、今回は、お前のホントのパワーを知りたいから…その武器とか魔法を使わずにグゥアッ…」
つい、話の途中で殴ってしまった。気持ち良かった。
ホイスーはそのまま隣町まで飛んでいった。
レベルが上がったような気がした。
――ステータス――
名前:エース・スラッグ
種族:人間
年齢:17
レベル:10
MP:10000/10000
HP:30000/30000
防御:80
攻撃:100
役職:魔術師
スキル:周辺探知,長打力、左腕の取り外し、名投手、能力鑑定
裏スキル:オールマジック
固有スキル:神とのコンタクト
固有裏スキル:ステータスの隠蔽
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