第15話【ホイスーは、尻に敷かれる】
「これが、ホイスーさんの家?」
「おぉ、そおや!」
思いもよらなかった。
何となくホイスーの見た目で、ボロい家だと思っていた。しかし、現実は違った。意外にも、この町で1番大きく、ログハウスのような屋敷だった。
見た目で判断するものじゃないと、エースは痛感した。
屋敷の前で立ち止まっていると、キィーっとドアが開いた。
中から、ボディラインのくっきりとした亜麻色のロングヘアーの女性が現れた。
ホイスーと親しげに話している。
何者かと思った。
「おいエース、何立ち止まっとるんや!これがまぁ、先生の、嫁のフィリアや」
「初めまして、エース君。フィリアです」
予想が付かないくらい美しい人だった。
エルフ耳で整った顔立ちだ。
人は、見た目で判断するもんじゃないと改めて痛感した。
「お世話になります、エース・スラッグです」
「君、凄くいい顔立ちね。貴方の話は聞いてるわ」
最初の人生と合わせても初のお言葉だった。エースの顔は、少し紅潮した。
「まぁ、ウチに入れ!フィリア、案内してあげて」
「お前に指図されなくてもするわ!」
「おぉ、すまん…」
奥さんと仲が悪いのだろうか?ホイスーを見る目が怖かった。
「失礼します」
エースは、恐る恐る家に入った。
「そんな緊張しなくてもいいのよ」
フィリアはエースには優しく接してくれる。
「ふぅ〜、疲れた」
「アンタは、風呂炊いてこい!」
「すいません…」
エースの後に家に入ろうとしたホイスーだったがフィリアに追い出された。
エースに対する態度とホイスーに対する態度の違いに寒気がしたエースだった。もはや怖かった。