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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
6章 ジャッパ大陸
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第150話【出発のバラード】

「これが…駅?」

駅らしき建物の前に皆が着いた時、アリスが言った。


「溢れ出すサイバー感が半端ない…」

エースが目を輝かかせて言った。


エース達の目には、東京駅がSF化された様なサイバー感が溢れる駅が映っていた。


「車掌さんが透明人間のC62-48とか乗ってみたいな」

アリスが目を輝かせながら言った。


「機械人間になりたいの?」

エースがアリスに訊いた。


「いや、なりたくない…。だって、命に限りがある。から夢を懸けられる…」

アリスが思い詰めた顔で言った。


「何の茶番してんの?」

マリーネがエースとアリスに言った。


「早く駅入るよ」

フィリアが駅の入口で言った。



「えーっと、どの電車に乗ればいいの?」

切符売り場でフィリアがみんなに訊いた。


「3番ホーム 準急電車でいいんじゃない?」

アリスが言った。


「でも、その電車がこの駅を通るの1週間後だよ?」

マリーネが時刻表を見て言った。


「っていうか、3番ホームの必要無くないですか?」

カヤがアリスに言った。


「いや…青に似たすっぱい春とライラックだから…」

アリスがモゴモゴと口ごもって言った。


「「「なんの話?!」」」

フィリアとマリーネとカヤが口を揃えて言った。


「今、1番早い電車が…普通列車だね」

エースが時刻表を見ながら言った。


「急行列車はないの?」

マリーネがエースに訊いた。


「次は…3週間後だそうです」

エースが残念そうに言った。


「…普通列車に乗るしかなさそうですね」

カヤが残念そうに言った。


「切符は……始発駅から終着駅だから…7000万ゴールド?!」

切符売り場の値段を見てアリスが大声をあげた。


「1人7000万ゴールドだから…3億5000万ゴールド?!」

カヤも大声をあげた。


「払えるわけ……なくもない」

エースが言った。


「「「「なんで?!」」」」

全員が大声で言った。


「討伐賞金100億貰って、まだ使ってないし」

エースが答えた。



「ちゃんと切符も買えたし、電車が来るのを待つのみ」

駅のホームでアリスが言った。


「8番のりばに行けばいいみたいです」

カヤがみんなに言った。


「じゃあ、そこで電車を待ちましょう」

エースは、そう言って8番のりばに向かった。


「っていうか、この線路…空に向かっていってない?」

マリーネが線路の先を見て言った。


「まさか、ホントに銀河鉄道が?」

エースが驚き混じりに言った。



「まもなく、電車が到着します。黄色い線の内側にお下がり下さい。」

8番のりば付近で待っていると駅のホームに案内が聞こえた。


「この電車に乗るの?」

案内を聞いて、フィリアが訊いた。


「いや、この電車のあとの電車に乗る予定です」

エースが答えた。


すると、空から汽笛が聞こえた。


「え?まさか、空飛ぶ機関車なの?」

アリスが目を輝かせて言った。


キーッというブレーキ音と、煙を纏った電車が反対側に停車した。


「すげぇ…」

アリスは、驚きのあまり"すげぇ"しか言えなかった。


「まもなく、サラマンダー大陸行き快速列車が発車します。ご利用のお客様は、お急ぎください。」

駅のホームに案内が響いた。そして、発車ベルがなった。


機関車が汽笛をあげて発車した。


「すごい、空に向かって進んでるよ!」

アリスが機関車を指さして言った。


「でも、あの線路…先が途切れてるよ?」

マリーネが心配そうに言った。


「見てたらわかるから…大丈夫」

アリスが自信満々に言った。


線路の終わりにたどり着いたとき、機関車は汽笛をあげて、そのまま線路もないのに、真っ直ぐ進んで行った。


「メ、メーーテルーーーー!」

突然、機関車に向かってアリスが叫んだ。


「何?どうした?」

フィリアは、アリスの言動にテンパった。


「さらばメーテル。さらば銀河鉄道999。さらば少年の日…」

エースがいつもより低い声で言った。


機関車の汽笛が鳴った。



「何やってるの?2人とも」

フィリアが馬鹿を見る目で2人を見た。


「汽笛を聞いたらやりたくなるから…」

アリスが言った。


「シチュエーションも完璧だったしね」

エースが言った。


「…?」

フィリアは、首を傾げた。


ほかの2人を見ても、わかっていないようだった。


「まもなく電車が到着します。黄色い線の内側でお待ちください。」

アナウンスと駅メロが鳴った。


「この電車に乗車します。皆さん準備をしてください」

エースがみんなに指示した。


キーッというブレーキ音と、煙を纏った電車がエース達の前に停車した。


「皆さん、乗りますよ」

エースが先導して機関車に乗った。



「この電車、私たちしか乗ってないね」

アリスが周りを見ながら言った。


「噂によると、今から行く大陸はものすごく寒いらしい…」

フィリアが言った。


「まもなく、発車いたします。」

車内アナウンスが鳴り、汽笛が鳴った。


「いよいよ、出発だ…」

マリーネが言った。


「この大陸も長かったね…」

フィリアが言った。


「なんだか、寂しいですね」

エースが苦笑いしながら言った。


「…皆さん、仲間に入れてくださり、ありがとうございます」

カヤがみんなに頭を下げた。


「いいってことよ!」

フィリアが笑いながら言った。


「あと、敬語も使わなくていいよ」

マリーネが言った。


「…!ありがとうございます!」

カヤは、嬉しそうに言った。


「発車します。非常に揺れますので、着席してお待ちください。」

車内アナウンスが流れ、電車が動き始めた。


「やっぱり、SLなのがいいよね」

アリスが言った。


「一度は乗ってみたかったんだよね」

エースが嬉しそうに言った。


機関車がどんどん傾き、空を飛んでいる感覚に近くなっていた。


「なんかジェットコースターみたい」

カヤが言った。


「観て!空を飛んでる」

窓の外をみて、フィリアが言った。


「街の明かりが綺麗だな」

マリーネが言った。


「母さん、父さん…行ってきます。機械の体をくれる星へ。母さん達の分まで長生きするために…」

アリスが窓の外を眺めながら言った。


「また茶番が始まったよ…」

マリーネがため息混じりに言った。


「アリスを乗せた銀河超特急999は、その無限軌道に乗って走り始める。どんな星を訪ねどんなところへ行って、どんな姿になって、ここに帰ってくるのかアリスには分からない。銀河鉄道の延びていく彼方には、無限の星の輝く海が広がっているだけだ…」

エースがいつもより低い声で言った。


「この電車、999ではなかったけどね」

カヤがガチレスした。


「…終わった?茶番劇は」

フィリアがうんざりしたような目で言った。


「うん!やりたいこと出来て大満足!」

アリスは、とても嬉しそうだった。


エース、アリス、フィリア、マリーネ、カヤの電車の旅が不安ではあるが、始まった。

これにて、【ジャッパ大陸】編が終了です。

次回からは、どんな話になるでしょうか?

自分も楽しみです。


次回更新の予定は、決まってません!

1ヶ月後かもしれないし1年後かもしれない。

まぁ、必ず投稿するので皆様、ぜひ楽しみにしてお待ちください。


それではまた逢う日まで〜。


まさと・とむら

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