第149話【大陸どうやって渡る?】
「良かったね、ズボン見つかって」
フィリアがカヤに言った。
「危うく、パンイチで旅をするところでした。皆さん、ありがとうございます」
カヤが皆に頭を下げた。
「そういえば、底なし沼から脱出する魔法があるんだった…」
マリーネが思い出した。
「あ、そんな魔法ありましたね。僕も使えますよ」
エースが言った。
「…じゃあ、最初からそれ使ってくださいよ!引っ張られるとき結構痛かったんですよ!」
カヤが怒り気味に言った。
「ごめんて…」
エースは、すぐ謝った。
『やぁやぁやぁ!諸君!元気かね?』
突然、聞き覚えのある声がした。
「おい!神!海渡れねぇーぞ!」
エースが神に怒った。
『知らないよ、そんなの。』
「じゃあ、どうすればいいの?どうやって渡るの?」
アリスが怒り気味に言った。
『そんな怒らないでよ〜。神様泣いちゃうぞ?』
「気持ち悪っ!」
フィリアが反射的に言った。
「あの〜、神様に対してそんな態度でいいのですか?失礼だと思うんですけど…」
カヤが言いにくそうに言った。
『カヤ君!いい事言うね〜!その通りだよ!神に対する態度じゃないぞ?お前たち。』
「あいつに対する態度は、これでいいの。自称神様だし」
マリーネがカヤに言った。
「…?」
カヤは、混乱していた。
「で?どうやって次の大陸へ行けばいいの?」
アリスがキレ気味に神に尋ねた。
『そうだった。それを教えようと思って現れたのだよ。』
「で?どうすればいいの?」
エースが神に尋ねた。
『泳いで渡りなさい。』
「は?舐めとん?」
エースがガチギレした。
「うーわ!それは神様失格だわ〜」
アリスもため息つきながら言った。
「なるほど…だから皆さんは、このような態度だったんですね?」
カヤが皆に言うと、4人が同時に大きく頷いた。
『冗談だよ〜。そんな皆して睨まないでよ。』
「さっさと言えや!」
フィリアが怒った。
『はい、ごめんなさい…。えーっと、ここから西の方へ進むと、電車があります。それに乗れば遠回りになるけど次の大陸へ辿り着けるよ。』
「どのくらいの遠回りなんですか?」
カヤが神に尋ねた。
『そうだねぇ……1年くらいかかるんじゃない?状況によっては。』
「大分、遠回りね…」
フィリアは、頭を抱えた。
「でも、船の運行再開を待つよりは短いし…」
マリーネも悩んでいた。
「最終判断は、エースに任せるわ。みんなもそれでいいでしょ?」
フィリアが皆に訊いたら、全員が頷いた。
「……じゃあ、駅へ向かいましょう」
エースは、悩みに悩んで答えを出した。
『じゃあ、皆頑張ってねー!』
エコーのかかった神の声が遠くなっていった。
「それでは、駅へ向かいましょう」
エースはそう言って、東側に進んだ。
「違う!そっちじゃない!そっち東だから!」
アリスに止められたあと、西に向かって歩き始めた。