第14話【今日、ウチ来る?】
「え〜、そこをな、しっかりと意識していこうな」
走り終わったあと、ホイスーとの簡易ミーティングが終わった。
「お疲れ様でした。」
ミーティングも終わり、エースは帰ろうとした。
今日1日で転生からここまで来た。疲れが溜まっている気がしてならなかった。
「おい、お前なに帰ろうとしとんや」
ホイスーに止められた。
「なんですか?」
エースは、ちょっと不機嫌だった。
「ってかお前、帰る場所あるん?」
ホイスーに言われて気づいた。家が無いことに。
「お前の家、王都ら辺にあるんやろ?王都のギルドから来たし。王都までは300Kmぐらいはあるぞ?」
そもそも、この世界に帰る家はない。
「そう…でした…」
さて、どうしようと悩んでいるとホイスーが言った。
「ウチに泊まるか?」
ナイスアイデアだった。
「いいのですか?」
「おぉ、エエよ!とりあえず、嫁に許可とってみるわ」
ホイスーには、嫁がいたらしい。
「嫁の許可がとれたから、今からウチに来い。飯とかは用意してやる」
ホイスーは、ドヤ顔で言った。
「分かりました。ありがとうございます。」
内心ホッとした。住む所を提供してくれるのは、有難かったがこの"ちっさい髭野郎 ちょいウザおっさん"と2人きりは、体が受け付け無かっただろう。
エースはホイスーの嫁に心の中で感謝した。
「ホイスーさんの奥さんってどんな人なんですか?」
エースは、恐る恐る訊いた。
「なんや?そんなビビることはないよ、良い奴だ」
このオッサンを好きになる様な人だ。偏見ではあるが、まともな人では無いだろう。本当に偏見だ。
エースは、そう思ったことを申し訳ないと思っているが、やっぱり怖いものは怖い。
「どんな人だろ〜」
ボソッとエースは言った。